日経記事;『派遣エンジニア、外国人を大量採用 人材各社 IoT普及で需要拡大』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『派遣エンジニア、外国人を大量採用 人材各社 IoT普及で需要拡大』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

6月1日付の日経新聞に、『派遣エンジニア、外国人を大量採用 人材各社 IoT普及で需要拡大』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『人材サービス各社が人手不足感が強いエンジニア派遣で、アジアなどの人材の大量採用に踏み切る。国は専門性の高い外国人を積極的に呼び込む政策を採っており、人材会社が外国人技術者を正社員として雇用し、企業に派遣する環境が整ってきた。

国内在住の外国人エンジニアは5万人前後。人材会社はエンジニア派遣の外国人を合計で年間1000人規模で増やす。外国人の専門人材の国内流入に一段と弾みがつきそうだ。

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の普及などを背景に、国内ではエンジニア需要が増えているが人手不足感が強い。

一方、アジアの理系学部出身の大卒技術者は待遇改善が見込めるため、日本企業で働きたいという人材も多い。人材各社は需要が大きいと判断した。

外国人エンジニアの派遣は人材会社が正社員として採用し、企業に派遣する形が一般的。

大手のテンプホールディングスは従来の機械や電機などの分野だけでなくIT(情報技術)にも対象を拡大。2017年度に50人を採用し、6割増の130人規模にする。主にベトナムや中国などアジア7カ国・地域で面接して採用する。

リクルートホールディングスは韓国の2年制の専門大学に独自のカリキュラムの教室を設置。今秋の最終試験を経て30人前後を採用し、来春から日本の自動車メーカーの設計部門などに派遣する。エンジニア派遣の外国人人材は約200人いるが、今後、新卒と中途採用あわせて年150人前後を採用する。

中堅のヒューマンホールディングスも16年度に始めた外国人エンジニア派遣を19年度までに現在の15倍の750人体制にする。6月にはタイ、ベトナム、ミャンマーで採用説明会を初開催する。

外国人を採用した経験のある企業の場合、就労ビザ申請の手続きなどが円滑に進むことが多い。「入国の手続きで滞ったことはない」(人材大手)といい、外国人を受け入れやすい環境にある。

ただスキルのある人材の獲得競争は世界中に広がる。日本が選ばれるためには、永住権の取得のしやすさなど、就労の魅力を増す制度を一段と充実させる必要がある。

外国人エンジニアの活用策としてはコスト削減を目的に海外で開発を請け負うオフショアリングなどがあった。外国人のエンジニア派遣では、人材各社は日本人と同等の業務内容を担わせ、待遇も同水準に高めるのが特長だ。

経済産業省の調査によれば30年にIT分野の人材不足規模は約59万人に達する。このため、派遣先となる企業も人手の確保を重視し始めており、技術力があれば、外国人活用に前向きな企業は増えている。』

国内ITベンダーや製造事業者でのIT人材不足は、深刻化しています。特に、ベンチャーや中小企業では、ITエンジニア確保が非常に困難になっています。

今後の日本の経済は、IoT・人工知能(AI)・ロボット・情報セキュリティを含めてIT対応・ソフトウェア開発・実用化対応能力の有無が左右することは、確実です。

最近の国内ITビジネス業界をみると、かっての渋谷ビットバレーに代表されるような浮ついたバブル状況ではなく、IoT・人工知能(AI)・ロボット・情報セキュリティなどの各分野に特化した、ITベンチャーが起業し、それぞれの特徴や強みを発揮しながら、ビジネス展開しています。

私も経営コンサルタントとして、その一部のITベンチャーの経営支援や海外販路開拓支援などを行っています。

これらのITベンチャーやITベンダーがいつも直面している問題が、プログラマ不足です。

多くのITベンダーは、アマゾン、IIJなどのクラウドサービスを利用していますので、サーバー管理を自前で行う必要がありません。

必要なのは、アプリケーションソフトなどを開発・製造できるソフトウェアエンジニアやプログラマです。

日本の大手ITベンダーや大手ユーザ企業には、多くのSE(システムエンジニア)がいます。

しかし、私の理解では、これらのSEの中で、自分でプログラムを製造できる(コーディングできる)専門家は、ごく少数です。

多くの上記大手企業は、プログラム製造を外部のITベンダーに製造委託しており、社内のSEは、多くの仕事を進捗管理などの後方業務を行っています。

経済産業省は、2016年6月10日に、「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」を発表しました。

