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日経記事;『法人設立、ネットで一括 経産省、手続き簡素化へ』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

5月10日付の日経新聞(夕刊)に、『法人設立、ネットで一括 経産省、手続き簡素化へ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『経済産業省は日本のビジネス環境の改善策をまとめた。法人設立に必要な手続きを一括してオンラインで可能にする方針を打ち出し、関連法改正に向けて法務省と調整する。

輸出入手続きの簡素化を話し合う官民の協議会を設置する。民事再生など裁判所の手続きの電子化も進める。先進国の中で競争力が低下しているのを踏まえ、環境改善を進めて起業や対日投資を呼び込みたい考えだ。

6月にまとめる政府の成長戦略に盛り込む。世界銀行によると、2017年の日本のビジネスのしやすさは経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国中26位。15位だった13年よりも順位を落としている。政府は20年までに3位以内をめざしており、経産省は「日本も改善したが、他国の努力が上回っている」と分析している。

日本で法人を設立するには8つの手続きが必要で、平均11.2日かかるという。OECD加盟国中31位と低い水準だ。必要な税務署や年金事務所の手続きは電子化が進んでいるものの、起業の際に必要な電子データによる定款の認証では、手続きに公証役場に赴かないといけない。法務局への印鑑届け出や法人の電子証明書の申請は書面で提出する必要がある。

経産省はすべての手続きをオンラインでできるようにするため、公証人法の改正や商業登記規則の改定を前提に法務省と協議する。法人設立者が法人名や事業内容、代表者といった情報を一度ネット上で入力すれば必要な手続きに利用できるようにする。

経産省は輸出手続きに時間がかかるとの指摘も問題視。東京港湾近辺では渋滞が慢性化し、船出の3日前にコンテナヤードに貨物を搬入する必要があるほか、すべての貨物を保税地域に搬入する原則などが原因といわれており、評価はOECD諸国中で低い。古い商慣習や規制の見直し、人工知能(AI)の導入などに向けて官民協議会を設置する。

裁判所の手続きの簡素化も検討。米国では民事再生法に相当する制度の適用をネットで申請できるという。日本でも裁判手続きの申し立てや、事件の進捗状況がネットで閲覧できるようにする方向で最高裁と調整する。』

日本は、世界に冠たるブロードバンド環境大国です。これは、ほぼ日本中に敷設された光ケーブル網の貢献によるものです。

私は、たびたびアセアンや欧米地域に出張します。この時に実感するのが、日本のインターネットプラットフォームの優秀さです。

日本では、インターネット上の動画もほぼ問題なく視聴できますし、容量の大きいWebサイトもフリーズすることなく閲覧できます。

しかし、上記した海外のブロードバンド環境(プラットフォーム)は、日本より貧弱な状況になっています。

しかし、日本は優秀なブロードバンドプラットフォームをもっていても、そのプラットフォームを完全に生かし切れていません。

多くの行政機関や中小を中心とする企業の多くが、紙を中心としたオフィスワークを行っていることが大きな原因になっています。

私は、たびたび政府や行政機関、金融機関が行う展示会やセミナーに出席します。それらのイベントに申し込むとき、多くの場合、申込書をWebサイトからダウンロードして、記入後ファックスか、郵送で申込書を送ることを要求されます。

展示会やセミナーの開催情報は、これらの機関や企業が運営するWebサイトに掲載されていますが、申込手続きは何故かアナログになっています。

このやり方は、極めて不合理です。このアナログ処理を行うために、人手がかかっています。

これからの日本は、ますます、15歳から64歳までの生産年齢人口の急減少からくる、労働力不足問題が深刻化していきますので、労働力の有効活用は国全体の問題になってきます。

政府や行政機関には多くの人が働いています。しかも、5月3日付のブログ・コラム::日経記事;『「自動運転車、高速道で隊列」22年商業化を明記 政府成長戦略』に関する考察 [新規事業開拓・立上]で書きましたように、多くの事務作業が紙を中心にした労働集約的な仕事の仕方をしています。

