日経記事;『送金効率化へ世界連合 三菱UFJ、米欧豪6行と来年 仮想通貨技術を活用』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『送金効率化へ世界連合 三菱UFJ、米欧豪6行と来年 仮想通貨技術を活用』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月31日付の日経新聞に、『送金効率化へ世界連合 三菱UFJ、米欧豪6行と来年 仮想通貨技術を活用』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『三菱東京UFJ銀行は2018年初から、仮想通貨の中核技術であるブロックチェーンを活用した次世代型の国際送金サービスを始める。米バンクオブアメリカ・メリルリンチなど米欧豪の大手6行と連携。

米ベンチャーのリップルが持つ技術を活用し、即時決済を可能とする。高止まりしていた手数料も引き下げる見通しだ。新技術を通じた世界連合で、銀行システムの利便性を高める。

銀行は多額の費用を投じ、他者に侵入されにくい頑丈なシステムを構築してきたが、その維持・更新コストは経営の重荷だった。そこで三菱UFJなどはブロックチェーン技術に注目。

大規模なサーバーなしに低コストでシステムを開発でき、高度な暗号技術で情報を改ざんされにくい強みを生かすことにした。銀行間の情報融通も一段とやりやすくなるとみる。

三菱UFJ、バンカメのほか、スタンダードチャータード銀行(英国)、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(英国)、サンタンデール(スペイン)、CIBC(カナダ)、ウエストパック銀行(豪)が連携。リップルによると、新サービスには合計90行程度が参入する可能性がある。

三菱UFJ銀は16年末、行内で新技術を使った米国への送金実験に成功。本格的なシステム開発を進めるため、世界の金融大手との連携で国際送金を共同化することにした。18年初めに個人向けにサービスを始め、徐々に企業向けに拡大する。国内メガバンクによる具体的な実行計画が明らかになるのは初だ。

国際送金する利用者の手順はそれほど変わらない。これまで通り、インターネットや店舗で送金を依頼する。受ける銀行側は資金決済ネットワークを通じて送金を実行するが、いまは国際銀行間通信協会(スイフト)を通じて送金情報をやりとりし、複数の銀行を中継して資金を送っている。

新たなシステムでは、中継銀行を通さずに送金先の銀行にお金を届けられる。即時決済が可能になり、着金情報の確認も容易になる。利用者の利便性は高まる。また送金前にお互いの口座情報を確認できる機能があり、反社会的勢力の取引排除にも役立つという。

煩雑な手続きを省き運営コストも軽くなることから、顧客向けの手数料水準も下がる見込みだ。三菱UFJ銀の海外送金手数料は1件3000~5500円。決済期間は数日かかり、送金先から後日になって手数料を請求される場合もある。

銀行は高い手数料という収益源を失うが、システム開発の経費や、情報漏洩などセキュリティー確保のための投資を減らせるのは大きい。足元では安価な手数料を武器にしたベンチャー企業が相次ぎ立ち上がっており、三菱UFJは次世代の決済ネットワークで主導権を握るほうが今後の経営には重要だと判断した。

7行が使うブロックチェーン技術はお金のやり取りだけでなく、一般的な契約の記録などへの応用も期待されている。7行は新たな国際決済網づくりを踏まえ、将来的に送金以外の機能を加える方向で検討を進める。今は貿易の際に売買契約を結んだ後で銀行間の資金決済を別途手掛けるが、一体化も実現する可能性がある。』

ここ2~3年の間に、「フィンテック」と言う言葉が、マスコミで取り上げられ、多くの関連書籍が出版されました。

フィンテック(Fintech)はファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)という2つの言葉を組み合わせた造語です。ITを活用した金融全般のサービス提供を指します。

何度か本ブログ・コラムで述べていますように、インターネットやITは、急速に個人生活やビジネス分野、社会インフラなどに深く浸透しています。

インターネットやITは、例外なしに、既存基盤を破壊・再構築しています。金融界も例外ではありません。

フィンテックのカバー範囲は、融資や決済、投資、資産管理、保険など幅広い分野をカバーすることになります。

フィンテックは、一部のITエンジニアたちが始めたインターネット上の暗号通貨(ビットコイン)のやり取りを支える「ブロックチェーン」の概念・アルゴリズムが、IT技術者である、Satoshi Nakamotoから2009年に発表されたことで、一気に具体的なものになりました。

