- 水内 終一也
- 合資会社アクタリスト
- 経営コンサルタント
対象:営業
今、貴方が見ているPCは誰かが「こういうPCを作ろう!」頭に思い描いたから、貴方の目の前に存在しています。
街で売られているものの殆どのも、自然物以外は、誰かが「こういう商品を作ろう!」と思い描いたから、存在しています。
「一作業一工程」は、あるモノを製造するとしたら生産ラインのようなものですし、知的な仕事の場合は作業手順のようなものです。
貴方が「提案書を作ろう!」とか「チラシのデザインを考えよう」という時の頭の使い方の手順書です。
「一工程を単純作業にまで細分化する」のコラムで細分化については書きましたから、ここでは、どのように「一作業一工程」を設計するかをお伝えします。
一工程を単純作業にまで細分化した一覧が出来ているとします。
そしてある程度、作業順に工程が並んでいるとします。
ラフ手順書ですね。
まず、その工程を全てシミュレーションして下さい。
頭の中で、あたかも自分が作業しているかのように、克明に思い描いてください。
そして1つの工程に手を付け、その工程が完了すると何が出来上がっているか、何が決まっているか、どんな状態になっているか想像して下さい。
・・・と、ここでは腕を組んでウンウンいいながら考えるのではなく、全ての行動、活動をメモで書き出します。
書きながら想像力を鍛えます。
そして問題点とか、順番が逆のほうがいいとかの気付きも併せて書き出します。
そして時々、最初に作ったラフ手順書に問題があったら、修正します。
修正を加えつつ、全工程をシミュレーションします。
工程には問題がないが、注意して行わないと、後々問題が発生することがあれば、それも記入します。
私の場合は、書いてみて、問題がありそうだと分かった修正部分は赤色で書き加え、思いついたことは青色で書きます。
すごい汚いですが、添付した画像をご覧下さい。
これは毎年、年に1回行っている、とあるウェブサイトの追加ページ作成の手順の一部です。
(創業時に受注したホームページ制作のお客様なので、ご縁が続いて今だに弊社で保守・管理をしています。でも制作スタッフは既に存在していないので、毎年私が制作作業しています)
私も書き出しながら、頭では作業をシミュレーションしながら、何回も何回も手順書を書き直します。
で、もう完璧だ!と思ったら、小さく実施します。
いきなり大規模にはやりません。
想像の世界は、あくまで想像ですから、実際にやってみると問題が発覚することは多々あります。
以前お伝えした、私の営業マン時代の話の中で「エクセルの売上管理の表」の話がありましたが、「エクセルの売上管理の表」は最初、雛形を作り、実際に使用して修正を加え、改善点が無くなったところで、私の担当の書店全店に活用しました。
最初は売上の高い最重要店の管理のためだけに使っていました。
さて、小さく実施して、問題点を見つけ出して、もう一度手順書を作りなおし、また小さく実施します。
これを繰り返しているうちに、問題点が無くなり、大きく実施することが可能になります。
この段階で出来上がったものが手順書、つまり「一作業一工程」の設計図となります。
この「一作業一工程」の設計図の通りに、1つの工程で最短で最大効率で一心不乱に作業をすることで、発生するはずだったスイッチング・コストを大幅に削減するから、短時間に大量のアウトプットが可能となるのです。
私の営業マン時代のFaxと電話を活用した営業方法の場合、最初は最重要店数点で実施して、試行錯誤し、月初の作業を定型化して全店に実施しました。
提案書を作ったり、ポップを作ったり、電話連絡したり、入力したりをバラバラにやっていたら、非効率です。同じ作業を大量に一気にやるから、効果が高いのです。
「一作業一工程」の設計の作成には時間をかける。
そのためには小さい試行が必要。
是非、やってみて下さい。