政府や行政機関は、国全体が労働力不足の深刻な課題に直面しつつありますので、事務作業を大幅に省力化・自動化して、不要な人材を再配置したりして、全体の役人の数をおさえる、あるいは減少させることを、迅速かつ徹底的に行う時期にきています。

本日の記事は、経済産業省は日本のビジネス環境の改善策をまとめて、基本的には法人設立に必要な手続きなどを一括してオンラインで可能にする方針を打ち出すことについて書いています。

本日の記事によると、日本でのビジネスのしやすさは、海外で評価されておらず、OECD35カ国加盟国の中で最下位に近い状態になっています。2017年度の結果は以下の通りです。
・全体:26位
・法人設立:31位
・建設許可:23位
・不動産登記:25位
・納税:29位
・輸出入:28位、など

経産省は、上記の中で、特に法人設立と輸出入手続を問題視して、オンラインで一括処理するやり方の実施を目指しているようです。

上記政府の非能率状態は、2016年の結果より落ちています。これは、他の加盟国の能力が改善していることによります。

また、5月3日付のブログ・コラムで書きましたように、日本のオフィスワークの生産性も以下のように低い状態になっています。

日本のオフィスワークの生産性は、公益財団法人日本生産性本部が2016年12月19日に発表した「労働生産性の国際比較 2016 年版」によると、以下の通りです。

1. 労働生産性の国際比較 (従来基準による比較)
・OECD データに基づく2015 年の日本の時間当たり労働生産性は、42.1 ドル(4,439 円)。米国の6 割強の水準で、順位はOECD加盟35カ国中20 位だった。1 人当たり労働生産性は、74,315ドル(783 万円)、OECD加盟35カ国中22位となっている。

2. GDP 新基準に基づく労働生産性の国際比較
・GDP 基準改定後の数値をもとに試算すすると、2015 年の時間当たり労働生産性(就業1 時間当たり名目付加価値)は44.8 ドル(4,718 円/購買力平価(PPP)換算)。従来基準から6.3%上昇し、順位もOECD加盟35カ国中19位と従来基準による順位から1 つ上昇している。
・1 人当たり労働生産性(就業者1 人当たり名目付加価値)は78,997 ドル(832 万円)。順位は、OECD加盟35カ国中22位となっている。

日本の政府、行政機関、企業のオフィスワークを徹底的に見直して、ワークフローを単純化すれば、自動化・省力化を実施できます。

紙中心のアナログ的な仕事のスタイルから、インターネット・IT・人工知能(AI)を徹底的に活用して、自動化・省力化を行う必要があります。

政府や行政機関、企業の一部の業務は、たとえば、納税処理などは電子化・オンライン化されていますが、トータルなワークフローの観点からは、紙による事務作業が入っていることから、単純化されていません。

政府や行政機関、企業のオフィスワークをを自動化・省力化を行うと、事務作業者や間接人員を削減でき、人材の再配置が可能になるとともに、日本全体の不要なコストも削減できますので、国力強化にもつながります。

オフィスワークを自動化・省力化を行うためには、Webサイトによるオンライン窓口ツール、当該サイトから入力される情報・データ処理などの各種ソフトウエアの開発・実用化の新規需要が発生しますので、国内ITベンダーにとって新規事業機会が生まれます。

日本国内の生産性向上を図りながら、各種IT・人工知能(AI)を活用したソフトウエアやツールが開発・実用化されます。これらのITベンダーのノウハウは、新興国の生産性向上に貢献するとともに、ITベンダーにとっては、海外需要を獲得できる可能性もあります。

自動化・省力化の効果を享受するには、全体のワークフローを見直して、人手を要する、あるいは紙を使う事務作業を徹底的に排除する姿勢が必要です。

この視点から、政府や行政機関、企業のオフィスワークの見直しの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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