- 増岡 健司
- 医療法人社団 MEDIQOL 理事長 歯科医師
- 東京都
- 歯科医師
対象:一般歯科・歯の治療
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
今回は「ペットの歯の病気」についてのお話です。
ペットの歯の病気にも様々なものがあり、人ではありえない病気になることもあります。たとえば、ウサギなどのように、一生歯が伸び続ける動物では、歯がうまく削れずに伸びすぎて、歯の噛( 咬) み合わせが悪くなり、餌が食べられなくなるケースがあります。動物病院に歯のことで一番多く通う動物は『ウサギ』だそうです(予防のための歯切りも含む)。
一方、人の歯の二大疾患は「むし歯」と「歯周病」とされますが、犬や猫などのペットの場合は、「歯周病」がかなり多く、「むし歯」にはなりにくいと言われています。これは、犬や猫が、もともと肉食獣で歯が鋭い円錐形( えんすいけい) をしていて、歯と歯の間が広いこと、炭水化物をあまり摂らない食事であること、唾液が酸性でないことなどが原因のようです。
しかし、最近では食生活も変化していて、炭水化物を多く摂るようになってきましたし、甘いものが好きなペットもいるので、「むし歯」になることもあるそうです。また、「歯周病」については、人と同様に、悩まされている犬や猫が多く、6 歳以上の犬・猫の8 割以上に治療を必要とする「歯周病」が存在しているという調査結果もあるそうです。
犬や猫の「歯周病」の一番の原因はプラーク( 歯垢)。プラークにより歯肉に炎症が起こり、それが深く広がって、やがて歯がグラグラになり、最後には抜け落ちてしまいます。予防も人と同じで、プラークコントロールがもっとも大切です。ペットの場合は、自分で歯磨きができないので、飼い主が責任をもって行わなければいけません。最初は嫌がるペットも多いのですが、やさしくマッサージすることから始めて、根気よく続けることがポイント!
注) 犬や猫の歯は、人に比べてエナメル質がとても薄いので、歯磨きをする際は、ペット用の歯ブラシより硬いものは決して使わないで下さい。
また、固い食べ物や噛むためのおもちゃを与えたり、口の中を清潔に保つような食事面での工夫も重要です。
大切なペットの歯のケアをすることで、ご自身の歯についても意識を高め、
家族みんなでいつまでもきれいな歯を持ち続けたいものですね。