- 増岡 健司
- 医療法人社団 MEDIQOL 理事長 歯科医師
- 東京都
- 歯科医師
対象:一般歯科・歯の治療
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
現代人はストレスも多く、知らず知らずのうちに溜め込んでいるということもあります。今や、 日本人の歯ぎしり人口は約3000 万人とも言われています。
そもそも歯ぎしりとは一体何でしょうか?
歯ぎしりとは、食事でもないのに咀嚼筋(噛む時に使う筋肉)が勝手に運動してしまうことをいいます。この運動に関しては、ほぼ100%近い人が無意識に行っているという報告があり、生理現象のひとつとされています。ただ程度がひどくなり、継続的に起こると様々な問題を引き起こします。
<引き起こされる問題>
1、歯の問題・・・・・・磨耗、破折、知覚過敏(しみる)噛むと痛む など
2、歯周組織の問題・・・歯肉炎、歯周疾患(歯槽膿漏) など
3、顎関節の問題・・・・顎関節痛、開口障害、クリック音(カクカクの音) など
4、全身の問題・・・・・顔面痛、頭痛、肩こり、腕のしびれ、腰痛 など
5、その他・・・・・・・舌痛症、むちうち症、倦怠感 など
これらが全て歯ぎしりによるものとは断定できませんが、悪い癖は失くした方がよいと思われます。症状がひどい時は、対症療法としてマウスピースを入れるのが望ましいことですが、最初は慣れが必要になります。歯ぎしりは、睡眠時または何かに夢中になっている時に起きるので気づきにくく、それだけに治すのも厄介だと思われがちですが、可能な限り減少させることはできます。
<治療法の実際>
◆日中について
仕事中は、一時間に一回は肩を上下させて、首を回しながら徐々に頬の力を抜いていきます。歯を噛み合わせないようにしてから、再び仕事に向かうようにします。仕事をする姿勢も重要です。あまり前かがみにならないように。
◆睡眠時について
自己暗示療法を使います。朝5 時に起きなければならないと思って寝ると、不思議にその時間に目が覚めたりします。それと同じ原理で、上下の歯を噛みしめないでリラックスして眠ると暗示にかけるのです。その気になるのがポイントです。
◆その他
・枕は低めにしましょう。
・布団に入ったら考え事をしないようにし、考える時は布団から出るように。
・最初思いっきり噛みしめてから、フッと脱力してみましょう。
・脱力する時に息を吐きましょう。
・かみ合わせてしまうことに対して、意識することは大切です。