共感力とは、単なる空気を読む力ということではありません。
共感とは、「同じ感情を味わう」ということです。
相手の気持ちに寄り添って、じっくり確認するように話を聞くことで、
この人とは心と心が通い合っている感じがするという感覚を、相手に持ってもらうよう働きかける、あるいは、相手に持ってもらう力のことを共感力と言います。
では、なぜ、ビジネスに共感力が必要なのでしょう。
例えば、同僚が、
「あ~~嫌になる。また急ぎの仕事を引き受けちゃった・・・このクライアント、いつも思い付きでなんでも言うのよね・・・」
と、言ったとしましょう。
皆さんならどう答えますか?
文字だけではなかなか共感し辛いものがありますね。なぜなら、共感力の開発は、表情や態度、口調などの観察によって実現するものだからです。また、日ごろの同僚が良く使うポジティブワードとネガティブワードを知っていないと、判断できないことがあります。
では、この同僚の表情は、どこかたいへん!といいつつも、口元が笑っている。
手を止めず、顔だけ少し上げて、首を相手に向けてしゃべっている。
口調は、嫌になると言いつつも、棘があるようなきつい言い方ではない。
という情報が加わったとしたらどうでしょうか。
口元のうっすらした笑顔も、二通りの受け止め方があります。
一つは、と言いつつも、クライアントのためになって仕事ができる自分を誇らしく感じている笑顔。
一つは、呆れ果てて笑うしかないという冷笑的な笑顔。
手はキーボードから離れず、急いで入力しているということは、止める気はない。
口調と合わせて、これらのヒントがあるとしたら、どう答えますか?
少し脱線しますが、こういうメッセージの出し方を、Wメッセージと言います。
言葉の表現は否定的ですが、その他の表現(私は、体の言葉と言っています)はポジティブである。思わず、どっちなの?とストレートに聴きたい気持ちがしますよね。
元に戻して、それならそれで、言葉の表現と体の言葉の表現が違うから、どう受け止めたらいい?と、聴いても構いません。
しかし、この同僚は、そういう指摘を受けたいわけではないことが多いので、
やはり、ここは、共感力を発揮したいところです。
私ならどうするか?
「クライアントのために、いつも最善尽くすあなたは、素晴らしいと思うよ」と伝えます。
判断は、体の言葉を重視して行いました。
また、私自身も、そういわれたら嬉しいと常々思っているからです。
自分が一生懸命こなす仕事でも、つい、愚痴りたくなることはあるものです。
その“つい”の愚痴をこぼしたくなる心情にフォーカスしてみてくださいね。
共感力が必要な理由。その1。
相手が必要とする返事をすることによって、その人を励ますことができるからです。
このコラムの執筆専門家
- 竹内 和美
- (研修講師)
- 株式会社オフィス・ウィズ 代表取締役
実践型研修で、結果が即・行動に現れます
ビジネススキルに不可欠なコミュニケーション力。ますます重要な「聴く力」「話す力」「論理的に考える力」を高める研修はじめ、企業研修の内製化のコンサルティング、人事政策のアドバイスなど、人事に関する総合的なご支援をしています。
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