ブロックチェーンは、日経記事では「仮想通貨ビットコインの基盤技術として生まれた。「インターネット以来の革命」と呼ばれ、金融以外でも幅広く活用されつつある。会社間の契約を記録するプラットフォーム、不動産売買などの記録、個人認証を使ったセキュリティー分野などでも今後利用が進むとみられる。
金融分野では海外送金のほか、外国為替証拠金(FX)取引の履歴の保存などに生かす動きがある。」と書かれています。

ブロックチェーンは、一般的にサーバーや大型データセンターを介さずに、インターネットでつながったパソコンを利用して、送金や決済などの情報を同一の台帳情報で共有することで、不正操作を出来にくくすると共に、大型投資なく確立・運用できる仕組みです。

本日の記事は、日本のメガバンクである三菱東京UFJ銀行が、欧米、アジアの金融機関と組んで、ブロックチェーンを活用した国際送金網を構築する試みを開始することについて書いています。

このプロジェクトには、米からバンクオブアメリカ、メリルリンチ、カナダからCIBC、欧からスタンダードチャータード銀行、ロイヤルバンクオブスコットランド、サンタンデール、豪からウエストパック銀行が参加します。

この試みが成功すると、国内と海外間の送金のやり取りが劇的に変化します。現在の国内外の送金の仕組みは、高い手数料と送金完了までの長い時間を必要とすることです。

私の支援先のベンチャーや中小企業は、現在、海外企業との決済は、クレジットカードやPayPalなどの決済代行サービスを使っています。

以前は、銀行送金の仕組みも使っていましたが、上記問題から相手企業の意向もあって使わなくなったきました。

しかし、億円単位の決済となると、銀行送金の仕組みを使う必要があります。

今回の三菱UFJの取り組みは、スイストや中継銀行を使わないで、ブロックチェーンを使った銀行間同士の送金になります。

この試みが成功すると、当然の如く、送金手数料が下がり、送金自体も国内のインターネットバンキングと同じように、即時に送金作業を完了することができるようになります。

貿易を行う企業は、決済方法にインターネット送金の仕組みも利用できるようになると、クレジットカードや決済代行サービスと比較して、最も手数料の安い方法を活用できます。

この三菱東京UFJの試みが成功することを祈念します。これが成功すると、他の金融機関も一斉に動くことになるからです。

なぜ、メガバンクが言わば今まで固く守っていた牙城の一部を自ら破壊・再構築しようとするのか。

理由は、明確です。既存の金融事業の基盤は、すでに一部のフィンテック企業によって、崩されつつあることを認識・理解していることによります。

たとえば、以前ならベンチャーや中小企業が新規事業立上のための資金調達を行う場合、金融機関からの融資が最も一般的なやり方でした。

このやり方をクラウドファンディングサービスが変革しつつあります。日本では、MakuakeやReadyfor、米国には世界最大のKickstarterなどがあります。

私も支援先企業が一定規模の開発資金を必要とするときに、これらのクラウドファンディングサービスの活用を勧めています。

このクラウドファンディングサービスを利用するもう一つのメリットは、テストマーケティングもできることです。

これらのフィンテック関連の動きは、メガバンクだけでなく、地方の信用金庫でも活用の動きが始まっています。

たとえば、3月3日付の日経新聞に、「信金中央金庫は2017年中に、全国の信金の口座情報と家計簿アプリなどを直結するシステムを構築。メガ銀やネット銀は会計アプリから直接銀行口座に振り込みできるサービスを始める。」記事が掲載されました。

家計簿アプリや経理アプリをWebサイトを通じて提供するフィンテック企業は、freeeやマネーフォワードなどがあり、今後もいろいろなサービスメニューが開発・実用化されるとみています。

金融機関は、インターネットやITが他の既存事業基盤を破壊・再構築してきた歴史をみています。

そのため、先手を打ってフィンテックを自社のビジネスに取り組んで、差別化・差異化を図ろうとしています。

今後、フィンテック活用の動きは、ますます加速していくことが確実ですので、個人や企業にとってより使いやすくて、安全・低コストな金融サービスメニューが提供されることになります。

この動きを大いに歓迎します。多様的な資金調達や決済などの仕組みがフィンテックにより提供されることで、ベンチャーや中小企業は、より柔軟に事業展開できるようになります。

今後のフィンテックの動向に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
 

 

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