「神武而不殺」（神武にして殺さず）

　こんにちは。ファイナンシャルプランナーの上津原と申します。

　今年は柳井市遠崎生まれの勤王僧、月性の生誕200年です。今月27日（土）に、柳井ひとづくりアカデミー主催の講演会「積極開国論か、攘夷論か」が開催されました。幕府側のエリートがどのように考えていたか、幕末における鎖国の状況と外国船の往来の実態がわかり、大変面白く聞かせていただきました。

最も印象に残った言葉が、

肥前藩士でもあった儒学者、古賀侗庵（こが　とうあん）の書にあった「神武而不殺」です。元々は易経に書かれており、周の国祖といわれている文王が、殷（いん）を滅ぼすだけの力があるにもかかわらず、戦いを行わなかったことにちなんでいます。（その後、文王の息子である武王が殷を滅ぼし、周を建国しています。）

「神武而不殺」とは、

いざとなれば武力を動員して他国と戦争をすることもできるのだが、国民の人心をまとめ国力を高めることを優先し、あえて戦争しない。といったことです。日本では武士が常に修養に努めており、いつでも諸外国と戦えるといったことがあったのでしょう。

　このことを今の私たちに当てはめてみると、

「喧嘩をすれば勝てるだけの実力があるのだが、喧嘩をしないこと。または、喧嘩以外の方法で人心を掌握すること。」

といったことのように思われます。仕事でも、地域の諸活動でも、

「彼（彼女）の言葉や行いなら、周りの人はいうことを聞く。」

といった方はいらっしゃるのではないでしょうか。

　その方は、普段どのようなことをして自分を磨いておられるのでしょうか。仕事に関する勉強を怠らず、取引先からも信頼されているのでしょうか。ご近所の方だけでなく、すれ違う方すべてにあいさつをされる方でしょうか。日々、ジョギングなどで体を鍛えている方でしょうか。もしかしたら、全て当てはまるかもしれません。

　上に立つ方は、何か突出する力を持ちながらも、常に努力を続け、努力をしても足らないところは他者から謙虚に学んでいるように感じます。

「神武而不殺」の言葉が心に残ったのは、

最近の北朝鮮の飛来物発射など、70年余り戦争がなかった日本でもこれから何が起きるかわからないからです。日々をぼんやりと暮らすのではなく、自分自身や家族のこと、地域のこと、国のことを案じ、私たちの先祖から今日まで続いている良き価値観を大事にしてほしいと願う次第です。

　そのための一手法として、ライフプランがお役に立てると確信します。