カナダの名門ボーディングスクールへの留学

カナダ・アメリカでも優秀な高校生が学ぶ名門ボーディングスクールについて解説しました。

日本人にはかなりの挑戦ですが、頑張ってほしいものです。

ただし、最近多くなってきた偽物「名門の真似」ボーディングスクールには要注意。

完全にお金の無駄になりますよ。

（質問）

卒業目的で高校留学を考えていますが、公立は視野には入れておらず、ボーディングスクールのみで考えています。

資金面では親の援助が得られるので問題ありません。

ボーディングスクールへの留学をどうお考えでしょうか。

教えていただけたら幸いです。

（回答）

高額の費用がかかるボーディングスクールへの留学は、かなりの下調べが重要だと思います。

30年近く、カナダの高校留学に関与して来ましたが、いわゆる名門のボーディングスクールへの留学生は多くありません。

トップクラスのボーディングスクールの場合、将来に大きくつながる教育を提供していますが、費用面では、特に留学生には厳しいのが現実です。

親御さんからの資金援助に問題がないのは、非常に幸運だと思いますよ。

アメリカ・カナダを視野に入れてのご質問だと思いますが、私自身はカナダが専門ですので、ここではカナダのボーディングスクールについて概要を書かせていただきます。

アメリカに関しては、公教育はほぼ崩壊状態ですので、留学するなら名門私立しか選択肢はないと思います。

１．経済的に余裕があり、教育に熱心なカナダの親たちが送るボーディングスクールには大きく分けて２種類あります。

歴史も古く、キリスト教に根ざした教育を行う名門私立高校。

カナダ全国から生徒を集めていますので、寮も完備しています。

通いの生徒を認める学校と、完全なボーディングスクールとして全員が寝起きを共にすることを課すところもあります。

学費もそれなりに高額CA$30,000~70,000 程度はかかります。

選抜方法も様々ですので、希望の学校に直接問い合わせ、自分が本当に入学可能かを事前に調べることが必要です。

優秀な学生集めのため、カナダ全国で名門ボーディングスクールが一同に介し、EXPOも行っているようですので、日本からの留学を目指す方は、親子で参加なさることをお勧めします。

また実際に現地に行き、学校見学をしてから入学を決めるのが妥当かと考えます。

名門と言われるボーディングスクールはほとんどIBプログラムも提供していますので、将来カナダ以外での進学を希望する生徒にも最有利です。

もちろん、IBを取らなくても、授業内容、レベルは非常に高いです。

日本からの留学生にとっての関門は英語力です。

最初から適応学年の授業に入ることが当然とされるカリキュラムが組まれているようですので、カナダの同年齢と同等の英語運用力、学習能力、クリティカル・シンキング能力は、留学時点で必須です。

従って、日本で普通に中学までの勉強をしていただけの生徒には、手の届かないレベルです。

このような名門ボーディングスクールで学ぶ利点は、教育水準の高さはもちろんですが、同じ知的レベル、学習意欲を持つ、カナダのリーディング階級の子供と共に学べることです。

ここで培うネットワークは、社会に出ても役に立つ貴重なものとなると思います。

ただ、マイナス点としては、日本の親はカナダの名門ボーディングスクールに通う生徒の親たちとのネットワークが組みにくいことです。

親同士も、経済レベルや、教育レベル、社会での地位などが同等の人たちですので、その中でネットワークを組み、子供たちもその仲間に入っていきます。

親がカナダにいない日本人にとっては、下手すると孤立してしまう可能性も否定出来ません。

もうひとつが、ここ20年くらいの間にずいぶん増えたいわゆる私立高校。

公立高校に不満を持つ親たちの要請で、ずいぶん増えました。

それぞれ特色を持つ私立高校が雨後の竹の子のように出てきたカナダです。

公立高校は無料なのに引き換え、年間100万以上の授業料を払ってまでも、私立高校を選びたい親のためです。

寮を持っている学校は多くありませんので、調べる必要ありです。

乗馬を主体としている高校、フランス語で授業をする高校、ゴルフ教育をする高校などなど、生徒集めに必死です。

数年前にこの種の私立高校に生徒を留学させました。

先生ひとりに対する生徒数も少なく、先生たちのプロフェッショナル度も高かったです。

微分積分のクラスに至っては生徒2名に先生1名、しかも大学院を出ているプロがつっきりで教えてくれました。

カナダに移民し成功した親、カナダの金持ちの親たちが子供を通わせ、学校運営にも参加するというユニークな高校でしたが、校長は親と意が合わず辞任し、別の私立高校に雇われたりと、なかなか中身はややこしそうでした。

英語力の低い留学生へのヘルプは、ほとんどの場合ありません。

日本から留学する場合は、その学校のレベルを落とさないだけの学習能力、英語能力が必要ですが、生徒数が不足している学校は少々のマイナスにも目をつぶる傾向があります。

しかし、能力がない場合は、年齢相当の学年からではなく、2年ほど落とした学年からのスタートとなる可能性もあります。

目当ての学校と直接やりとりし、必ず確かめることが必要です。

名門ボーディングスクールと同じく、親同士の繋がりは強いですので、親元にいない日本からの留学生は、なかなかグループには入りにくいと思います。

また生徒同士も少人数の学校ですでに仲良しグループが出来上がっていますので、そこにも日本人は結構入りづらいです。

２．International Student Program もESLもある私立高校

アジア、中東、インドからの金持ち親向けに、まるで名門であるかのような宣伝文句をつらね宣伝している似非ボーディングスクールも増えて来ていますので、要注意です。

費用だけは高額なものを請求しますが、内容はお粗末です。

学生の質も決して高いとは言えず、折角カナダに来ても、質の悪い留学生と十把一絡げにされてしまいます。

教師の質も高くはなさそうです。

上記１番の学校の教師採用は、かなり質を重んじているようで、大学院卒の教師が多かったです。

留学生集めをしている「名門のふりをする私立ボーディングスクール」の講師は、アジアの国の会話学校や、日本でALTをしていた人たちの就職先となっているようです。

最近よく相談があり、問題の多そうなのはNorth Vancouver にあるボドウェルと、Calgary 郊外にあるGolden Hills です。

レベルの低い、本国でうまくいかなかった留学生と同じ場所で勉強したくない場合は、これらは避けることをお勧めします。

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In short,

高い学費を払い、カナダやアメリカの良質のボーディングスクールに留学を希望する場合は、留学時点で次の能力が必須ですので、十分準備して下さい。

１．高い学習能力。　自分で動機づけ出来る学習能力。　もちろん日本の学校ではトップクラスの成績が必要。

２．高い英語運用能力。　単なる暗記テストはありませんので、自分の考えを正確な文法で、論理的に表現するための文法が必要です。

３．英語のエッセイを書く能力。英語のエッセイには形式もあり、様々なスキルが必要です。

４．クリティカル・シンキング能力。　これなしには授業は理解出来ません。

Good luck!

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