「1年留学制度」をエージェントに丸投げする無責任な日本の高校

能面の様な表情で、言葉も発せず、カナダの高校の片隅で10ヶ月を過ごし帰国していく日本からの高校生。

学校の「留学制度」とやらで、学校側は手を下さずエージェントに丸投げ。

エージェントは相当数のビジネスが見込めるとウハウハ。

1人送れば多額のリベートがカナダ・日本から入るおいしい儲け話。

そのカラクリが見事に暴かれている質問に出会いました。

（質問）

高2でカナダ留学を考えています。

春から通信制高校に通うのですがその高校はオプションで海外留学ができ、高校のパンフレットに書いてある留学 会社があるんですがその留学会社以外の会社を通して留学するのは可能でしょうか？

（カナダ留学はほぼ確実に決まってます）

（回答）

カナダからの忠告です。

1994年以来、カナダで日本から来る優秀な学生の支援をしています。

同時に、全く準備も能力もなく、エージェントの嘘に騙されカナダに来た日本人高校生の相談も行っています。

そのような「留学」すべきでなかった高校生達の末路が余りにも悲惨なことに黙っていられないのが本音です。

あなたの学校が行うような「1年留学制度」は単なる生徒集めの道具として大流行のようですね。

いわゆるレベルの高い進学校では、そんなことをさせる暇も意義もありませんので、そのような「制度」で生徒を釣るのは進学校以外の範疇に入る高校です。

日本の教育制度でトップクラスの優秀な生徒でさえ、英語の思考法クリティカル・シンキング理解なしでは全く授業に入れてももらないカナダの高校です。

そこに英語力なし、準備なしで商品のように送り込まれる高校生は、カナダの学校・社会からも相手にされない亡霊のような存在です。

能面の様な表情で、言葉も発せず、カナダの高校の片隅で10ヶ月を過ごし帰国していく日本からの高校生。

亡霊ならまだましな方。

「日本人高校生はレベルが低く、英語力が悲劇的に低く、年齢の割に幼すぎ。　しかもそんな高校生を日本の親は平気で外国に送る！」と、毎年カナダで日本人全体の評判を貶めています。

そのカラクリが「学校のパンフレットで紹介しているエージェント」ですね。

学校はカナダについての知識もないし、自校の生徒くらいは学校自体が手続きをして送り出すべきなのに、英語も出来ないので、エージェントに丸投げ。

エージェントはカナダの学校と、日本の学校からリベートが入り、生徒からも多額の儲けがあります。

しかも学校ぐるみで丸投げされると、入る金額も大きいでしょうね。

取引のある高校の教師にちょこっと捧げ物をしておけばいいだけでしょう、エージェント側は。

おいしいビジネスです。

そのおいしいビジネスの商品が、あなたたち高校生です。

これが日本の高校が宣伝する「1年留学プログラム」の現実です。

従って、残念ながら、パンフレットのエージェントはどこもあなたを商品としてお金儲けするのが目的です。

また、他のエージェントを選んだとしても同じです。

あなたの学校と取引がないことで、学校は難色を示すかも知れませんね、恐らく何らかの金銭的供応があるでしょうから。

もし、あなたに能力があり、他の日本人高校生と同列に無視される経験を避けたいなら、自分で学校を調べ、自分で交渉し出願することが最高の選択しです。

自分で出来ないのであれば、カナダには来ないこと。

もっと勉強し、大人になってから有意義な経験をしに来て下さい。

「カナダ留学制度」が必修というのもおかしな話ですが、その場合は、ぜひこの回答を学校に見せて下さい。

そして、拒否するのも勇気ある選択肢だと思います。

人生の大切な1年を無駄にしてしまう可能性が限りなく高いです。

正直、日本の高校の「流行りだからやっておこう留学制度」は、カナダで実際に真剣に頑張る能力の高い日本人にとり非常に迷惑なことです。

日本の評判を下げ続けるこの制度には大きな反省が必要だと思います。