日経記事;『物流 30年完全無人化 AI活用 政府が工程表』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『物流 30年完全無人化 AI活用 政府が工程表』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

3月3日付の日経新聞に、『物流 30年完全無人化 AI活用 政府が工程表』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『人工知能(AI)の産業化に向けた政府の工程表が2日、明らかになった。AIを使って、ものづくりや物流、医療・介護の現場を大幅に効率化する構想を3段階に分けて示した。

ネット通販の拡大で人手不足に悩む宅配便などの物流分野では、トラックの自動運転やドローン(小型無人機)を活用し「2030年をめどに完全に無人化する」との目標を明記した。

工程表は政府の「人工知能技術戦略会議」(議長・安西祐一郎日本学術振興会理事長)が月内に発表。(1)20年ごろまで(2)20年から25~30年ごろまで(3)それ以降――の3段階で示した。

柱の一つが物流や交通などをAIで刷新することだ。30年までに「完全無人輸送・配送サービス」を実現させると掲げた。鉄道やトラックなどを無人化させ、ドローンや物流施設を含めてつなぎ、最適なタイミングで配送する仕組みをつくる。

政府や民間はAIの実証試験と、実用化に向けた規制緩和を検討中。ヤマト運輸とディー・エヌ・エー(DeNA)は、宅配便の配達に自動運転技術を活用することを視野に入れた共同プロジェクトを立ち上げた。

政府は今国会に国家戦略特区法改正案を提出する方針。特区で自動運転やドローンの実験を迅速にできるよう、規制を一時的に停止できるようにする。』

私は、本ブログ・コラムで何度か、インターネット、IT、IoT、AIが、既存社会の基盤であるプラットフォームを、個人生活およびビジネスの両面で急速に破壊、再構築することについて、いくつかの事例をベースに書いています。

本日の記事もその一つになります。

日本国内では、15歳から64歳までの生産年齢人口が急速に減少しています。
内閣府が発表した「平成28年版高齢社会白書(全体版)」によると、生産年齢人口を含む国内人口の状況は、以下の通りです。

ちなみに、生産年齢人口とは、自分で稼いで消費する人たちを意味します。つまりその国の中間所得層であり、経済・市場規模の中核になります。また、実労働者人口にもなります。

上記白書によると、我が国の総人口は、平成27(2015)年10月1日現在、1億2,711万人となっています。

65歳以上の高齢者人口は、3,392万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は26.7%であり、生産年齢人口(15~64歳)は、7,708万人でした。

この生産年齢人口は、現在減少し続けており、このまま何の対策も打たず、国民の意識に変更が無ければ、平成42(2030)年には、6,773万人、平成72(2060)年には、4,418万人にになる推計結果が示されています。

現在の経済学の常識からみると、日本経済の活力と国力は、急激な右肩下がりで一気に弱体化することになります。

欧州や米国も、基本的には日本と同じように、生産年齢人口を含む人口減少問題に直面しています。

同時に、欧州と米国は、移民の受入により、上記人口減少の問題解決を図っています。

翻って日本をみますと、いきなり欧州や米国と同じように、大量の移民を受け入れられる状況にありません。

現状下での、生産年齢人口減少に対する解の一つが、インターネット、IT、IoT、AIをフル活用した「ほぼ完全自動化」環境の実現にあります。

政府が発表しましたAIの工程表は、以下の通りです。

★第1段階(~2020年)
・無人工場、無人農場の技術確率
・創薬支援の普及
・生産設備の故障をAIが予知
★第2段階)(2020年~2030年)
・人やモノの輸送、配送の完全自動化
・ロボットの多能化工、ロボット同士の協調
・個人別の創薬実現
・家や家電をAIが制御
★第3段階(2030年~)
・介護ロボットが家族の一員に
・移動の自動化、無人化の普及による「人的要因による死亡事故ゼロ」
・潜在意識をAIが分析、「本当に欲しいもの」可視化

今までの経験や成果をみると、インターネットやITは、当初予測を超えたスピードで、既存事業基盤の破壊と再構築を行っています。

私の個人的な感じでは、企業が中核となって動く技術革新は、上記政府の工程表を上回るスピードで実現する可能性があるとみています。

日本国内の生産年齢人口は、上記しましたように労働力不足の問題を引き起こしつつあります。

工場、物流、店舗、農業などの労働力を必要とする事業分野が、現在危機に直面しつつあります。

昨日、この問題に関連して象徴的な記事が掲載されました。それは、宅配便の大手企業であるヤマト運輸が3月1日、従業員の労働環境の改善を目指し、2017年度の残業時間を16年度比1割減らす方針を固め、日本流のきめ細かなサービスが労働負荷を高めているため、事業のあり方を抜本的に見直すことです。

国内外で、インターネット通販が急速普及しているため、宅配便を含む物流システムに対する需要は、急増しています。

しかし、それを支えるための労働力が決定的に不足しつつあります。ヤマト運輸は、急増する需要への対応を止めて、労働者への負荷を軽減するやり方を決めました。

今後労働者に依存する分野で、同じような課題・問題が一挙に顕在化してくるとみます。

日本国内でこの労働者不足を解決するために、政府が定めた上記無人化・自動化の完全実現を前倒しで行うことが必要になります。

ここに、国内のベンチャーを含む多くの関連企業に大きな新規事業機会が生まれます。

インターネット、IT、IoT、AIの高速活用・実用化をするには、高度なソフトウエア開発力が必要不可欠になります。

国内全体に、労働者不足の課題解決という巨大な潜在需要があります。より高度な技術・ノウハウをもつソフトウエアが必要不可欠になります。

国内のベンチャーや中小企業が、大きな市場で差別化・差異化な技術・ノウハウをコアに、積極的に新規事業獲得を行うことを大いに期待します。

大手企業単独では、この大きな課題の解決を実現できません。この巨大な課題を解決するには、企業の規模に関係なく、お互いの強みをもつ企業が「Win/Win」の関係を構築する「オープンイノベーション」のやり方が最短に、効率的な解決策を開発・実用化できると確信しています。

この自動化・無人化のニーズは、日本だけでなく世界市場に存在していますので、国内企業は、常に世界市場に目を向けてビジネスしていくことが重要になります。

たとえば、今までのタイは、豊富な労働力を背景に日本の製造業を受け入れて、日本と同じような産業構造を実現しました。

しかし、タイは2015年をピークにして、今後生産年齢人口が減少していくと予想されています。このタイでも、将来自動化・無人化のニーズが発生します。


この視点から、インターネット、IT、IoT、AIをフル活用した、完全自動化・無人化の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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