日経記事;『iPSから血小板量産 国内16社、来年にも治験 献血頼らず輸血』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『iPSから血小板量産 国内16社、来年にも治験 献血頼らず輸血』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. アライアンス・事業提携
経営コンサルタントの活動 アライアンス(連携・提携)支援

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月7日付の日経新聞に、『iPSから血小板量産 国内16社、来年にも治験 献血頼らず輸血』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『製薬・化学関連の国内企業16社は体のあらゆる部分になることができる万能細胞「iPS細胞」を使い、血液の成分である血小板を量産する技術を世界で初めて確立した。

これまでは献血に頼っていた。大学発ベンチャーのメガカリオン(京都市)の事業に大塚製薬グループやシスメックスなどが協力した。来年にも臨床試験(治験)を始め2020年の承認を目指す。

今回量産のめどが付いたのは血小板の血液製剤。この血液製剤は外科手術時や交通事故の被害者など止血が必要な患者に使う。血小板の輸血は国内で年間80万人が受けており、国内市場規模は薬価ベースで約700億円。米国は国内の3倍以上の市場規模を持つ。

血小板は現在は全て献血でまかなっているが、人口減などにより将来的に不足する懸念がある。iPS細胞で血小板が大量生産できるようになれば、献血に頼らず輸血ができるようになる。

開発主体のメガカリオンによるとiPS細胞を使って血小板を製造するコストは献血を使うよりも大幅に安いという。冷蔵保存できず4日しか持たない献血由来の血小板に比べ、iPS細胞から作れば無菌化により2週間ほど保存できるため保管コストも安くなる。

ウイルスなど病原体の混入も防げる。献血に混入したウイルスが薬害エイズ事件やC型肝炎の感染拡大などを引き起こしたが、iPS細胞で作ればこのリスクを回避できるようになる。

メガカリオンは血小板をiPS細胞から製造する技術を持つ。臨床試験に必要な量産技術の研究を大塚製薬工場、日産化学工業、シスメックス、シミックホールディングス、佐竹化学機械工業、川澄化学工業、京都製作所など15社と進めていた。

安全性などを調べる臨床試験用の製剤を製造し、18年中に試験を開始する。国が定める「再生医療等製品」に該当し、条件付き承認などの早期承認制度が活用できる見込み。実際の製造は生産設備を持つ企業に委託する予定だ。

iPS細胞を使えば、これまでも研究室で1~3人分の血小板は作れたが、数千人分を一度に量産するには細かな条件の設定や特殊な添加剤が必要になる。フィルターで異物を除去し、血液製剤を包装する工程などにもノウハウがある。これらの要素技術を各社が持ち寄り、実用化のめどを付けた。』

メガカリオンは、当社のWebサイトをみると、事業目的について「iPS細胞株から高品質の血小板及び赤血球を産生し、献血に依存しない①計画的安定供給が可能で、②安全性が高く、③医療コストの低い、血液製剤を開発する。」と書いています。

この会社は、iPS細胞株を活用して血液製剤を開発・実用化することに特化した企業です。

かねてより、iPS細胞の応用範囲の一つとして、血液製剤の開発・実用化があげられていました。

本日の記事は、この開発・実用化の動きが具体的になりつつあることについて書いています。

個人的なことですが、私の義理の父は、十数年前の手術で使用した輸血に入っていたウイルスが原因で、肝硬変症になり、その後肝臓がんで亡くなりました。

この個人的な経験から、輸血が不要となる血液製剤の開発・実用化に大きな関心をもっています。

メガカリオンは、他の国内企業15社との連携・協業により、iPS細胞から血液の成分である血小板を量産する技術を確立し、2020年での承認を目指すとしています。

このメガカリオンの動きは、現在、日本国内で活発に利用されるようになっていますオープンイノベーションのやり方を採用して、短期間に血液製剤の開発・実用化に目処を付けたことになります。

