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日経記事;『好調日の丸ロボット、ライバルも増える 今どきの投資テーマ(2) 人手不足』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

9月11日付の日経新聞に、『好調日の丸ロボット、ライバルも増える 今どきの投資テーマ(2) 人手不足』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の一部抜粋(冒頭部分)は、以下の通りです。

『世界に先駆けて人口減少や高齢化に直面する日本。日本企業は産業用ロボットや工場・倉庫の自動化などを通じて、構造問題化する「人手不足」解決の先駆者となってきた。ただ海外勢も急速に力を高めており、グローバル競争が激しくなっている。。。』

日本には、ファナックなど大手ロボットメーカーが世界市場で自動化工場を可能にするロボット技術を開発・実用化して、勝ち組になっています。

同時に、ファナックやキャノンなどの大手メーカーは、工場をほとんど自動化して、極めて少人数で運営しています。

この点から、日本は、特に製造分野でのロボット大国になっています。

かって、中国は安い労働力で、世界の工場になりました。しかし、現在、中国国内の労働者賃金は高騰しており、多くの進出企業が、安い労働力を求めて、ベトナムなどに、労働集約型の工場を移管しています。

さらに、中国でも多くの若者が、工場でのきつい仕事を敬遠しており、工場労働者不足が深刻化しています。

この状況下、たとえば、現在ベトナム(特に北部のハノイ市周辺地域)は、このような労働集約型工場の受け入れ口になっています。

そう遠くない将来、このベトナムも、労働者賃金が高くなり、現在のタイのように、新規に工場展開することが、容易にできなくなる状況になります。

日本、中国、アセアン地域での工場運営は、人的資源に頼るやり方から、ロボットを活用した自動化・機械化を行うことになっていますし、なっていきます。

国内では、中小メーカーの人手不足が、大手に比べて深刻化しています。中小の場合、ファナックやキャノンなどの大手メーカーと比べて、規模が小さいことや、大量生産していないなどの理由で、工場全体を自動化・機械化する必要がありません。

そのようなときに活躍するのが、協働ロボットです。協働ロボットとは、『「人の代わりに作業するロボット」から「人と共に作業するロボット」安全柵なしで人と協働して作業することができるロボットです。』と、協働ロボット・システム.comで定義されています。
https://cobot-system.com/feature/#con_top

協働ロボットは、中小メーカーの製造ラインで、人と共に製造作業を行うとともに、製造要員の安全を担保できる、中小企業にとって使い勝手の良いものです。
当然のごとく、協働ロボットは、総じて安いことと、使用するためのプログラム開発が簡単であることが求められます。
私の支援先企業の中には、この協働ロボットを採用して、人手不足と生産性向上の課題を同時に解決した会社もあります。

この協働ロボットメーカーとして、代表的な企業の一つがユニバーサル・ロボットになります。

最近、半導体検査装置で世界大手の米テラダインが、ユニバーサル・ロボットを買収しました。

上記協働ロボット・システム.comのWebサイトには、協働ロボットの紹介に、ライフロボティクス社のロボット「CORO(コロ)」が入っています。

このCORO(コロ)は、吉野家のほか、ロイヤルホストやトヨタ、オムロン、化粧品のコスメナチュラルズなど各社で、外観検査、ピッキング、搬送作業を手伝うための協働ロボットとして用いられています。

そして、2018年2月にファナックが、ライフロボティクスを買収しました。

ファナックやテラダインが、協働ロボットメーカーを買収したのは、この事業分野が今後、大きく成長することを予想していることによります。

IT・ロボット・AI・IoT対応はm中小から大手の工場からオフィスまで、人手に頼っていた多くの作業や仕事を、自動車・機械化することができます。

日本は、現時点で世界のロボット大国ですが、ロボットがAI・IoT対応化する事業環境下では、その優位性もあっという間に、ひっくり返されるリスクがあります。

ロボットは、ハードウェアとソフトウェアの塊になります。一般的には、国内企業のソフトウェア開発力は、欧米企業に比べて低いと言われています。

そのような状況下でも、国内にも有力なITベンダーが育っています。その代表例の一つが、PFN(プリファード・ネットワークス)になります。

PFNは、現時点でIPOを行う計画はもっていません。当社は、日本で有数のユニコーン(未上場で企業価値10億ドル以上の企業)とされています。

これは、トヨタやファナック、日立製作所など日本を代表する大手から、多額の投資を行われたことによります。

PFNは、機械学習や深層学習などを応用し、主に自動運転やロボット、バイオヘルスケアの分野で事業を行うとしています。

現在、このようなPFNの活躍に刺激を受けた多くのITベンチャーが、ロボット分野に参入しています。

ロボット分野は、RPA(Robotic Process Automation:ロボットによる業務自動化)や上記協働ロボット、工場全体を自動化する大型ロボットなど多様化しています。

ロボット分野は、間違いなく今後社会や企業のニーズをとらえて成長する事業です。

国内のベンチャーや中小企業には、大きな新規事業機会獲得につながりますので、徹底的な差別化・差異化を可能にする技術やノウハウを武器に、世界市場で勝ち組になることを大いに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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