寂しいのはひとりだからじゃない

春は気候の変化が大きく体調を崩しやすいのですが、当カウンセリングルームも、3月中旬から体調不良でキャンセル・延期される方が続いています。花粉もピークですが、みなさまはお変わりないでしょうか。

さて、こちらには、独身の方も既婚の方、子どもがいる方もいない方、婚活中の方、妊活中の方などいろいろな方がいらっしゃいます。

私自身は、未婚で子どもなし。結婚式約1ヶ月前に婚約破棄されるという結婚未遂はありましたが、もともと結婚願望が薄かったこともあり、その後まったく焦ることなく今日に至ります。

実は、当時は円満に実家を出るための手段として結婚を選んだ側面もあったのですが、破談になった後、粘り強く母と交渉し一人暮らしを勝ち取って、その解放感と自由を今も手放したくないくらいひとりで快適に過ごしています。

その後、正社員もやめてフリーランスになったのですから、私の自由好きも相当なのもの。

私は大人になるまでずっと精神的に不自由だったので、おそらくその反動で極端にふれているのだと思います。

自由には責任がともない、不安定でもあります。孤独死のリスクも高いです。それでも私は自由でいたい。自分に関することは自分で考えて決めて責任をとりたい。私にとっては経験的に「自由」が最優先だということはゆるぎないのです。

組織に属すれば組織に守ってもらえることは知っています。有給休暇や退職金、厚生年金などの「安定」はとても魅力的だけど、それとひきかえにするほど私にとって自由は貴重なもの。これは人によってかなり価値観が違うところでしょう。

でも、いくら安定を望むからといって、将来の保険のために結婚や出産を考えるのは危険だと思います。多くのご相談を受けている経験から言って、いくら家族といえども他人はあてにならず、あてにするほど相手に執着し、翻弄されて苦しくなるからです。

よく「ひとりじゃ寂しい」といいますが、家族がいれば寂しくない保証はどこにもありません。実際に配偶者や親子関係のお悩みは、「ひとりでよかった」と思えるほど多いのです。

誰でも死ぬときはひとり。配偶者がいても先立たれるかもしれないし、子どもがいても頼れるどころか頼られるなど悩みの種になることも珍しくありません。

誰かをあてにするほど不安定なことはないのだと認め、自分をあてにして、いざとなればひとりでも寂しくないように生きていく心構えができれば、誰かの存在はプラスアルファの幸せになります。他人に過剰に期待することなく、お互いハッピーな関係でいられます。

ひとりで寂しいのは、誰かがいないからじゃなく、自分自身が満たされていないから。自分が満たされていればひとりでも寂しくありません。必要なのは、誰かではなく、あなた自身です。