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政府税調「平成21年度の税制改正に関する答申」

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税制改正 平成21年度税制改正
「平成21年度の税制改正に関する答申」を、政府税調は28日公表した。

読んでみると実に薄っぺらいないようで、今年の税調の開催状況を
見ても分かるとおり、昨年の答申であれだけ大上段に大改革を
唱えていながら、何にもやっていない。

これにはあきれ返るばかりである。

メンバーを見れば仕方がないかもしれませんがね。財政学者は委員に
名前を連ねているものの、いざ法案にする場合の問題点を指摘できる
税法学者は特別委員に中里先生と水野先生がいるのみでしかない。
これでは、本格的な大改正の議論が出来るはずがなかろう。
どういう意図でメンバーを選んでいるのか、気が知れないところだ。

そういう意味では、今年の税制改正は、目玉は何もなしになるでしょう。
先行して、民法にまで手をつけた相続税の抜本的改正
(特に課税方式の変更)は先送りにされることになった。

これは大問題である。

昨年の答申において、

事業承継税制については、雇用確保や経済活力の維持の観点から
一層の配慮が必要との意見がある一方で、事業用資産を持たない者との
課税の公平性や親族間の相続(世襲)による事業承継を支援することの
必要性の観点から十分な吟味が必要であるといった指摘もあり、
相続税制の全体の見直しの中でさらに検討を進めることが必要である

としていたことを思い出す必要がある。

事業承継税制は、相続税の見直しの大きな目玉の1つだったんです。
それも、課税方式の変更を前提とした改正内容でもあるのです。
先行して10月1日から施行されている経営承継法や来年3月1日から
施行される遺留分に関する民法の特例についても、相続税が遺産税から
遺産取得税に変更されることを前提として整合性が取れるように
改正したのですね。

さらには、

昨年の答申を経て、本年1月に閣議決定された
「平成20年度税制改正の要綱」においては、
(1)平成21年度改正において「取引相場のない株式等に
係る相続税の納税猶予制度」を創設すること、
(2)この新しい事業承継税制の制度化にあわせて、相続税の課税方式
をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討すること、
(3)その際、格差の固定化の防止、老後扶養の社会化への対処等
相続税を巡る今日的課題を踏まえ、相続税の総合的見直しを検討すること
(平成21年度答申6ページ)

とされていたことを今年の答申も確認している。
しかし、今年度の答申は、

課税方式の見直しについては、課税の公平性や相続のあり方に関する
国民の考え方とも関連する重要な問題であることから、
幅広い国民の合意を得ながら議論を進める必要がある。
ただし、いずれの方式によるにせよ、新しい事業承継税制が制度化
される場合には、課税の公平性に十分配慮して、国民の理解を得る
ことのできる仕組とすべきである。
また、相続税の負担水準のあり方については、相続税の資産再分配機能の
回復を求めた昨年の答申の考え方に沿って、今後、基礎控除や税率構造等を
見直し、さらに議論を深めることが重要である。
(平成21年度答申6-7ページ)

つまり、事業承継税制も相続税の課税方式の変更も
期限を明記しない先送りである。

この先送りという結果が、税調が相続税を含む資産課税の専門家
(水野先生も中里先生も所得課税の専門家です)をメンバーに加えて、
本当に実質的な議論をしてきた上での結果であれば、納得できよう。

しかし、現実は、昨年の答申が出された平成19年11月20日以降、
税調が開催されたのは、平成20年7月22日まで8ヶ月間開催されず、
3ヶ月以上開いた11月14日以降、18日、21日の計4回の企画会合が
開かれただけで、昨日の総会による平成21年度改正答申の公表であった。

途中、一切、議論がなされないまま、具体的な改正になったときに
どういう問題が法律上に起きてくるかを、学問上一切考えないでいい
財政学者ばかりの中で、100年に一度の大改正が出来るはずないであろう。

香西税制調査会会長の責任は実に思い。
香西氏の無責任運営のために、政府による税制改正論議が
ストップしてしまったとも言えるからである。

少なくとも、相続税の大改正、事業承継税制の80%納税猶予制度
の創設は先送りということになろう。

私は事業承継税制については、依頼を受けて、「経理WOMAN」11月号に
Q&A方式で原稿を執筆したが、読者にとっては、実施されない
80%納税猶予を書いた大嘘つき野郎になるんでしょうね。

経済財政諮問会議に実質審議の場が移っているのだとすれば、
政府税調のあり方も見直す時期に来ているのかもしれませんね。

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