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日経記事;『AI「ワトソン」年1兆円稼ぐ IBM、初期市場で先行 業務改善、GM・イオン採用』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

4月16日付の日経新聞に、『AI「ワトソン」年1兆円稼ぐ IBM、初期市場で先行 業務改善、GM・イオン採用』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『 米IBMの人工知能(AI)型コンピューター「ワトソン」を使ったサービスやソフトウエアの関連売上高が日本円換算で年1兆円に達したもようだ。技術開発で先行し、顧客の業務改善を促すコンサルティングのツールとして使うことでAIビジネスの初期市場で圧倒的な存在感を放つ。ただ競合の追い上げは激しい。先行者利益をどこまで保てるのか。

米最大の税務サービス会社H&Rブロックは今年から確定申告のアドバイス業務にワトソンを導入した。税務カウンセラーが還付申告書を作成する際の顧客へのインタビューから還付が受けられる対象を見つける。

顧客対応を担うカウンセラーは、より細部にまで還付の可否の検証に取り組めるようになり、導入4週間余りで顧客満足度は2ポイント上昇した。同社の年間収入は30億ドル(約3300億円)。ビル・コブ最高経営責任者(CEO)は「2%増える効果がある」と見る。

ワトソンを使った業務改善の実例は枚挙にいとまが無い。運転手の癖や好みを考慮した情報サービスを提供する米ゼネラル・モーターズ(GM)。社内のコールセンターの代替を狙うイオン。腫瘍の診断では世界35の医療機関が採用した。「2016年当初(ワトソンが診断した)患者は10人だったが16年末に約1万人に増えた」(IBMのジョン・ケリー上級副社長)

米マイクロソフトなど世界のIT(情報技術)大手が一斉にAIの活用に乗り出す中、IBMがビジネスで先行するのは「伝統」によるところが大きい。1997年にチェスの世界チャンピオンを破り、11年にはクイズ番組でトップに立つなど人間と同等以上の能力を持つコンピューター開発を早くから手掛け知名度で抜きんでた。14年に事業化し、顧客を押さえる営業でも先んじている。

ただ、浸透した本当の理由はIBMがIT構築を軸にしたコンサルティング会社というところにある。政府組織、金融、小売り、製造業などあらゆる業種で幅広いITサービスを提供しているため顧客と話し合いながら使い勝手のいい仕様に調整しやすい。IBMはワトソンを使った事業売上高を公表していないが、16年12月期に1兆円を上回ったようだ。全体の1割を大きく超えている。

通常のITシステムの提供やコンサルサービスがワトソン経由に置き換わったものもあり、純粋な売上高の増加とはいえないが、初期市場の獲得で先行している。調査会社、米IDCはIBMについて「ビジネス現場でのAI普及の先駆者といえる」と分析している。

AIビジネスで優位に立つIBMだが、その地位は保証されるだろうか。「ワトソンは一番賢いと思うが教えるのが大変だ」。顧客対応にワトソンを使う三菱東京UFJ銀行の村林聡専務取締役は言う。簡単なリポート執筆にベンチャー企業の簡易な技術を活用するなど用途に応じてAIを使い分けているという。

ベンチャーのAIも日進月歩で、安価で使いやすい技術は次々に現れる。コモディティー(汎用品)化を懸念するIBMはワトソンの性能向上に余念がない。15年には大量のデータから複雑な特徴を自力で探す「ディープラーニング(深層学習)」に強い米ベンチャーを買収。従来の「マシンラーニング(機械学習)」技術の集大成であるワトソンの進化を急ぐ。

「1桁台前半の売上高成長を目指す」。ワトソンがあるにもかかわらずIBMのマーティン・シュロッター最高財務責任者(CFO)は控えめな全社目標を掲げる。16年10~12月期まで19四半期連続で減収。16年通年の売上高はピークの11年から300億ドルも減った。

自前でハードやソフトを購入しなくても安価にITサービスを活用できるクラウドの普及でIBMが得意とするメインフレーム(汎用機)は優位性を失いつつある。バージニア・ロメッティCEOが「未来ではなく、今まさに活用できる技術」と言うワトソンは巨象IBMの趨勢をも決める。』