その調査結果の概要は、以下の通りです。

◆企業ごとのIT人材
★ITベンダーに所属する人材
・現在66.7万人;13.2万人不足
・2020年66.9万人;29.6万人不足
★ユーザ企業に所属する人材
・現在25.2万人;3.9万人不足
・2020年25.4万人;7.3万人不足

◆先端IT人材;ユーザ企業も含む(IoT、人工知能(AI)、ビッグデータなどを扱うエンジニア)
・現在9.7万人;1.5万人不足
・2020年12.9万人;4.8万人不足

◆情報セキュリティ人材;ユーザ企業も含む
・現在28.1万人;13.2万人不足
・2020年37.1万人;19.3万人不足

当該IT人材調査結果からわかることは、国内のIT人材は、量及び質の両面で不足していることであり、近い将来はさらにその状況が悪化することです。

日本の大手ITベンダーや大手企業のIT部門(情報システム部門)に人事施策は、基本的にSEやプロジェクトマネージャー(PM)を育成しており、いわゆるゼネラリストが増える状況になっています。

最近、ある大手企業の情報システム部門のSEと話す機会がありました。彼は、入社時にJavaのプログラミング研修を受けた後、プログラム製造(コーディング)を行った経験がないそうです。

このようなプログラム製造経験のないSEが関係のあるITベンダーに発注するときの、要求仕様書を書いています。

日本のIT業界では、建設業界と同じように、ユーザ企業がITベンダーを下請け企業として、ソフトウェアの開発・製造を委託するやり方になっています。

これは、多くのユーザ企業がITを業務効率化に主眼を置いて活用してきたことも影響しています。

この業務効率化向上は、クラウドサービスやIoT・人工知能(AI)・ロボットの活用で、劇的に負荷が軽減されるとみています。

たとえば、銀行や生保などの金融機関が、ブロックチェーンを含むフィンテック化を進めれば、現在の堅牢かつ高度なセキュリティ対策を施したホストコンピュータの活用は不要になる可能性があります。

今後のユーザ企業は、IoT・人工知能(AI)・ロボットを含めたITを、自社の商品・サービスの競争力強化につなげる必要が出てきています。

それを実行しないと、世界市場で勝ち組になることが非常に難しくなります。

ユーザ企業にいるITエンジニアがが、上記目的に応じて、必要なソフトウェアなどの開発・製造を行うことは、現時点で現実的ではありません。

私は、年に何度か米国のシリコンバレーを訪問しています。これは、支援先企業のオープンイノベーション;連携(アライアンス)の相手先探しを行うためです。

このアメリカのITベンダーと話して感じることは、アメリカのユーザ企業も自社内に優秀なプログラマを抱えており、オープンイノベーション;連携(アライアンス)で相乗効果を出して、より競争力のある商品・サービスを提供する状況になっていることです。

国内のITエンジニア不足を解決する手段の一つとして、ユーザ企業や大手ITベンダーにいるITエンジニアの中で、プログラミング技術を磨いて、より高度なソフトウェア開発・製造を実現したい人には、教育機会の提供を含む専門家人材育成、年齢や地位に関係ない給与体系などの制度構築が1つのやり方になります。

このやり方が有効になれば、大手ユーザ企業や大手ITベンダー、ベンチャーや中小のITベンダー間での人材流動化が進むとともに、ITベンチャーを起業するITエンジニアも増えるとみています。

海外からIT人材を募ってITベンダーやユーザ企業に派遣する仕組みは、有効な方法の一つです。

このやり方を定着させるとともに、上記のように、ITエンジニアの環境を変えておくことで、海外のITエンジニアが自らの意思で日本を選び、日本企業で働きたい、あるいはITベンチャーを立ち上げたいと考えられる、社会・企業・労働環境を作る必要があります。

ITエンジニアやプログラマが、日本国内で尊敬されるとともに、能力・実力のある専門家は、高収入が得られる環境を作ることが、最も重要と考えます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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