- 増岡 健司
- 医療法人社団 MEDIQOL 理事長 歯科医師
- 東京都
- 歯科医師
対象:一般歯科・歯の治療
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
- 赤岩 経大
- (歯科医師)
◆フッ素による虫歯の予防
虫歯は、虫歯の原因になる菌(ミュータンス菌)が食べたものを栄養源として酸をつくり、この酸が歯の表面を溶かすことによって進行していきます。
歯の表面は食事のたびに脱灰と再石灰化を繰り返しています。脱灰により歯から溶け出したカルシウムイオンやリン酸イオンは、再石灰化によって再び歯にもどります。この時、フッ素イオンも一緒に歯にとりこむと、歯質はフルオロアパタイトという硬く、酸におかされにくい構造になります。また、フッ素には再石灰化の促進やミュータンス菌の活動を抑制して、細菌がつくる酸の生産能力を抑える働きもあります。
フッ素はこのように虫歯の予防に大変有効です。フッ素の塗布は歯科医院で行います。特に生えてきたばかりの歯はまだ弱いため、永久歯への生え変わりの時、定期的に行うと効果があります。また、日常のハミガキでも、フッ素入りのハミガキ粉を使うことは効果が期待できます。
◆キシリトールによる虫歯の予防
キシリトールにはミュータンス菌の活動を弱める働きがあり、その結果ミュータンス菌が出す酸の発生を抑えます。これは、ミュータンス菌は糖と勘違いしてキシリトールを取り込もうとするのですが、エネルギーを消費するだけで代謝が出来ません。その為、酸が発生しないだけでなく、菌が疲労して活性も弱まっていきます。
キシリトールの摂取は、キシリトール入りガムを食後に1 日数回かむことが理想的です。また、ガムを選ぶ場合、キシリトールの量が多いほどその効果は高いと言われています。虫歯の予防にフッ素やキシリトールが有効なことをお話しましたが、これらだけに頼ることは出来ません。間食をひかえるなどの規則正しい食習慣の徹底や日頃のブラッシングも忘れずに行いましょう。