日経記事;『インフラ向け炭素繊維 積水化学が参入、用途拡大 複合樹脂、まず止水板』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『インフラ向け炭素繊維 積水化学が参入、用途拡大 複合樹脂、まず止水板』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

2月27日付の日経新聞に、『インフラ向け炭素繊維 積水化学が参入、用途拡大 複合樹脂、まず止水板』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『積水化学工業は炭素繊維事業に参入する。従来の半分のコストで樹脂との複合材をつくる技術を確立。鉄を代替するインフラ資材として供給する。軽くて1人でも作業がしやすいため建設現場の人手不足解消にもつながる。

東レや帝人など大手の炭素繊維事業は航空機や発電用風車が中心だが、積水化学はつながりが深い建築・土木向けで商機を探る。炭素繊維の実用範囲が一段と広がる。

炭素繊維強化樹脂の成形や加工をしやすくした。

炭素繊維は鋼鉄の4分の1の軽さながら強度は10倍以上とされる。世界首位の東レと帝人、三菱ケミカルホールディングスの3社は世界シェア6割を占め、糸から複合材までを一貫して手がけている。積水化学は糸を東レなどから調達し、樹脂をまぜて炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を生産する。

2017年度にも滋賀県の工場に50億円を投じて生産・研究拠点を新設する。熱で柔らかくなる「熱可塑性樹脂」を採用。従来は熱を加えて固める製法が一般的だが、量産性が低く、製造コストは鋼鉄の5倍以上だった。積水化学の製法は成形機でも加工しやすく、製造コストは従来の半分程度になる。

素材メーカーでは住友ベークライトなども糸を外部調達してCFRP事業を手がけるが、用途は自動車部品などが中心だ。積水化学は水道管などの資材を手がけ、建設業界とのつながりが深い点で特徴があり、炭素繊維の用途拡大の可能性が広がる。

まず、17年内に地下空間への水の浸入や河川の氾濫を防ぐ止水板を商品化する。アルミ製より大幅に軽く1人で運搬や設置がしやすい。

その後はCFRPを橋桁に巻き付けたり、トンネル内の壁に貼って構造物の強度を高めたりする補強材としても供給する。20年に炭素繊維事業で100億円の売上高を目指す。

調査会社の富士経済(東京・中央)の予測では、15年のCFRPの世界市場は1兆2千億円で、30年には3.7倍の4兆5千億円に成長する。建築・土木向け比率は全体の約2割と、航空機に次ぐ用途となりそうだ。

自動車向けでも炭素繊維の用途は広がる。東レは18年に愛媛県の工場に50億円超を投じ、燃料電池車(FCV)用電池の電極に使う炭素繊維シートの新工場を建設する。3年内に別の工場で炭素繊維製の車両の骨格部品も量産する計画だ。

自動車向けはレース車など一部への構造材の採用にとどまっていたが、東レは長年培った技術を生かし、炭素繊維の新用途を広げる。』

本日の記事は、国内素材メーカーの強みの一つである炭素繊維の使用用途が拡大することについて書いています。

炭素繊維の特徴は、鉄と比べて、4分の1の軽さで強度が10倍以上あることです。
炭素繊維の欠点は、加工のし難さと高い製造コストです。

本日の記事によると、積水化学工業は従来の半分のコストで樹脂との複合材をつくる加工や成形する技術を確立したことになります。

積水化学工業は、糸を東レなどから調達し、熱で柔らかくなる「熱可塑性樹脂」を採用することで、炭素繊維を成形機で加工しやすくするとのことです。

このやり方は、炭素繊維の使用用途を一気に拡大することにつながります。炭素繊維は、鉄の最大の欠点の一つである錆を起こしません。

炭素繊維を使った材料や部品が、鉄の代替品となることで、炭素繊維の生産量は、一気に増加することは確実です。

炭素繊維の現在の主要用途は、飛行機や自動車用途になります。積水化学工業の試みが成功すると、炭素繊維は鉄と同じ用途に使用されます。

当然の如く、東レ、帝人、三菱レイヨンの大手炭素繊維メーカー3社も、積水化学工業などと同じように、当該繊維の使用用途拡大を一気に加速させることになります。

このことは、炭素繊維が一部の高級用途から、汎用用途へ急拡大するビジネス環境になっていることを示しています。

この急拡大期には、国内炭素繊維関連メーカーは、開発・実用化・製造に関する投資を積極的に行って、市場を作りながら需要獲得を行い、世界市場で勝ち組になることを狙う必要があります。

中国や韓国の素材メーカーも、低価格の炭素繊維で、市場獲得に参入しつつあります。国内企業は、積極的な投資を進めて、海外勢に対して徹底的な差別化・差異化を実現することが重要であり、必要になります。

炭素繊維メーカーは、炭素繊維の更なる開発・実用化を進めて、鉄やアルミニウムなどの代替用途などの新規需要を積極的に開拓すると共に、海外市場で販路開拓を行い、世界市場でさらに高いシェアを取るように動くことを大いに期待します。

この視点から、国内炭素繊維メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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