日経記事;『AIと世界ロボットと競えますか 日本の仕事、5割代替 主要国トップ』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『AIと世界ロボットと競えますか 日本の仕事、5割代替 主要国トップ』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

4月23日付の日経新聞に、『AIと世界ロボットと競えますか 日本の仕事、5割代替 主要国トップ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『人工知能(AI)の登場でロボットの存在感が世界で増している。日本経済新聞と英フィナンシャル・タイムズ(FT)が実施した共同の調査研究では、人が携わる約2千種類の仕事(業務)のうち3割はロボットへの置き換えが可能なことが分かった。

焦点を日本に絞ると主要国で最大となる5割強の業務を自動化できることも明らかになった。人とロボットが仕事を競い合う時代はすでに始まっている。

日経とFTは、読者が自分の職業を選択・入力するとロボットに仕事を奪われる確率をはじき出す分析ツールを共同開発し、22日に日経電子版で公開した。

米マッキンゼー・アンド・カンパニーが820種の職業に含まれる計2069業務の自動化動向をまとめた膨大なデータを日経・FTが再集計し、ツールの開発と共同調査に活用した。

■丸ごと自動化も

調査の結果、全業務の34%に当たる710の業務がロボットに置き換え可能と分かった。一部の眼科技師や食品加工、石こうの塗装工などの職業では、すべての業務が丸ごとロボットに置き換わる可能性があることも判明した。

ただ、明日は我が身と過度に心配する必要はない。大半の職業はロボットでは代替できない複雑な業務が残るため、完全自動化できる職業は全体の5%未満にとどまる。

19世紀の産業革命に始まる製造業の歴史は、自動化への挑戦そのものだった。200年を経た今、AIの進化が新たな自動化の波を起こしつつある。

マッキンゼーによるとエンジンを組み立てる工場労働者の場合、77ある業務の75%が自動化できる。部品の組み立てや製品の箱詰め作業などだ。米ゼネラル・モーターズ(GM)は世界各国に合計3万台のロボットを導入しており、うち8500台のロボットは稼働情報を共有して生産ラインに故障の前兆がないかAIが目を光らせている。

自動化の流れは、難しいとされたホワイトカラーや事務系職場にも押し寄せる。米通信大手のAT&Tは顧客の注文の文書化やパスワードのリセット作業など500業務相当をソフトウエアロボットで自動化している。データ抽出や数値計算は人より高速にできるため「2017年末にはさらに3倍に増やす」(同社)計画だ。

ホワイトカラーの象徴といえる金融機関でも自動化が進む。事務職では60ある業務のうちファイル作成など65%がロボットに代替できる。米ゴールドマン・サックスでは00年に600人いたトレーダーが株式売買の自動化システムに置き換わり現在は数人に減った。著名投資家のジム・ロジャーズ氏も「AIが進化すれば証券ブローカーなどの仕事は消える」と断言する。

一方で意思決定や計画立案にかかわる仕事、想像力を働かせる仕事はロボットの苦手分野だ。最高経営責任者(CEO)など経営幹部には63の業務があるが、ロボット化が可能なのは業務進捗表の作成など22%にとどまる。俳優や音楽家など芸術関連の職業も65ある業務のうち自動化対象は17%にすぎない。

■人手不足の解

今ある業務が自動化される割合を国別に比較すると、日本はロボットの導入余地が主要国の中で最も大きいことが明らかになった。マッキンゼーの試算では自動化が可能な業務の割合は日本が55%で、米国の46%、欧州の47%を上回る。農業や製造業など人手に頼る職業の比重が大きい中国(51%)やインド(52%)をも上回る結果となった。

日本は金融・保険、官公庁の事務職や製造業で、他国よりもロボットに適した資料作成など単純業務の割合が高いという。米国などに比べ弁護士や官公庁事務職などで業務の自動化が遅れている面もある。

米国の大手法律事務所では膨大な資料の山から証拠を見つけ出す作業にAIを使う動きが急速に広がっているが、日本はこれからだ。

一部の職場ではすでに雇用が失われ始めるなどロボット化には負の側面が確かにある。それでも生産年齢人口が50年後に4割減る見通しの日本では、ロボットに任せられる業務は任せて生産性を高めることが国力の維持に欠かせない。』


日本が置かれている今後の経済状況は、今の状態を放置すれば決してバラ色ではありません。その決定的な要因の一つが、15歳から64歳までの生産年齢人口の急激な減少です。

私は、   2017年3月3日に 日経記事;『物流 30年完全無人化 AI活用 政府が工程表』に関する考察 [新規事業開拓・立上] のタイトルでブログ・コラムを書きました。

その中で、人工知能(AI)の産業化に向けた政府の工程表について書いています。政府がこの人工知能(AI)の産業化を国策として行う理由と必要性について書いています。

日本は、今後国民の意識変化や政策面での決定的な施策実施を行わない限り、内閣府が発表した「平成28年版高齢社会白書(全体版)」によると、以下のように15歳から64歳までの生産年齢人口は急激に減少する予測が示されています。

生産年齢人口とは、前述のブログ・コラムで書いていますように、自分で稼いで消費する人たちを意味します。つまりその国の中間所得層であり、経済・市場規模の中核になります。また、実労働者人口にもなります。

