日経記事;『銀行のフィンテック企業設立、三井住友が第1号 生体認証提供』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『銀行のフィンテック企業設立、三井住友が第1号 生体認証提供』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

4月1日付の日経新聞に、『銀行のフィンテック企業設立、三井住友が第1号 生体認証提供』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『三井住友フィナンシャルグループ(FG)はスマートフォン(スマホ)でのインターネット通販などの決済時に指紋や声で本人確認する仕組みを提供する会社をつくる。

金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック関連の企業を銀行が設立できるようになる法改正が1日施行され、第1号案件になる見通し。規制緩和でフィンテックの裾野が広がってきた。

銀行は経営の健全性を守る観点から事業会社に5%まで、銀行持ち株会社も15%までしか出資できなかった。1日の改正銀行法の施行でフィンテックにまつわる企業に対しては、金融庁の認可を得れば制限を超えて出資できるようになる。

三井住友は新会社の設立を3日に金融庁に申請する。同庁は認可する方向だ。新会社に三井住友が過半を出資し、生体認証技術を持つアイルランドのDAON(ダオン)社やNTTデータも株主に加わる。社員20人規模で春に立ち上げ、7月にも営業を始める。

新会社は指紋や声で本人確認する生体認証のプラットフォームを開発。ネット通販や旅行予約サイト、生損保、電力ガスなどに採用を呼びかける。個人はスマホで専用アプリを取り込み、スマホ内蔵センサーやマイク、カメラを使って指紋や声、顔などの情報を登録すればネット通販などの際にパスワードを入力する手間なく決済できる。

ネットで販売する事業者は、自前で生体認証システムを作るよりも安く済むという。三井住友は新会社を通じて事業者から手数料を得られるだけでなく、顧客基盤を拡大して他の金融サービスを提供する足がかりにしたい思惑もある。』

フィンテックは、毎日必ず何らかの形でマスコミの記事になっています。本日の記事もその一つになります。

本ブログ・コラムでも、最近、フィンテック関連の記事について書いています。私は、金融事業に特に専門的な知識・知見を持っていませんが、フィンテック化の進行により、ITベンダーに新規事業機会が生まれますのでその視点から関心をもっています。

また、フィンテックの進行は、何度か本ブログ・コラムで述べていますように、既存事業基盤を破壊・再構築を起こしますので、既存金融機関の対応の仕方や金融ビジネスへの新規参入企業のやり方を学んで、支援先企業へのアドバイスに役立てたいと考えています。

本日の記事の中で、「フィンテック関連の企業を銀行が設立できるようになる法改正が1日施行され。。」と書かれています。

これは、2016年5月25日に参議院本会議で可決され、成立しました「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律」のことを言っています。ちなみに、衆議院本会議で、4月28日に可決しています。公布は6月3日です。

同法には、以下のことが盛り込まれています。
★金融グループの経営管理における銀行持株会社等が果たすべき機能の明確化、★金融グループ内の共通・重複業務の集約等の容易化、
★金融関連IT 企業への出資の柔軟化、
★プリペイドカード利用についての苦情処理体制の整備、
★仮想通貨への対応(仮想通貨の売買などを業として行う仮想通貨交換業者に対する登録制・規制等の導入)、など

要は、この法律は銀行がフィンテック関連サービス・ビジネスをより柔軟に行えるようにする規制緩和です。

この種の規制緩和は、合理的であり、大いに歓迎します。銀行がより柔軟に事業出来ることと、関連するITベンチャーや中小企業に新規事業機会が生まれることによります。

2016年5月25日付の日経新聞に、「銀行がIT企業へ出資する場合、銀行は5%、銀行持ち株会社は15%までの出資制限があった。ただ金融サービスとITの融合がいっそう深まっていることから、金融庁は個別認可によりIT企業への出資割合の拡大を認める。金融持ち株会社では、ガバナンスの強化を条件にグループ傘下の銀行の共通業務を集約できるようにする。」と書かれています。

