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閲覧数順 2017年08月20日更新

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日経記事;『ベンチャー技術取り込み 大企業のM&A急増 4年で件数6倍 自前主義、転換の動き』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月24日付の日経新聞に、『ベンチャー技術取り込み 大企業のM&A急増 4年で件数6倍 自前主義、転換の動き』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『大企業が技術や人材の取り込みを狙い、ベンチャー企業(VB)に対する買収や出資を急速に増やしている。2016年の出資などを含めたM&A(合併・買収)は12年に比べ、件数で約6倍、金額で約3倍に増えた。異業種を含めた競争激化や製品サイクルの短縮化が進む中、自前主義では限界と判断、VBの力を活用する。

外部の技術などを自社に取り込み、新製品を生み出す手法は「オープンイノベーション」といわれる。VBへの出資・買収を通じたオープンイノベーションは、投資額は増えるが、VBの技術や人材を一段と自由に活用できる。異業種を含めた競争激化や、人工知能(AI)といった新技術が急速に進化する中、短期間で技術の獲得や新分野への進出が可能になる。

M&A助言会社のレコフによると、16年の未上場の国内VBを対象にした出資などを含めたM&Aは347件と、調査を始めた12年(52件)の6.7倍に増えた。調査開始以降、最も多く、買い手の大半は国内外の大企業。金額でも16年は1025億円と12年の3.6倍に増えた。

大塚ホールディングス(HD)は脳内に詰まった血栓を取り除く医療機器開発VBのバイオメディカルソリューションズ(東京・中央)を買収した。「全てを自前で開発するのは難しい」(大塚HD)。衣料品の不振で、事業領域の拡大を図るオンワードホールディングスは化粧品VBのココバイ(東京・渋谷)など2社を買収した。

VB側も大企業の営業網やブランド力を使い、成長を加速できる。15年にミクシィが買収したチケット取引サイトのフンザ(東京・渋谷)は16年12月までの1年間で1カ月の取扱高は36億円から58億円に増加した。

国内ベンチャーキャピタルの15年度の投資額は1302億円と米国の50分の1以下。国内の開業率も5%前後と欧米の半分程度にとどまる。

米国ではVBが投資を回収する「出口戦略」の9割を会社売却、1割を新規株式公開(IPO)が占めるが、日本はこの割合が逆転する。

米国では売却に成功すると、回収資金で新事業を立ち上げたり別の起業家を支援するエンジェル投資を始めたりする。こうした起業の連鎖が新陳代謝を促す土壌になっており、国内でも同様の動きが広がる可能性がある。』

最近、何度か本ブログ・コラムで書いていますように、オープンイノベーションの言葉が、活発に使われています。

一般的にオープンイノベーションを実行するやり方は、企業同士の連携(アライアンス)を行うことになります。

企業間連携(アライアンス)についても、本ブログ・コラムで多く触れてきました。

一般的に国内企業、特に製造事業者は、自社内のリソース(経営資源)を強化して、1社単独の垂直統合方式で、技術・ノウハウの差別化・差異化を実現することに注力してきました。

このやり方は、世の中がデジタル化される前のアナログ技術時代には、通用しました。家電業界で言えば、ソニーやパナソニックなどの国内大手企業がテレビや音響機器で巨額の収益確保を実現していた時代です。

そのアナログ全盛時代を一気にひっくり返したのは、マイクロソフトがWindows95を引っさげて、パソコン全盛期を作ったことで、インターネット・IT普及を短期間に実現・強化しました。

インターネット・ITの急速普及は、それまでのアナログ技術時代には想定できない速度で、社会・個人・ビジネスの既存基盤を破壊・再構築を行っており、最近、さらに加速していると感じています。

最近のインターネット・ITの話題は、IoTと人工知能(AI)になります。この二つの技術は、インターネット・IT環境下で密接なつながりをもって動いています。

この二つの技術が折り重なって実現しつつある巨大市場・事業の一つに、自動運転車関連ビジネスがあります。

各国・各企業がその実現にしのぎを削っています。この自動運転車の開発・実用化は、トヨタ自動車のような世界大手企業でも1社単独で行うことは、不可能です。

これは、自動運転車を実現するには、多くの幅広い技術領域をカバーする必要があることと、並行して巨額な投資金額が必要になることによります。

トヨタの場合、AIを含むインターネット・ITの研究開発拠点をを米シリコンバレーに作るとともに、多くのITベンダーなどとの連携(アライアンス)を組みつつあります。オープンイノベーションを積極的に行っています。

米大手ITベンダーであるアップルは、ITベンダーの中では珍しく、コア技術・ノウハウに関することは、垂直統合方式を取り秘密主義を貫いてきました。

しかし、今後の企業競争力を左右するAIは、このやり方では、他社との競争に負けることが明確になった結果、アップルもオープンイノベーション、連携(アライアンス)を取り入れるようになっています。

本日の記事にありますM&Aは、私の持論では広義の連携(アライアンス)になります。

狭義の連携(アライアンス)は、企業同士がお互いの強みを持ち寄って、「Win/Win」の関係を構築して、第三者に打ち勝つための、徹底的な差別化・差異化を実現することです。

狭義の連携(アライアンス)は、「Win/Win」の関係が維持できなくなれば、解消することになります。言わば恋人同士の別れです。

一方、広義の連携(アライアンス)であるM&Aは、一歩進んで両者が結婚して、同じ屋根の下で生活するやり方になります。

M&Aは、他社を買収しますので、上記の狭義の連携(アライアンス)の前提となる、「Win/Win」の関係構築の必要性はありません。

M&Aの一番難しい状況は、買収後の組織の融和・一体化にあります。これに失敗すると、個人生活で言う離婚を行うことになってしまいます。

一般的にM&Aのプロセスは、複雑多岐ですが、この行為自体はこのM&A行為を専門的に支援する企業が数多く存在しますので、それらを活用すれば多くの場合、解決可能です。

しかし、M&A後の組織融和・一体化、事業展開は、買収した企業の責任で行うことになります。

私の経験では、狭義の連携(アライアンス)を行ったことがない企業が、いきなりM&Aを行って他企業と同居することを行っても例外なく失敗しています。

M&Aは、短期間に自社がもっていない技術・ノウハウを獲得できる極めて効果的な手段です。

この効果的な手段を活用して新たな体制を作るには、買収した側の企業の力量が問われることを自覚することが、極めて重要であり、例外なく必要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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