「自己キャリア」なのに会社まかせで良いのか - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

ユニティ・サポート 代表
東京都
経営コンサルタント
03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:人材育成

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

「自己キャリア」なのに会社まかせで良いのか

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 人材育成
  3. 人材育成全般
社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え

 今から数年前、企業内のミドル層からシニア世代の、キャリア自律を考えるというイベントに参加したことがあります。

 

 その時に感じたのは、特に大企業に属している人や安定した職業についている人ほど、自分自身のキャリアを自分では考えず、会社まかせにしている傾向があったということです。最近は少し変わりつつある空気を感じはしますが、やはり基本的な傾向は同じです。

 

 こういう人たちのマインドチェンジをするべく、企業では年齢の節目ごとに自分のキャリアを考える研修を実施したり、キャリアカウンセラーを配置して相談窓口を設けたり、その他いろいろなプログラムを設けています。国のレベルでも、ミドル、シニア層のキャリア自律を支援するいくつかのプロジェクトが動いています。

 少子高齢化の時代を迎えて労働人口自体が減っていく中では、限られた労働力をうまく活用するには、人材の流動化や再配置が必須となってきます。これらの取り組みが重要であることは間違いありません。

 

 ただ、こういう動きに対して私が思うのは、自己キャリアというまさに自分自身のことなのに、それほど手間ひまをかけて会社や周囲が注意喚起をしなければ、自分で考えようとしない人がこれほどたくさんいるという問題です。

 自分自身のことを平気で会社まかせにしていることへの疑問とともに、会社や世間の対応も、当事者に対してあまりに過保護という感じがします。

 

 裏を返せば、会社まかせでも平気だという意識が、それほど浸透しているということです。

 「仕事は上から降ってくるものだから、自分でどうこうできる物ではない」「やりたい仕事や部署異動など、自分の意志ではどうにもならない」など、自分で決めないという意識が定着してしまっているということなのかもしれません。

 

 ただ、今はそんな人まかせで安泰の時代ではありません。どんな優良企業でも、今後5年のうちにどんな展開になるのか、本当のところは誰にもわかりません。

 将来を見通すことがいろいろな面で難しくなっており、これからどんなシナリオで進むかによって、関わる人たちのキャリアには大きな影響があります。

 

 これまでの日本企業におけるキャリアの積み方というのは、「マラソン型」と言われています。長いレースに参加し続けることはできますが、一度集団から脱落すると、その後の挽回は難しく、序列が固定してしまいます。

 これが例えばインドなどであれば、「毎日が100m競争」のようなイメージだそうです。日々の結果によって序列が常に変わっていき、次のレースに必ず参加できるかどうかの保障がありません。

 

 キャリアの自律ということは、自分のキャリアを継続的に考えながら行動を続けるということなので、当事者である本人が考えるのは当然だと思いますが、実際にはなかなかそうなってはいません。問題意識は持っていて、考えようとはするものの、何をすればよいのかわからないという人もいます。

 

 「自己キャリアを考える」といっても、それほど難しく考える必要はなく、まずは自分の好きなことや得意なことを整理してみるようなことでかまいません。周囲の人にアドバイスをもらったりするのも良いでしょう。

 

 いずれにしても、自己キャリアを会社まかせにして、自分で考えていないということは、とても怖いことではないかと思います。

 

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 経営コンサルタント)
ユニティ・サポート 代表

組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。

03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

カテゴリ 「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム

カテゴリ このコラムに関連するサービス

対面相談 【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

当事者では気づきづらい組織風土の問題をアドバイス。同テーマ商品の対面相談版です。

料金
6,000円

「今一つ元気がない」「何となく一体感がない」など、職場の風土や雰囲気に関する悩みについては、当事者しかわからない事情とともに、当事者であるために気づきづらい事もあります。これまでのコンサルティングで、活気を維持する、活気を失う、活気を取り戻す、という様々な事例、プロセスを見た経験から、会社状況に合わせた原因分析、対策をアドバイスします。(同テーマのメール相談を、より詳細に行うための対面相談です)

【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

このコラムに類似したコラム

悩めるIT人材へのメッセージ 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2013/12/05 06:39)

運や偶然に左右されがちな「自分のキャリア」をどう考えるか 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2022/11/09 22:00)

「支援制度がなければ勉強できない」という社員たち 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2021/12/16 07:00)

時代に合わせた適切なコミュニケーション 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2021/04/28 10:43)

NECが働き方を支援する新会社を設立 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2020/12/16 11:13)