自民政調、消費税10%前提の政府案に反発 - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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自民政調、消費税10%前提の政府案に反発

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税制改正 平成21年度税制改正
Fuji Sankei Business I、15日記事によると、
自民党政調は消費税増税を前提とする政府試算の了承を見送ったという。


自民党は14日の政調全体会議で、消費税率を2011〜15年度に毎年
1%ずつ引き上げても、国と地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)
黒字化の達成は、18年度にずれ込むとする政府試算の了承を見送った。
消費税引き上げを前提とすることに、出席議員から批判が噴出した。
内閣府は消費税率据え置きの場合も試算するが、衆院選を控える自民党
議員は、閣議決定された増税方針そのものに対しても不満を募らせている。
求心力が低下している麻生内閣に対して、見直しを求める声が強まる
可能性がある。

「こんな前提をいったい、誰が決めたのか」。会議では、内閣府側からの
説明が終わった途端、出席者から厳しい声が相次いだ。11年度からの
増税は閣議決定された中期プログラムに盛り込まれたが、税率は一切、
明記されていない。だが、試算は5年間で5%の引き上げを基本にし、
批判の的となった。

また、プログラムは景気回復を条件としていたが、試算では世界経済の
低迷が続き、名目GDP(国内総生産)の成長率が、11年度までマイナスを
続ける最悪のシナリオでも増税を前提とした。消費税増税反対派の急先鋒
である中川秀直元幹事長が「景気が上向いたところで増税するというが、
それでは2番底、3番底に落ちる。そうならない保証があるのか」と
執行部に詰め寄るなど、会議は紛糾した。

自民党政調は、この日の了承を予定していたが、反対一色となったため、
保利耕輔政調会長は、内閣府に新たな試算の提示を求めることで場を収めた。
15日に再び議論するが、中川氏は「11年度に引き上げると議論したことはない」
と中期プログラムそのものを批判する。

試算では、世界経済が(1)順調に回復(2)急回復(3)底を這う−
の3通りについて日本経済、財政の姿を示した。「順調に回復」でも、
目標としていた11年度の基礎的収支は15兆2000億円の赤字になり、
18年度にようやく8000億円の黒字になる。急回復でも、11年度は
12兆6000億円の赤字で、目標達成が絶望的であることが改めて
試算で示された格好だ。


この記事の内容は、昨年末12月26日に開催された経済財政諮問会議の
会議内容と同じもので、今年に入ってから議事録が公開されています。

そういう意味では、議員たちも昨日の会議で初めて聞いたのであれば、
勉強不足と言われても仕方がないところであろうが、経済財政諮問会議の
12月26日及び1月6日の議事録を読んでも、2011年度から5年間、毎年
消費税率を1%ずつ引き上げていくことの根拠は一切示されておりません。

中川氏の反論は、これまでの議論の中できちんと国民に説明できるような
合理的な根拠を示していないことに憤りを感じてのものではなかろうか。

中川氏の場合、増税派の与謝野氏とは対極の上げ潮派に属し、
財政再建のための増税ではなく、経済成長による自然増収を目指すべき
という立場の経済・財政政策をもっているから、余計に腹立たしいであろう。


誰であっても、合理的な根拠もなく増税をすることには納得できまい。

消費税率を上げなければ財政破綻するというのであれば、それを具体的な
根拠をもって公表することも、政権政党としての矜持ではなかろうか。

麻生さんは政権政党としての矜持として3年後の増税を明言したのだから、
その根拠も明確に示してしかるべきであろう。
このままでは、国民に対する責任がない官僚が主導する政策がまかり通る
ことになりかねない。

少なくとも何故に消費税率を5年間にわたって1%ずつ上げるという
納税者の事務負担が甚大となる試算を行ったのか。
その明確な根拠が知りたいところである。