- 安井 正
- クラフトサイエンス一級建築士事務所
- 建築家
対象:住宅設計・構造
薪ストーブ用の薪が土間につみあがっていました。
この薪が、ピキピキ、ピシ、ミシ・・・と音を立てているのです。
乾燥しながら、木が動いている音なのです。
はじけ、割れ、ねじれたり、ずれたり・・・、
そういう音なんですね。
まさに生き物のように生きているのです。
薪になっても、こんなにもはっきりと聞こえるほどの音をはっしながら
じわりじわりと生きている。
そんな内に秘めた力を感じさせてくれる音でした。
ちょうど今、幸田文の「木」という本を読んでいます。
このなかでも「木は二度生きる」という話が出てきます。
大地に根をはり成長するときの生と
伐採され、材として建物などに使われるときの生と
木は二度生きるというのです。
木で家をつくることは
材となった木に二度目の生をおくってもらうことなのだと認識し
身の引き締まる思いでした。