この事業環境下、三井住友フィナンシャルグループがスマでのインターネット通販などの決済時に指紋や声で本人確認する仕組みを提供する会社をつくることになりました。この会社には、生体認証技術を持つアイルランドのDAON(ダオン)社やNTTデータも株主に加わるとのことです。

三井住友フィナンシャルグループは、この新会社が事業化する仕組みを、インターネット通販事業者などに販売する計画をもっています。

生体認証は、人体の特徴を機械を使って読み取り本人かどうかを確認する仕組みです。具体的には、顔や声、指紋、指の静脈などの情報を事前に登録し、決済サービスなどの利用時に照合する仕組みになります。

現在、多くの認証の仕組みは、暗証番号やパスワードになっています。このやり方は、偽造される・漏洩する・忘れるなどのリスクや課題があります。のように忘れる心配がなく、偽造されるリスクも小さいのが特徴だ。

顔認証では、NECの装置が世界最高水準のものと評価されています。富士通は、静脈認証装置(マウスなど)で先行しています。

さて、金融機関では、三井住友フィナンシャルグループや三菱東京UFJなどのメガバンク、あるいは地方銀行・信用金庫などの金融機関も、積極的にフィンテックを活用しようとしています。

これら金融機関の根底にあるのは、フィンテックに対応しないと、インターネット・IT・人工知能(AI)などの世界的な大波に飲み込まれてしまうと言う危機感だと考えています。

これは、上記しましたように、インターネット・ITは今まで既存事業基盤を破壊・再構築してきた歴史から十分に起こり得ることによります。

私が昨日(3月31日)に書きましたブログ・コラム;日経記事;『送金効率化へ世界連合 三菱UFJ、米欧豪6行と来年 仮想通貨技術を活用』に関する考察 で述べていますように、フィンテックは、既存の銀行業務の一部を浸食し始めています。

具体例としては、クラウドファンディングサービスがあります。一般的に、銀行などの金融機関は、ベンチャーや中小企業に対する融資に一定規模の条件を付けます。あるいは、一切融資しないこともあります。

クラウドファンディングサービスは、既存金融機関に依存しない、新規資金の獲得方法です。

新規事業立上に資金が必要なベンチャーや中小企業は、優れた技術・ノウハウをもとに、分かりやすいビジネスモデルをWebサイト上で説明して、出資者の共感・支持が得られれば、必要な資金を調達できます。

金融機関がフィンテックの進行が進む事業環境下で考える必要のあることは、自社のビジネスを高度化して拡大するために、インターネット・IT・人工知能(AI)などの最新技術・ノウハウをどう活用するかにあります。

ブロックチェーンは、個人や企業間の国を超えた送金の仕組みを大きく変更させます。

政府は、上記銀行法改正で、仮想通貨への対応を法整備しました。公的に認証された仮想通貨の売買などを業として行う仮想通貨交換業者が多く出現すれば、既存金融機関を通さずにブロックチェーン活用により、送金できることになります。

この話しは、近未来のことではなく、今起こりつつあります。多くの個人や企業にとって、仮想通貨のレートが安定すれば、ブロックチェーンを使う仕組みを利用する機会が増えます。

私は、上記しましたように、金融ビジネスに対して専門的知識・知見をもっていません。

インターネット・ITがもたらす大きな破壊力と再生能力をみてきた経験から、既存金融機関は、フィンテックに真摯に対応しないと、事業基盤の足元を大きく崩されるリスクがあることは確実です。

政府の金融機関に対する規制緩和は、金融機関がフィンテックをフル活用して、より低コストで高効率なサービスを個人や企業への提供を加速させる効果があるとみます。

メガバンクや地方銀行・信用金庫などが、フィンテックへの対応を単なる情報収集や試験的な動きで終わらせないで、本格的に新規サービスメニューを開発・実用化することを期待します。

そのためには、金融機関はITベンダーや製造事業者などとオープンイノベーションの仕組みを活用して、事業化するやり方の積極的採用が必要です。

金融機関の今後のフィンテックへの対応と、周辺にいるITベンダなどの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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