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閲覧数順 2024年04月24日更新

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経営者の「傲慢症候群」に思い当たるところあり

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験

 傲慢なトップが暴走して、経営につまずくような例はときどき見かけますが、ある新聞記事によると、英国では「傲慢」を「人格障害」と捉え、これを「傲慢症候群」と名づけ、対策を考える研究が始まっているそうです。権力の座に長くいると性格が変わる人格障害の一種とのことです。


 「傲慢症候群」では、以下の14症例というものが挙げられています。

1.自己陶酔の傾向があり、「この世は権力をふるって栄華をめざす劇場だ」と思うことがある。

2.何かするときは、まずは自分がよく映るようにしたい。

3.イメージや外見がかなり気になる。

4.話しているうちに気が高ぶり、自分がまるで偉大な指導者だと錯覚することがある。

5.自分のことを「国家」や「組織」と重ね合わせ、考え方も利害も同じだと思ってしまう。

6.自分のことを王様のように「私たち」と気取って言ったり、自分を大きく見せるため「彼は」「彼女は」などと三人称をつかったりする。

7.自分の意見には過大な自信があるが、他人の意見の批判は見下すことがある。

8.「私には無限の力がある」など、自分の能力を過信する。

9.「私の可否を問うのは、同僚や世論などのありふれたものではなく、審判するのは歴史か神だ」と思う。

10.「私の正しさは、いずれ歴史か神が判断してくれる」と信じている。

11.現実感覚を失い、ひきこもりがちになることがある。

12.せわしなく、むこうみずで衝動的な性格である。

13.大きなビジョンに気をとられがちで、「私がやろうとしていることは道義的に正しいので、実用性やコスト、結果についてさほど検討する必要はない」と思うことがある。

14.計画を進めるとき、基本動作や詳細に注意を払わないので、ミスが多い。


 世の中を戦争に引き込むような歴史上の指導者や、最近であれば、リーマンショックでも利益追求をやめずに巨額の損失を出したファンドの経営者、乗務員のサービスに激怒して飛行機をひきかえさせた「ナッツ騒動」なども、この傲慢症候群に当てはまるとのことです。


 「傲慢症候群」にかかりやすいのは、年齢を問わず「権力の座についてからも、成功をおさめてきた人」で、実権をにぎってから、ある程度の年数が経ってから発症するとのことですが、そう言われると、私が接してきた経営者にも思い当たる人がいます。


 例えば、当初は謙虚で他者尊重の様子だった経営者が、その後しばらく経ってからお会いすると、社員の愚痴やマイナス評価ばかりになっている、人の助言や意見を聞かなくなっている、強引に自分の意見を押し付けている、他者に攻撃的になっているなど、まさに「傲慢症候群」になってしまっていることがあります。


 その一方、自信なさげだった経営者が、数年後にお会いすると自信満々で会社を率いている、落ち着いた風格を身につけているなどといったこともあります。良い意味での自信や傲慢さを身につけたということでしょう。


 人格障害などと言いながらも、このような特性を持っていたおかげで、大きな成功をおさめた経営者はたくさんいます。ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブス、最近ではイーロン・マスクなど、大きなイノベーションをもたらすような人には、この「傲慢症候群」に当てはまる要素が必ずあります。傲慢な人が全員悪徳経営者かというと、決してそうではありません。

 いずれにしても、権力は良くも悪くも人の心理を変えてしまうということでしょう。


 経営者にある種の傲慢さは必要だとしても、この行き過ぎは間違いなく経営リスクです。これを避けるには、本人が意識することはもちろんですが、権力の分散などの仕組みも必要になります。例えば、経営トップと同等に近い権限を持ち、トップに対して苦言を呈する事ができる人の存在です。よくナンバー2の重要性が言われるのも、こういうことではないかと思います。


 企業の健全性を保ち、悪い意味の「傲慢症候群」に陥らないためには、経営者自身が自分を律することと合わせて、ナンバー2の育成や相互牽制の仕組み作りといったことも、これからは重要な取り組みになるのではないでしょうか。



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