- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:会計・経理
「2011年から15年までの間に税制の抜本改革をやっていく。
(15年の)消費税率は8.5%から10%。
そこまでいかないと、今の年金・医療・介護は続けられない」
と語り、消費税率を段階的に引き上げていく考えを示した。
その上で、消費税率引き上げによる増収分は、
「年金・医療・介護・子育てなどに使う。
(国民に)全部お返しする。」と述べた。
という。(YOMIURI ONLINE 21日20:51記事)
この与謝野発言は、先日開催された経済財政諮問会議において
示された「中期プログラム」の内容と同様のものであるが、
消費税率の具体的数値が出てきたことは更に突っ込んだコメントである。
中期プログラムについては、先日、ここでも既にコメント済みなので、
そちらを参照して頂きたいが、
注目すべきは、
asahi.com 22日03:03記事である。
これによると、
自民、公明両党は21日、消費増税などの道筋を示す「中期プログラム」
の与党PTの幹部会合を開き、22日に幹事長・政調会長会議を開いて
与党合意を目指すことで一致した。
麻生首相のこだわる消費増税の時期について、
「3年後」は明記される方向だ。
政府原案は「経済状況の好転後に消費税を含む税制抜本改革を
11年度(3年後)より実施」とした。
これに対し、公明党は景気回復の道筋に重点をおくべきだとして、
「11年度までに経済状況を好転させた後、
消費税を含む税制抜本改革を実施」とする案を提示。
会合では「3年後」は残しつつ、原案の一部を修正する方針を確認した。
また、消費増税で確保した財源の使い道として、年金の最低保証額の
引き上げや医療・介護従事者の報酬増、子育て支援の拡充など、
社会保障制度の機能強化に重点的に充てることでも一致。
こうした内容をプログラムにも盛り込む方向で調整する。
という。
つまり、3年後の消費税増税の方向が
自民党を中心とする政権である限り、確定したのである。
しかし、その内容は、社会保障制度の充実のための財源に
限定されており、中曽根元首相が導入を目指した
「福祉目的税」
を彷彿させるものである。
20年以上を経て、消費税導入の源流にあった、
福祉目的のための消費税導入論議に先祖帰りした思いである。
この方向性はあながち間違っていないと思うがいかがであろうか。
低負担・低福祉のままでいいと考えるのか。
それとも麻生さんが打ち出した
中負担・中福祉をめざすのか。
それとも、小沢さんのもともとの考え方どおり、
消費税を20%程度まで引き上げる代わりに、
高負担・高福祉をめざすべきなのか。
我々国民は、真剣に自分の国の将来を
自分の責任で考えなければならない局面を迎えたと考えるべきだろう。