日経記事;『日独、次世代車規格で協力 自動運転技術など』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:新規事業・事業拡大

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『日独、次世代車規格で協力 自動運転技術など』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 海外展開
経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月19日付の日経新聞に、『日独、次世代車規格で協力 自動運転技術など』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『日独両政府は次世代自動車の開発や規格策定を巡って、包括的な協力関係を築く。電気自動車(EV)の新たな超急速充電方式を両国で開発したり、自動運転に不可欠な3D地図の開発で協力したりする。

欧州デジタル地図大手ヒアと日本のメーカー各社で作る企画会社「ダイナミックマップ基盤企画(DMP)」の提携協議を開始することも確認する。

20日から独ハノーバーで開催するIT(情報技術)見本市「CeBIT」に先立ち、世耕弘成経済産業相とツィプリース経済・エネルギー相が覚書を交わす。日本政府は製造業の規格策定で先行するドイツと組み、次世代車の世界標準を握る競争で日本企業を優位に立たせたい考えだ。

EVなど次世代車は日独で充電器の規格が異なり、時間も30分ほどかかることが普及の足かせになっている。両政府は数分で充電ができる規格を統一して開発することで合意する。これに基づき両国のメーカーに規格づくりを進めるよう促す。

高精度3D地図を巡っては独アウディ、BMW、ダイムラーが出資するヒアが開発面でリードしている。日本政府は昨年6月に三菱電機やゼンリン、自動車各社でつくるDMPの立ち上げを支援した。ヒアとDMPは今春をめどに高精度地図の測量・作図手法を共同で開発するための技術提携に向けた協議を始める。

日独は車載システムのサイバーセキュリティーでも協力する。セキュリティー対策の評価手法を国際標準化機構(ISO)に共同提案することを確認する。』
 
次世代自動車の機能は、間違いなく自動運転機能を含みます。各自動車メーカーやグーグルなどの米大手ITベンダーは、自動運転機能付自動車の開発・実用化に邁進しています。

次世代自動車の定義には、電気自動車(EV)もしくは水素燃料電池車が含まれます。現時点では、EVの普及が先行しそうな状況になっています。

この中で自動運転機能の開発・実用化は、1社単独で行うことは不可能です。理由の一つは、開発投資額が非常に高くなることです。

もう一つの理由は、自動運転機能の開発・実用化は、自動車の周辺環境を自動運転ができるように整える必要があることによります。

自動運転機能を支えるには、前提となる安定かつ正確なIoT機能の実現には、高性能の無線技術の開発・実用化が必要であり、、GPS情報・データの扱い、複雑な道路網を網羅した地図情報データの確立・実用化、高度なセキュリティ対策など多くの課題があります。

IoTの実現には、世界市場で共通なやり方となる標準規格の作成・実用化が必要です。

国内企業が、この世界標準作成の中核メンバーとして入っていないと、世界標準を支えるコア技術の開発・実用化に後れを取ることを意味します。

従来、国内企業は、一般的に世界標準を作成する動きに後れを取っており、多くの場合、世界標準作成の主導権を取れないことが多いのが実態でした。

自動運転機能の開発・実用化に必要な世界標準作成の動きには、国内企業が中核メンバーとして入っていることは、必要不可欠なことになります。

世界標準作成には、国内企業とチームを組んで、連携(アライアンス)を行う海外企業が必要です。

本日の記事は、日独の両政府が、次世代自動車の開発・実用化に関して、次世代世界標準規格作成で協業していくことについて書いています。

3月18日付の日経新聞に、『IoT規格「日本の協力で利便性向上」 独推進団体トップ 』のタイトルで記事が掲載されました。

この中で、ドイツの産業IoTの中核団体「プラットフォーム・インダストリー4.0(I4.0)」のベアント・ロイカート運営委員長(独SAP取締役)が以下のように述べています。

「日独での協力は2年前に始まり、I4.0に関するベストプラクティス(最良の慣行)を交換しあい、世界に向けた標準化から法的な規制、セキュリティーに関する協力の合意もした。対象は中小企業から大企業まで様々だ。私自身、昨年に訪日し、製造業と技術に強い両国には大きな好機だと感じた。両国政府も同様に感じており、経済を刺激することにもなる」

もし日独の関連企業が、IoTの開発・実用化に関して上記の記事通りに動ければ、両者が世界標準作成で主役を演じられる可能性があります。

当然、米国企業も同じような動きを加速させています。2016年4月に、米グーグル、米フォード・モーター、配車仲介大手の米ウーバーテクノロジーズなど5社は、自動運転車の普及団体を設立したと発表しました。

米国における自動運転車の普及の前提となる安全基準などで、州ごとではなく連邦政府レベルでの統一された制度整備を働きかけ、早期の実用化を目指すとしています。

また、2016年12月には、ダボス会議を開く世界経済フォーラム(WEF)が呼びかけ、自動車やIT(情報技術)、保険などグローバル企業27社が参加。今月中に米国で実証実験を始め、自動運転の技術区分に即して安全規格や運転ルールづくりを話し合う。自動運転を巡っては異業種連携が進むが、民間の大規模な連携で自動運転の普及を推進することになりました。

実証実験に参加する27社の中で、自動車関連企業は、トヨタ自動車や日産自動車、ゼネラル・モーターズ、フォルクスワーゲン(VW)、BMW、現代自動車、ボルボ・カーなど12社となります。

この27社には、上記米国のグーグル、フォード・モーター、ウーバーテクノロジーズの3社と、EV大手企業のテスラモーターズは入っていません。

今後、EVを含む自動運転機能の開発・実用化に関して、世界標準作成を目指して、多くの世界企業が連携(アライアンス)を組んで対抗していきます。

トヨタ、ホンダ、日産などの屋内自動車メーカーは、交渉力、政治力を含めたトータルな意味でのオープンイノベーションを創造・実現する能力が必要不可欠になります。

この世界標準作成の動きは、今後の日本経済に大きな影響を与えますので、大きな関心をもって注目していきます。

ベンチャーや中小企業は、オープンイノベーションを組むことで、自社に有利なビジネス環境をどう構築していけば良いか、この次世代自動車の開発・実用化に関するオープンイノベーション;連携(アライアンス)の仕方を学ぶ絶好の機会になります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム