- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
勇んでホームステイをしたものの、ホストと話が続かない。。。ホストが話かけてくれない。。。ホストの子どもと話が出来ない。。。などの状況に陥る日本人がほとんどです。
30年近くカナダで面倒をみている優秀な日本人学生でも同様です。
理由は、日本人のコミュニケーションの基本的欠陥にあるようです。
(質問)
ホストファミリーとの会話で悩んでいます。 私の英語力が無くて続かないのもありますが、ほぼ話してくれたことに対して答えるだけの会話です。
自分からどう切り出したらいいのかわかりません。
How was your day? と聞かれてもgoodと言って終わりです。
何か話されててよく理解してなくても何度も聞くのは申し訳ないと思って頷くだけとか。
ホストシスターは13,15歳で、でもとても大人っぽくてこの子達ともなにを会話すればいいかわかりません。この子達から話しかけてくれることはあまりないのでほぼ会話無しです。
(回答)
日本人がホームステイしているカナダ人家庭で常に目にする光景です。
想像を絶するほど、日本の学生はコミュニケーションが出来ません。
英語の問題というより、もともとのコミュニケーション能力の欠落だと感じています。
カナダのホストファミリーから見た、日本人の困った態度を書いてみますね。
当てはまると思ったら、心がけて直すようにしてみると何かが変わるかも知れませんよ。
日本人をステイさせているカナダ人ホストの不平
1.うちの日本人生徒は何を話しかけても、返事は一言しか返って来ない。
例えば、質問の中にもあるように、帰宅後や夕食時に “How was your day?” とホストは常に声をかけてくれるはずです。
日本人はほぼ “Good.” しか言いません。
それがどれほど失礼な返答かも意識せずに、です。
聞いてくれたということは、ホストはあなたの1日に興味を持ってくれているので、それに答えなくちゃいけないですね。
“Good.”と文章にもせず答えるのはタブー。
“It was good.” だけでもダメ。
何が “good” だったのか具体的にその日のエピソードを話すことが絶対必要です。
話している間に、ホストはいっぱい質問をしてくれるはずです。
カナダだけでなく英語圏の人なら常にクリティカル・シンキングを使って話しますので、「なぜ?」「どうやって?」などの具体的な質問は日常会話の常識です。
それに受け答えしているうちに、どんどん話しが進むはず。
そして、最後に、相手にも聞いてあげること。
これが常識。
“How was YOUR day?”
もちろん、答えてくれている間にもたくさん質問してあげること。
これが英語で話す常識です。
その常識がない日本人生徒について、ホストはこう思っていますよ。
恐らくこの子は
a. 話しかけられるのが嫌なのに違いない。 今後放っておいてあげよう。
(つまり話しかけてくれる回数が減ってしまいます。)
b. うちの家庭が嫌いに違いない。 とりあえず、放っておこう。
c. こんな簡単な英語もわからないらしい。 話しが出来ないなら放っておこう。
d. かなり頭の程度の低い生徒を引き受けたみたい。 今後日本の生徒のホストは止めよう。
散々聞かされた不満です。
生徒本人に聞いてみると、話しかけられてもたった一言の名詞で答えるだけの日常でした。
ま、日本の学生は、日本語で聞いても一言返ししか出来ない場合が多いですね。
「今日は学校どうだった?」「普通」
それをそのままカナダに持ってきてしまったらしいです。
ホストとうまく行くわけがありません。
2.うちの生徒は正直ではないかも、いや嘘つきかも
(ホストが話す内容が理解出来ないのに、聞き返して理解するのではなく、適当に生返事をする日本人生徒について)
わからない時には、必ず何度も聞き返して誤解のないようにすること。
これは外国語で生活する時には絶対必要です。
ホストが話しかける内容に、何でも”Yeah.” しか言わない日本人生徒がカナダにはわんさかいます。
ホストは、承諾を得たものだと思い行動始めますが、生徒の行動が伴わないので次のように思ってしまいます。
恐らくこの子は
a. うちのルールを理解できないらしい
b. 承諾したのは、その場しのぎで、正直には答えてくれてない。 信用できない。
c. わかっているはずなのに、行動しない。 怠け者の嘘つきかも。
結構厳しいですよ。ホストの感情は。
他人で文化も習慣も異なるホストとの感情的行き違いは、修復ほぼ不可能になります。
もし、簡単な会話も聞いて理解出来ない場合は、そもそもホームステイや留学すること自体が時期尚早ですね。
3.英語の出来ない、幼い日本人なんて興味ない。
ホストシスター・ブラザーの本音です。
1番、2番のコミュニケーションには問題ない日本人生徒の場合は、違う態度で接してくれるかも知れませんが、まぁ余り期待しないこと。
例えば、カナダの14歳は、日本の14歳が幼児に見えるほど、大人です。
独立して行動することが出来、社会と接する機会も多いです。
ドーナッツチェーンなどでアルバイトし、そのお金で中古車を買い、自分で運転してに行く14歳もたくさんいます。
友達同士で話す内容も、「なぜ?」のクリティカル・シンキング満載でとても深いです。
日本の大学生などでも、精神的成熟度では全く足元にも及びません。
そこに、世間知らず、親に保護されて中学・高校生活を送り、何のコミュニケーション能力もないままやって来た日本人の存在は非常に薄いです。
しかも、満足な英語も話せないときたら、興味を持ってくれないのは当たり前です。
あなたが「この子達」と呼んでいるホストシスターは、実はあなたより精神的に大人だと思いますよ。
もし、あなたが学校で同じレベルの授業を取り、その中であなたが優秀で大活躍をし、クラスメートにも一目置かれている存在なら、距離が縮まると思います。
また、学校での活動などに、自ら積極的に参加し、学校でもあなた自身の存在が大きくなれば、喜んで声をかけてくれるようになるはずです。
そうでない場合は、自分の親の家の空間を占拠している(自分の空間だったのに!)迷惑な留学生だと感じているのが本音です。
残念ながら。
3番は余り期待出来ませんが、とりあえず1番と2番の忠告に従って頑張ることですね。
少しはいい関係が出来るかも知れません。
Good Luck!
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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