日経記事;『宅配クライシス宅配便、止まらぬ膨張 昨年6.4%増 過去最高の38億個』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『宅配クライシス宅配便、止まらぬ膨張 昨年6.4%増 過去最高の38億個』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月4日付の日経新聞に、『宅配クライシス宅配便、止まらぬ膨張 昨年6.4%増 過去最高の38億個』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『宅配便の拡大が止まらない。2016年の宅配便貨物の取扱個数は約38億6896万個となり、6年連続で過去最高を更新した。前年と比べた伸び率は6.4%と8年ぶりの高い水準。

取扱個数はこの10年で9.4億個増えた。インターネット通販の拡大とドライバー不足で宅配便の現場は疲弊しており、国土交通省も対策に乗り出す。

国交省が3日発表したトラック輸送情報から判明した。同省は毎月、主要な業者14社を対象に宅配便貨物の動向を調査。昨年12月は前年同月比9.9%増の4億6318万個だった。

例年、12月は取扱個数が多く、単月としても過去最高を更新したもようだ。昨年10~12月はいずれも1割近い伸びで、昨年末は一部で遅配も起きたという。

宅配便急増の背景にはネット通販の拡大による荷物の小口・多頻度化や消費者のニーズの変化がある。経済産業省によると、15年のネット通販の市場規模は13兆7700億円と5年前の1.8倍に膨らんだ。

石井啓一国交相は「深夜に頼んで翌日に届くようなサービスもあり、末端の物流業者には相当の負担がかかっている」と指摘する。

トラック業界は体力や運転技術などが求められるほか、長時間労働のわりに他業界に比べて賃金が低いため、慢性的な人手不足に陥っている。

厚生労働省の3日発表によると、宅配サービスなどを含む「自動車運転の職業」の1月の有効求人倍率(原数値)は2.68倍だった。有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人あたり何件の求人があるかを示す。トラック業界は全産業平均の1.36倍を大きく上回った。

ドライバーの高齢化も深刻だ。大型トラックのドライバーの平均年齢は47.3歳とこの10年で3歳上がっている。国交省はドライバー確保のため、業界に働き方改革を促し始めた。

石井国交相は「長時間労働の是正や処遇の改善で担い手を確保する」と強調する。労働時間が減ると短期的には人手不足が強まるが、長い目で見て若者や女性を呼び込めるとしている。同省は官民共同で再配達の削減など生産性向上に取り組み、異なる企業同士の共同配送や駅の宅配ロッカー設置も後押しする。』


私は、昨日のブログ・コラムで、日経記事;『物流 30年完全無人化 AI活用 政府が工程表』に関する考察 [新規事業開拓・立上] のタイトルで記事を書きました。

将来的には、宅配サービスと拠点となる物流センターが自動化・無人化されれば、現在、宅配業者が抱えている課題は、相当部分解決できることになります。

しかし、現時点でヤマト運輸に代表される宅配業者が、直面している運転車の不足問題の短期的な解決策になりません。

インターネット通販は、ベンチャーや中小企業にとって、直接最終顧客と取引するための最良なビジネス手段であり、もはやこの手段抜きのビジネスの仕組みは考えられません。

しかし、宅配事業に代表される物流システムは、人材不足から疲弊し、壊れつつあります。

国内のBtoCタイプ(個人向けサービス)では、時間指定の配送サービスが定着しています。この時間指定サービスは、日本国内独自のものであり、海外市場では普及していません。

この時間指定サービスが、宅配業者の事業を圧迫しているとの指摘もあります。宅配業者大手のヤマト運輸は、3月1日に、従業員の労働環境の改善を目指し、2017年度の残業時間を16年度比1割減らす方針を固めました。

さらに、ヤマト運輸は、荷受けの総量を抑制する値上げや配達の時間帯指定の廃止を検討するとしています。

上記の通り、運転手は慢性的に不足していますので、必然的に賃金を上げないと定着しなくなります。

このような、事業環境下、ヤマト運輸はネット通販事業者や通販サイトへの出店者など大口顧客を対象に、運賃の引き上げ要請を行い、交渉が折り合わなければ、取引の停止も検討するとしています。

ヤマト運輸は、2015年5月28日に書きました私のブログ記事 『日経記事;『即日配送、ヤマトが提供 中小ネット通販向け コンビニ受け取り可能』に関する考察 』 で述べていますように、同年6月から個人商店や中小企業向けにインターネット通販の支援サービスを始めると発表しました。通販サイトに出店する事業者の受注管理から商品の集荷・配送まで一貫して提供する仕組みです。

ヤマトの全国配送網を利用することで自前では難しかった即日配達やコンビニエンスストアでの受け取りもできるようになるとしました。

この時点と比較しますと、ヤマト運輸は運転手不足からくる事業環境の変化に、追い詰められていると考えます。

ヤマト運輸が直面する課題は、他の宅配業者も同じです。

BtoCおよびBtoBの両方で、インターネット通販は必要不可欠な社会・事業インフラになっていますので、我々活用する側も意識を変えて、この宅配業者が抱える課題解決に協力する必要があります。

時間指定サービスの撤廃や使用条件の強化、顧客不在による再配達件数の削減、夜間配送の条件強化、荷物を受け取れる宅配ロッカーなどの利用促進などを行うことで、宅配業者に係る負荷を一定程度下げる効果が期待できます。

ヤマト運輸や日本郵便は、LINEを活用して、顧客との間で配達予定日通知や再配達依頼を行うサービスを提供しています。

LINEは、現在、日本国内で約7000万人の人が使っているとされますので、LINE利用も物流システムの効率工場に貢献すると考えます。

今後の物流業界の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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