生産年齢人口減少は、労働力不足と国内市場規模の縮小を意味しており、日本にとって深刻な状態になることを示しています。

わが国の総人口は、平成27(2015)年10月1日現在、1億2,711万人となっています。

65歳以上の高齢者人口は、3,392万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は26.7%であり、生産年齢人口(15~64歳)は、7,708万人でした。

この生産年齢人口は、現在減少し続けており、平成42(2030)年には、6,773万人、平成72(2060)年には、4,418万人にになる推計結果が示されています。

2060年度の生産年齢人口は、2015年に比べると、実に、3290万人減少する試算結果になります。

日本の取るべき対策は、当然のごとく、子供を増やして生産年齢人口のレベルを維持・拡大することになりますが、現時点での国民の意識の変化、政府や企業の子育て支援策の強化充実が短期間に起こらないと不可能です。

これらの変化は、当面あり得ないとみます。

企業の視点から、今後の国内市場・経済環境をみますと、市場規模の縮小と労働力不足の二重の負荷が大きくかかることになります。

国内企業は、事業収益の維持拡大のために、必然的に海外市場・販路開拓を行うことになります。

また、製造事業者は、労働力不足を補うために海外での現地生産を強化することになります。

国内生産を続ける製造事業者、建設業者、流通・飲食などの店舗事業者、運輸・倉庫などの物流事業者、ITベンダー、サービス提供事業者など国内で事業する企業は、労働力不足を自前で解決する必要があります。

これらの事業者・企業は、労働力不足を解決するために、徹底的な自動化・省力化を行う必要があります。

ここに人工知能(AI)対応のロボットに対する潜在需要は、非常に大きいものがあります。

必要は、発明の母になります。

一般的に、国内のITベンダーや企業は、マイクロソフト、グーグル、アップル、アマゾン、フェースブックなどの米大手ITベンダーのように、世界レベルでのインフラやプラットフォームを構築できることはできません。

しかし、自分たちで創意工夫しないと、ビジネスの維持拡大ができない状況に追い込まれると、改善・改良の知恵が最大限発揮できる能力を国内のITベンダーや企業はもっています。

第2次世界大戦後の、日本でアメリカらから導入された品質管理運動や、製造現場での高効率化運動(トヨタ自動車のカンバン方式など)、国内製造事業者はその当時世界一の品質や生産性をあげました。

戦後、各製造事業者は、売上拡大を行う切迫感・必要性をもっており、これが上記発明・創意工夫の母になりました。

日本では、すでに、製造現場、建設現場、運輸・倉庫などの物流現場、飲食店、店舗などの分野で、深刻な人手不足・労働者不足が顕在化しています。

この問題を抜本的に解決していくためには、可能な限り徹底的な自動化・省力化を行う必要があります。

この必要性が、インターネット、IT、IoT、人工知能(AI)、ロボットなどの最先端技術を徹底的に使いこなす、創意工夫・発明の母になることは確実です。

国内のITベンチャー・中小企業、中堅・大手企業には、大きな新規事業機会が生まれています。

すでに多くの国内関連企業が、省力化・自動化を実現する仕組みやサービスなどの提供したり、検討しています。

この省力化・自動化を徹底的に行うためには、政府や地方自治体などの行政機関の対応も必要になります。

経団連は、2017年2月14日に「Society 5.0に向けた電子政府の構築を求める」のタイトルで、政策提言を政府に対して行っています。

この政策提言の中で、ICTを最大限に活用し幅広い産業構造の変革、働き方やライフスタイルの変化を促すとともに産業競争力強化につなげる「Society 5.0(超スマート社会)」を重視するように、政府に求めています。

この政策提言は、極めて非効率な紙による事務作業を、インターネット・IT・人工知能(AI)を徹底的に活用して、単純化しましょうということと理解しています。

現在の政府や地方自治体などの事務作業はの多くは、紙を前提に行われており複雑です。

当然のごとく、対応する企業も事務作業を紙で行っている実態があります。国内企業のオフィスワークの生産性は、先進国の中で最低レベルになっているのは、紙による事務作業をまだ多くの企業で行われていることも一因です。

インターネットやITの歴史は、例外なく、既存事業基盤を破壊し、再構築してきました。

今後もその歴史は変わらないし、人工知能(AI)、IoT、ロボットの積極活用はその動きを加速します。

日本には、生産年齢人口の急減少という、「深刻な必要性」があります。この必要性を解決する「母」は、インターネット、IT、IoT、人工知能(AI)、ロボットの積極活用になります。

国内ITベンダーや関連企業は、この深刻な課題を解決するために、多くの創意工夫・発明が必要であり、必然的に新規事業機会が生まれます。

この国内ITベンダーや関連企業が生み出す創意工夫・発明の仕組みを、同じような課題を抱える先進国を中心に新規事業化することで、企業と国も潤います。

政府には、上記経団連の政策提言も含めて、行政手続・事務作業の電子化を行いながら、各種規制緩和も積極的に行って、企業が、自動化・省力化により高効率化を実現する後押しすることを期待します。

今後の、インターネット、IT、IoT、人工知能(AI)、ロボットの普及・活用と、関連企業の新規事業立上に、強い関心をもって見ていきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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