- 増岡 健司
- 医療法人社団 MEDIQOL 理事長 歯科医師
- 東京都
- 歯科医師
対象:一般歯科・歯の治療
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
1) 乳幼児期
歯が全部そろっている時のかむ力を100 とすると、1本歯が抜けたときは60、臼歯が数本抜けると40というようにかむ力は半減します。また、虫歯が痛むと食欲も減り、健康な歯の子供にくらべ3 歳ぐらいから、虫歯の多い子供は身長、体重などの発育に影響がでてきます。
乳幼児の虫歯予防は、歯ブラシで磨くことがまず重要ですが、定期的なフッ化物の塗布(年に4 回位)は、虫歯の発生を激減させるのに効果があります。食生活では歯垢を増やす原因になる糖分の多いお菓子の取り過ぎに注意します。また、アイソトニック飲料やイオン飲料などは酸性度が強いので、長く飲み続けると歯の表面に良い影響を与えません。哺乳瓶に入れてずっとくわえさせるようなことは避けて下さい。
ブラッシングについては、お母さんの仕上げ磨きが重要です。歯の生えはじめはガーゼに水を含ませてふくだけでも充分です。8 歳ごろまでは、子供自身が磨いた後、仕上げ磨きをしてあげます。
2) 思春期〜成長期
この時期はとくに女性の場合、ホルモンの分泌の変化などにより歯肉炎を起こす頻度が高くなるといわれています。そこで、ブラッシングの方法として歯ぐきを中心とした磨き方です。さらに、磨き残しを補うためにデンタルフロス(糸ようじ)を積極的に使用します。また、虫歯の予防としてだけでなく、エチケットとして洗口液の使用も良いと思います。
3)中高年期
この時期は歯ぐきの腫れや出血などがあり、歯周病が蔓延する時期です。虫歯がないからといって安心できません。歯周病は痛みを伴わないことが多く、うっかりすると症状をみのがしてしまいます。
症状のチェックは、歯肉の色、歯肉からの出血、歯石のつき方などで見分けます。歯肉の色は、炎症を起こすと健康なピンク色から赤紫色へ徐々に変化します。そして、歯磨きや、つまようじで突くだけでも出血します。さらに進行すると歯ぐきから苦い味の膿が出たり、歯が長くなったように感じます。こうした時期のブラッシングは、歯ぐきを中心に行いますが、自己流は避け、歯科医や歯科衛生士から正しい指導を受けて下さい。また、殺菌効果のある洗口液を使用し、口腔内を清潔に保ちます。
4)高年期〜
50 歳から高年期にかけて、歯の喪失は大変多くなります。高年期では入れ歯を使用される方が多くなりますが、入れ歯の手入れは毎食後、歯ブラシや洗浄液を使って清潔に保つことから始まります。時間がないときは、流水での水洗いでもかまいません。寝るときは、義歯をはずして水または洗浄液に浸して保管することを勧めます。入れ歯の手入れを怠ると、入れ歯に付着するカンジタ菌や他の細菌が口腔内で繁殖し、粘膜の病気や気道感染を起こす原因になりますので、十分注意が必要です。また、残っている歯に対しては電動歯ブラシの使用が効果的です。