破綻寸前・破綻してしまったサラリーマン大家たち Vol.2 - 投資用不動産売買 - 専門家プロファイル

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破綻寸前・破綻してしまったサラリーマン大家たち Vol.2

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勧められるがままに買ってしまう投資マンション

 

 

投資マンションを買った多くの人に購入したきっかけを聞いてみると、実は勤務先に電話がかかってきて話を聞いてしまった場合が意外に多い。

 

その電話の内容は投資マンションのセールスの王道である「節税できる」と「生命保険の代わりになる」「将来の年金になる」が中心で、そこで“脈あり”と思われてしまうと、

営業マンと面談することやセミナーへの来場を勧められる。

 

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最近の事案。

将来のことをいろいろ考えるうちに、収入が少ないから「副業的なものをしてみたいな」と感じていたサラリーウーマンでもある奥様。

 

やはり、勤務先にセールスの電話が頻繁にかかってきて、タイミングよく話を聞いてしまった。

 

ご主人は全く投資や貯蓄に興味がなく、すべて奥様任せの夫妻。

 

話を聞く中で当初は半信半疑であったが、あれよ、あれよという感じでセールスされたのが、都23区内の新築の区分マンション、いわゆる投資マンションを紹介され、節税だの生命保険になるだのセールスの王道を聞かされて区分マンション2戸を約5,500万円で購入してしまった。

 

ほぼローンによる資金調達で、収支はほぼ当然ながら毎月1~2万円の持ち出しだった。

夫婦で働いているせいか、この負担額はさほど気にはならなかったようだ。

 

それもそのはず、この夫妻の住まいは持ち家で、しかも住宅ローンはすでに完済しており、経済的には比較的ゆとりのある家計。

 

夫妻は「ここまでで投資物件を買うのをやめておけばよかった」とあとで後悔している。

儲からない内容に多少の不満も募っていた矢先に再びセールスされる。

その内容はこうだ。

「手持ちの区分マンション2戸は赤字だから、中古の利回りのいい区分マンションの物件が2戸出たので新築の赤字が補てんできる」という話。

結果、同じく23区内の中古の区分マンション2戸を買い増しして、合計4戸の区分マンションを所有することになった。

 

中古といえども2戸合わせて5,000万円もする物件。当然、この時点で借り入れは約1億円まで達してしまった。

 

確かに、4戸合計の収支はいわゆるチャラになってよくはなった。

しかしながら、ローン返済期間中の約30年はずっとチャラということで、全くと言っていいほど儲からない。

せいぜい夫妻の所得税還付の恩恵が受けられる5年間程度しかうま味がない投資だ。

 

こんな状況で、さらにまたセールスされてしまう。

「奥さん、4戸の区分マンションでようやく収支がトントンになりましたね、ここから儲けましょうよ、1棟モノの物件でいいのが出ましたから紹介します。」と、

その中身は民泊で貸すというこれから流行るし儲かるという話の案件、なんと18千万円だ。

 

民泊はホントのところどうなのだろうか?という不安もあったが、年間の収益が数百万あると説明されて、ついつい買う気になりローンの仮審査までしてしまった。

 

ここで紹介された提携の借入先は、有名な地方の金融機関であるスルガ銀行。

ローンの金利は高めだが、融資には積極的なところしか貸してくれないと聞く。

 

すでに1億円の借金があるにもかかわらず、さらに18千万円の借り入れをすれば合計約3億近くの借金になるが、夫妻には借金の額よりも収益の金額に目がくらんでしまったようだ。

 

こんな状況になって、色々な人、特に第三者的な専門家に相談して初めて気がついた。

「最後に紹介された物件は買わなかったが、実はこんなに借金をしてしまったと…」

加えて、営業の担当をかなり信用していたようだが「私たちはもしかして騙されていたのでしょうか?」と尋ねてきた。

 

仮に、この夫妻のこと思ってこの担当営業がセールスをしていたのであれば、新築を買わせるより中古の区分マンション2戸だけを買ってもらうだけで充分な節税や生命保険代わりなどができるはずだ。

 

それが、世帯年収1,500万円近い夫妻に総額約3億円の物件を買わせる算段を考えていたわけで、それに乗ってしまった夫妻も悪いが恐ろしい現実を垣間見ることができる。

 

いまはローン金利が低いので“借り得”に見えるが、将来も金利が上がらない保証はない。むしろ、「上がる」と考えていたほうがいい。

金利が上昇したら、ローンで大きな借り入れをしてしまった人、この事案の夫妻は確実にアウトとなってしまう。

 

しかも、万一、民泊が失敗に終われば大変な負債を抱えることになる。

最後に話があった物件を買ってしまったら、それこそ破たんの道を歩んだかもしれない。

 

この夫妻の事例は不動産会社と金融機関に貸しこまれる典型的なものだ。

 

物件を数多く売る営業マンはローン審査基準の年間返済比率ギリギリまで貸し込みをさせて、物件を買わせようとする。

 

例えば、年収1,000万円の人は年間のローン返済比率は35%、つまり350万円まで返済できると金融機関はみなしている。

 

年間350万円の返済に相当する借入金はいくらかと計算すると、年金利2%であれば30年返済で約8,000万円近くまで借りることが可能というわけだ。

 

ざっくり、34戸の区分マンションは買えるとお客さんを値踏みしている。

 

こう考えると、先ほどの夫妻の事例にはガテンがいくだろう。

加えて審査基準のユルイ金融機関が加われば数億の借金をさせることはお手の物だろう。

 

このご夫妻の出口はなかなか見えない。

とりあえず中古のワンルームマンションは相場で買っているから、いま、高値のうちに売却するはず。

新築はしばらくの間、塩漬けで赤字の垂れ流しだ。

 

出口が見えないまま不動産投資を行うのは危険だ。

 

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