本日の記事が正しければ、メガカリオンという技術先行のベンチャー企業が、中核となって大手企業とオープンイノベーションを巧みに行い、成功の目処をつけました。

一方、ベンチャーや中小企業が、大手企業と連携・協業を行う場合、多くのケースでは大手企業が主導権を握ることになります。

これは、ベンチャーや中小企業がオープンイノベーションを進めるための連携・協業を実行するノウハウや人材が不足していることによります。

過去のベンチャーや中小企業が行ったオープンイノベーションの動きをみますと、自社が中核になっていないケースでは、当該企業に大きなメリットが見いだせない状況になっています。

最悪の場合、ベンチャーや中小企業がもっている中核技術やノウハウを他社に盗まれる、あるいは勝手に使われるケースが散見されます。

私の支援先企業が、中継・大手企業を含めてオープンイノベーションを行う場合、例外なしに、支援先企業が中核となって、お互いに「Win/Win」の関係が構築・維持できるように動けるように支援します。

オープンイノベーションを行う場合、参加企業が例外なしにお互いに「Win/Win」の関係が構築・維持できることが前提条件になります。

逆に言いますと、ベンチャーや中小企業は、お互いに「Win/Win」の関係が構築・維持できないオープンイノベーションには、参加しないことが重要になります。

また、オープンイノベーションの実行過程で、お互いに「Win/Win」の関係が維持できない状況になった場合、即時にこの活動から離脱することが必要であり、重要になります。

ベンチャーや中小企業が中堅・大手を含む他企業とオープンイノベーション活動を行う場合、事前にいろいろなケースを想定して、自社に不利にならないように各種の契約をしっかりと締結することが極めて重要になります。

ベンチャーや中小企業の中には、時間がかかるとの理由から各種契約(機密保持契約;NDA、覚書、共同開発契約など)の交渉や締結を行わない会社があります。

これらの企業のトップは、いわゆる相手企業との信頼関係があるから、細かな契約締結がなくても大丈夫と判断することが多いことによります。

この判断は、オープンイノベーションを行う場合、痛手を被る可能性があります。

数多くのオープンイノベーションや連携・協業を支援ししてきた経験から言いますと、当該活動中に、「Win/Win」の関係が構築・維持できない状況になる確率は、ざっくりと30強になると認識しています。

「Win/Win」の関係が構築・維持できない理由や要因は、多岐にわたります。オープンイノベーション前に想定していなかった事態が、起こりえます。

我々は、神ではありませんので、事前に起こりえるリスクをすべて予想できません。

重要なことは、「Win/Win」の関係が構築・維持できない状況になったときに、このオープンイノベーションや連携・協業を即時に、かつ自社に不利にならないように止める、あるいは離脱できるようにしておくことです。

そのためには、上記したように事前に締結する契約が重要になります。この契約締結を含めてオープンイノベーションを巧みに行うポイントや課題解決のやり方などについて、 2017年1月7日から『オープン・イノベーションによる事業化成功の秘訣』の共通タイトルで、本ブログ・コラムで書いています。

ご関心のある方は、以下の記事をお読みください。

★オープン・イノベーションによる事業化成功の秘訣-1 [アライアンスから期待する効果]

★オープン・イノベーションによる事業化成功の秘訣-2 [アライアンスから期待する効果]

★オープン・イノベーションによる事業化成功の秘訣-3 [アライアンスから期待する効果]

★オープン・イノベーションによる事業化成功の秘訣-4 [アライアンスから期待する効果]

★オープン・イノベーションによる事業化成功の秘訣-5および6[アライアンスから期待する効果]

上記記事が、今後オープンイノベーションを行うベンチャーや中小企業の参考になれば幸いです。

多くのメガカリオンのような成功事例が増えることを大いに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;『米ヤフー「解体」の意味するもの』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2017/06/14 10:57)

日経記事;『日仏間で保冷宅配 ヤマト、高成長の海外拡大』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2017/04/09 12:27)

日経記事;『日独、次世代車規格で協力 自動運転技術など』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2017/03/19 13:59)