本日の記事は、IBMの人工知能であるワトソン関連の売上が、推定ベースで1億円を超えたことについて書いています。

米ITベンダーの中で、IBMはいち早く先行してAIであるワトソンの開発・実用化を進めてきました。

特に、IBMは一定規模となる開発コストを払える、大手企業が使用する用途に向けたカスタマイズされたワトソンのサービスを提供しています。

IBMは、今まで何回かの集中と選択」作業を行ってきました。その流れの中で、一貫してしているのは、ハードウェアからソフトウエアへ事業の柱を移してきたことです。

代表的な事例は、2004年12月にPC事業部(Personal Computing Division)を中国のレノボグループに売却したことです。

当時、IBMはその時点で収益源の柱の一つであったパソコンビジネスは、汎用化が急速に進んで価格競争にはいるため、IBMに安定した収益をもたらさないと判断して売却したのです。

当時のIBMのパソコンは、老舗の一つであり、ThinkPadのブランドはよく知られていました。

それでも、当時のIBMは、ソフトウエアを経営の柱とすることを決めて、将来的に収益の確保が困難なパソコン事業を売却しました。パソコンの市場環境は、当時のIBMが予想した通りに動いています。

その後も、IBMは何度か集中と選択」作業を行ってきました。一貫していたのは、ハードウェアからソフトウエアへの重心移動でした。

しかし、IBMはまだサーバーや汎用コンピュータなどのハードウェアへ依存している状態が続いています。

最近、アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの米大手ITベンダーが、積極的にクラウドサービスを展開しています。

この結果、中小・中堅企業を中心に、自前でサーバーを持たないで、これら大手ITベンダーが提供するクラウドサービスを利用する企業が増えています。

当然の如く、サーバーなどのハードウェアの出荷数量は減少していきます。

この事業環境下、IBMはワトソンを活用したサービスメニューを積極的に大手企業を中心にプロモーションをかけて、販売実績を上げてきました。

IBMは、ワトソンを自前のサーバーシステムであるPowerSystems上で動くようにしています。

ワトソンが搭載されるPowerSystemsは、当該目的にカスタムメードされています。ワトソンを使う顧客は、常にPowerSystemsにアクセスすることになりますので、、言わばワトソン専用クラウドサービスを提供されていることになります。

現時点では、ワトソンの顧客は、一定金額を払える中堅・大手企業になります。

さて、本日の日経記事に、米アップルがカリフォルニア州から認可を得て自動運転車の走行実験に乗り出すことについて書いています。

今まで、アップルはIoT・人工知能(AI)対応した自動運転車の開発・実用化については、、公式に認めてきませんでした。

アップルの開発・実用化のスタイルは、現在のITベンダーには珍しい垂直統合型のすべて自前の技術・ノウハウで行うやり方を採用しています。

インタネット・IT環境下で、競合他社より先行して、早期に差別化・差異化を可能にするために他社との連携(アライアンス)を行うオープンイノベーションとは一線を画すやり方を、アップルは取っていました。

アップルは、その結果、人工知能(AI)や自動運転車の開発・実用化で、グーグルやマイクロソフトなどの競合相手に後れを取りました。

アップルは、現在、人工知能(AI)の開発・実用化では、徐々にオープンイノベーション方式を採用しつつあります。

自動運転車の公道での実証実験は、公式に当該市場に参入することの意思表示になります。

今後、グーグル、マイクロソフト、アップル、アマゾンなどの米大手ITベンダー間の、人工知能(AI)や自動運転車の開発・実用化の競争が激しくなります。

IBMを除く他の米ITベンダーは、クラウドサービスに基づく人工知能(AI)の開発・実用化に邁進することになります。

勿論、日本や欧州、イスラエルなどの多くのITベンダーも、クラウドサービスベースの人工知能(AI)の開発・実用化を積極的に進めています。

人工知能(AI)の応用範囲は、自動運転車だけでなく、製造、販売、サービス、医療、福祉など数多くの分野で開発・実用化の動きが加速しています。

このような事業環境下で、IBMがワトソンを活用したビジネスモデルをどのように展開していくのか注目しています。

国内では、多くのITベンチャーが人工知能(AI)を活用したサービスの開発・実用化を加速しています。

このような激しい競争は、大きな技術革新を起こします。IBMという巨艦が、切磋琢磨して、人工知能(AI)関連の事業分野で、多くのITベンダーとの競争にどう挑んでいくのか高い関心をもっています。

IBMの動き方は、集中と選択」作業のやり方や、競争力の付け方、自社サービスの付加価値の向上の仕方などの点で、中小企業の経営に参考になることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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