日経記事;『ヤマト、アマゾンの当日配送撤退へ 日本郵便が一部代替、ネット通販転機』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ヤマト、アマゾンの当日配送撤退へ 日本郵便が一部代替、ネット通販転機』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

4月7日付の日経新聞に、『ヤマト、アマゾンの当日配送撤退へ 日本郵便が一部代替、ネット通販転機』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『宅配最大手のヤマト運輸は最大の取引先であるインターネット通販大手アマゾン・ドット・コムの当日配送サービスの受託から撤退する方針を固めた。

夜に配達しなければならない荷物が増え、人手不足の中、従業員の負担が増しているため取引を見直す。アマゾンは日本郵便などへの委託を増やす考えだが、ヤマトの撤退でサービス縮小を余儀なくされる可能性がある。

日本のネット通販は宅配会社のきめ細かな配送網を利用して、海外では珍しい当日配送などのサービスを提供してきた。だが、人手不足で配送網の維持が難しくなりつつある。

世界でも最高水準の便利さを武器に日本市場で成長してきたネット通販は事業モデルの見直しを迫られそうだ。

ヤマトは人手不足で配送網維持が困難と判断しアマゾンに当日配送の受託の縮小を要請。アマゾンも一定の理解を示しており、既に一部地域の当日配送で日本郵便の利用を増やし始めた。ヤマトは当日配送の受託を徐々に減らし、将来はなくす方向だ。アマゾンの利用者の注文の多くは翌日以降の配送とみられる。

日本郵便はヤマトに比べると、現状の配送能力には比較的、余裕があるとされる。だが、日本郵便の輸送能力はヤマトの3分の1程度であるため、アマゾンの当日配送が可能な荷物量や地域が縮小する可能性がある。

アマゾンの当日配送は年3900円の有料会員になれば何度でも追加料金なしで利用できる。米国の年会費の半額以下の水準だ。関東や中部、関西などで利用でき、日本の人口の8割をカバーする。消費者から昼までに注文を受け付け、数時間内に商品を発送する。

これまで大半の配送を担っていたヤマトの配送拠点には午後6~7時ごろに到着し、それから配達員が同9時までに各家庭に届ける。気軽に当日配送を利用する人も多く、夜間配達が増加。配達員の長時間労働の原因となっていた。

ヤマトが6日発表した16年度の宅配便取扱数は前年度比8%増の約18億7000万個となり2年連続で過去最高を更新した。このうち1~2割をアマゾンの荷物が占めるとされる。

ヤマトがアマゾンから受け取る運賃には大口割引を適用しており、採算が悪い。宅配便の平均単価は15年度に578円だったが、アマゾンはこの半分程度ともいわれる。ヤマトは当日配送の縮小だけでなく、運賃の引き上げも要求している。値上げに応じなければ取引停止も辞さない構えで、アマゾンは日本市場の戦略転換を迫られる可能性もある。』


ここ2~3年の間に、日本国内の労働力不足が一気に顕在化してきました。何度か本ブログ・コラムで述べていますように、日本では15歳から64歳までの生産年齢人口が急激に減少している実態があります。

内閣府が発表しました「平成28年版高齢社会白書」から見ますと、国内人口の統計結果は、概略以下の通りです。
・総人口128,057(千人):2010年実績値
・総人口127,110(千人):2015年実績値
・生産年齢人口81,032(千人):2010年実績値
・生産年齢人口77,081(千人):2015年実績値

つまり、生産年齢人口は、2010年から2015年の間に、3,950(千人)減少したことになります。さらに、この生産年齢人口は、2020年には73,408(千人)、2030年に67,729(千人)に減少する予測が出されています。

2015年から2020年の5年間で、3,673(千人)減少し、その10年後には5,679(千人)減少することになります。

私は、この生産年齢人口の急激な減少が、今後の国内経済や社会インフラなどへの大きな負の遺産になることに大きな危機感をもっています。

私がベンチャーや中小企業の新規事業機会立上支援を行うのに際して、並行して欧米アセアンなどの海外販路開拓を行う理由は、国内生産年齢人口減少からくる縮小しつつある国内市場依存を減らすことにあります。

さて、上記国内生産年齢人口減少は、労働力不足にも直結します。

今まで、国内でそれほど労働力不足が顕在化してこなかったのは、長期間続いた不況下で企業が確保する労働者の数を抑えていたことによります。

2~3年前から、国内景気回復が徐々に認識され始め、企業が労働者確保に動いたことで、労働力不足が顕在化しました。

特に、多くの労働者は、体力的にキツイ、負荷の大きい、あるいは汚れる現場などでの仕事を敬遠します。

このような状況下で、建設作業員、飲食店従業員、店舗従業員、倉庫業務員、トラック運転手などの、労働集約型作業を行う人たちの不足が深刻化しています。

私は、3月7日に、日経記事;『宅配クライシス宅配便、止まらぬ膨張 昨年6.4%増 過去最高の38億個』に関する考察 のタイトルでブログ・コラムを書きました。

本日の記事もその延長線上にあります。

この労働力不足は、いったん減少状況が始まると、多くの外国人労働者を受け入れる措置を取らない限り、解決できません。

今の日本の政治や社会状況から見ると、多くの外国人労働者受け入れは、非現実的なことになります。

現時点での解決策は、理想的なものはありませんが、不足分の衝撃をやわらげる施策を取って、それでも吸収できない分は、痛みを分かち合うやり方になります。

本日の記事にあります、ヤマト運輸が大手インターネット通販事業者であるアマゾンに対して、当日配送サービスからの撤退を提案したことが一例です。

これは、現行のサービスのやり方を見直して、労働者の負荷を軽減して、労働時間短縮を狙うやり方になります。

飲食店でも、24時間営業や深夜営業を止める店舗が増えているのも同じ理由によります。

顧客側も意識改革が必要になります。たとえば、インターネット通販で買い物をしても、即日配送を求めない、配達予定日時には家にいて受け取るようにするなどです。

もう一つのやり方は、インターネット・IT・IoT・人工知能(AI)などを駆使した自動化を可能な限り進めて、労働作業の軽減につなげる施策です。

労働力不足という必要性を母にして、創意工夫を行って省力化を徹底的に行うことが求められます。

労働力不足は、上記のような労働集約型作業だけでなく、いわゆるホワイトカラーと言われる事務作業にも大きな影響を与えます。

事務作業を高度に効率化して、自動的・機械的に行える作業・業務は、人の手を煩わせないようにする創意・工夫が必要です。

日本のオフィスワークの生産性は、米欧などに比べて、相対的に低いと指摘されています。

機械化・自動化できる部分を拡大させると、今話題になっている働き方改革に対しても大きな効果を発揮します。

上記物流分野だけでなく、多くのビジネス現場で既存のやり方にとらわれずに見直しを行って、紙による事務作業をデジタル化するなどして、機械化・自動化できる範囲を最大化することで解決、あるいは負荷軽減を実現できます。

また、その機械化・自動化するためには、インターネット・IT・IoT・人工知能(AI)などを駆使した各種ツールが必要になります。

ここに、多くのベンチャーや中小企業にとって、大きな新規事業機会が生まれますし、すでに多くの企業が提供しつつあります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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