日経記事;『ホンダ、米中でEV部品 生産拠点、日立系と 脱・自前、提携で巻き返し』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ホンダ、米中でEV部品 生産拠点、日立系と 脱・自前、提携で巻き返し』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

2月8日付の日経新聞に、『ホンダ、米中でEV部品 生産拠点、日立系と 脱・自前、提携で巻き返し』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『ホンダと日立製作所子会社の日立オートモティブシステムズは7日、電気自動車(EV)など電動車両の基幹部品であるモーターで提携すると発表した。

開発・生産の共同出資会社を設立し、EVの需要が急増する米国と中国に生産拠点を設けることを計画する。自前の技術にこだわってきたホンダはEVでは出遅れていたが、モーターの技術力に定評のある日立と組み巻き返す。

新会社は7月、茨城県ひたちなか市に設ける。資本金は50億円。日立オートモティブが51%、ホンダが49%出資する。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)などに使う車載用モーターの開発、生産、販売で協力する。

新会社は米ゼネラル・モーターズ(GM)や米フォード・モーターなどの自動車大手にも採用を呼びかけているもようだ。米国と中国で工場を新設することも計画している。量産効果で製造コストの低減をめざす。

ホンダの八郷隆弘社長は同日の記者会見で「日立オートモティブとの協業を通じて新たな技術に挑戦できるほか、他の自動車メーカーにも広めることで量を確保できる」と強調した。

また八郷社長は2030年にホンダの四輪車販売の3分の2をEVなどの電動車両にする方針を示した。そのうえで「電動化を加速するには、より競争力のあるモーターが必要だ」と協業の意義を説いた。

日立オートモティブは米GMのEV「ボルト」などにモーターを供給している。こうした日立オートモティブの知見を吸収する。

ホンダはこれまで自社開発したモーターを内製してきた。日立オートモティブとの新会社からもモーター供給を受けるが、引き続き自社単独での開発・生産も続ける方針だ。

ホンダは合従連衡が続く自動車業界で、自前の技術にこだわってきた。だが環境技術やIT(情報技術)など幅広い技術が必要になるなか、自社だけでこなすのは限界があると判断。他社や異業種との協業を増やしている。

13年に米GMと燃料電池車の共同研究、開発で提携した。16年には人工知能(AI)分野でソフトバンクグループと組んだ。自動運転ではグーグルの持ち株会社傘下の自動運転開発会社、ウェイモと共同研究を始める方向で検討を始めた。』


最近、トヨタとスズキの提携・協力が発表されました。両社は、合計販売台数1800万台のスケールメリットと両社が得意とする分野での協業により、世界市場で勝ち組になるべく活動を強化するやり方を取ります。

何度か本ブログ・コラムで書いていますように、自動車メーカーはトヨタ、日産が軸になって、合従連衡(協業・アライアンス)を巧みに行って、関係企業間で「Win/Win」の関係を構築し、投資分散や売上拡大などの果実を生み出してきました。

その自動車業界にあって、ホンダは以前のソニーのように、唯我独尊で自社のもつ開発力・技術力をベースに、垂直統合型のビジネスモデルを実践してきました。

確かに以前のように、ホンダの競合企業が世界の自動車メーカーであれば、世界市場で規模を追わずに、徹底した差別化・差異化を追求することで、一定の収益を獲得できます。

現在の自動車業界は、さまざまな課題に同時並行で対応せざるを得ない状況下にあります。

一つは、米国のカリフォルニア州やニューヨーク州などで強化されるZEV規制に代表される環境対応車の開発・実用化です。

完全な環境対応車は、現時点では水素燃料電池車かEVになります。ホンダは、トヨタと共に、世界に先駆けて水素燃料電池車の開発・実用化を行っています。

しかし、現時点では、EVが水素燃料電池車に先行して、次世代環境対応車の当面の主役になる見込みになっています。

これは、EVの方が開発・実用化が水素燃料電池車に比べてより容易であることと、フォルクスワーゲンやベンツなどの独大手自動車メーカーが、開発・実用化の主軸をディーゼルエンジン車からEVにシフトしたことによります。

さらに、米国では、大手ITベンダーのグーグルが中心となって、自動運転機能付EVの開発・実用化を加速させています。

米EV専業メーカーであるテスラモーターズが、EVの売上拡大を着実に行っていると共に、この企業も完全な自動運転機能付EVの開発・実用化を積極的に進めています。

テスラモーターズの経営者は、以前に大手ITベンダーを経営していました。このメーカーのEVの開発・実用化のやり方は、ファブレスで自動運転機能付EVの開発・実用化を行うグーグルとは異なりますが、基本的な経営手法はITベンダーのように迅速です。

このように、ホンダやトヨタの事業環境は複雑であり、かつ迅速な技術革新が進んでいます。

ソニーやパナソニックは、米大手ITベンダーとの競争に負けました。負けた要因の一つが、経営の迅速なスピード、とオープンイノベーション方式で行われる商品の開発・実用化から産まれる商品力についていけなかったことです。

オープンイノベーションは、事業分野が異なる企業がお互いの強みを持ち寄って、水へ分業型で行う協業・アライアンスのやり方です。

アップルは、自前で工場をもたないファブレスで、iPhoneなどの電子端末機器を生み出して、新市場開拓を行いました。

ホンダやトヨタなどの自動車メーカーは、米大手ITベンダーとの競争に負けたソニーやパナソニックの動きを研究したとみています。

EVは、バッテリー、モーター、その他主要部品の調達ができれば、ガソリンエンジン車に比べて、比較的容易に開発・実用化が可能になります。

自動運転機能は、人工知能・IoT・クラウドなどのITの総合力が必要になります。

トヨタでさえ、1社単独でのやり方を止めて、スズキだけでなく、多くの関連企業との協業・アライアンスを組んでいます。

ホンダは、今回、1社単独での垂直統合型の開発・実用化のビジネスモデルから、他社との協業・アライアンスで行うオープンイノベーション型のやり方を採用することを決めました。

今後、ホンダが日立などとの協業・アライアンスで、EVやHVの開発・実用化を進めて世界市場で勝ち組になれるかどうか、注目していきます。

ホンダのオープン・イノベーションのやり方は、技術先行型のベンチャーや中小企業に参考になる可能性があることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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