日経記事;『「賢い工場」広がる ブリヂストン、IoTで故障察知 東レ、AIが熟練の技代替 』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『「賢い工場」広がる ブリヂストン、IoTで故障察知 東レ、AIが熟練の技代替 』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

1月5日付の日経新聞に、『「賢い工場」広がる ブリヂストン、IoTで故障察知 東レ、AIが熟練の技代替 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)などを駆使して生産性を高める「スマート工場(賢い工場)」導入が大手製造業の間で広がってきた。

ブリヂストンは主力工場での整備を進める。東レも子会社を通じてAIベンチャーと提携、検査機を開発する。熟練技術者の大量退職に備えAIでその技能を代替する狙いもある。

ブリヂストンは3月をめどに乗用車用タイヤを生産する彦根工場(滋賀県彦根市)で設備の状態を保守・整備会社などと共有する。同工場は1日あたり5万3000本生産するブリヂストンで最大規模の工場。

生産設備の燃料の残量や部品の動作回数を記録し、データとして外部に提供する。燃料の安定供給や設備の故障防止につなげる。従来は整備会社が定期的に工場を訪れて状態を確認していた。ブリヂストン側から情報提供することでより安定した稼働を目指す。

タイヤの原料であるゴムや添加剤などの素材を供給するメーカーとの情報共有も視野に入る。

彦根工場はタイヤ成型工程を自動化し、人が作業する工程を3分の1に減らしている。IoTで外部の会社と連携した生産体制を構築する。

素材メーカーの間でもスマート工場に向けた模索が始まった。東レは東レエンジニアリングを通じてAI開発の東大発ベンチャー、エルピクセル(東京・文京)に出資し包括連携契約を結んだ。東レエンジは東レの工場やプラントを建設する。

東レエンジはAI活用の検査機を開発、工場の操業管理に生かす。温度や圧力のデータを組み合わせることで熟練者しか見つけられない異常値をAIで読み取れるようにする。熟練技術者の大量退職に備え、AIが役割を代替する。

AI導入などによる工場のIT化で先行するのは電機業界。高い歩留まりが求められる半導体工場での取り組みは早い。

ソニーは世界シェア首位の画像センサーを生産する熊本工場(熊本県菊陽町)でAI分析を取り入れ、不良品の原因を特定している。かつて導入していた長崎工場(長崎県諫早市)では歩留まりが3%向上し、年間36億円のコスト削減効果があったという。

東芝も半導体メモリーを製造する四日市工場(三重県四日市市)の生産管理にAI分析を取り入れ、生産性向上につなげている。深層学習(ディープラーニング)で半導体ウエハーの不良を素早く発見する。生産性低下の要因を見つける時間を3分の1程度に縮小できるとしている。』

本日の記事は、大手メーカーであるブリヂストンタイヤや東レエンジニアリングが、IoTやAIを活用したスマート工場を展開することについて書いています。

このスマート工場は、ドイツが官民一体で進めているインダストリー4.0と同じような動きになります。

東レエンジニアリングの場合、当社は2016年12月に、東大発のAIベンチャー企業の一つであるエルピクセルと提携して、AIを活用した製品・技術の開発体制を強化しようとしています。東レは、エルピクセルに1億円出資しています。

エルピクセルは、ライフサイエンスをITやAIの活用により、飛躍的に発展させることを狙いに立ち上げられた企業です。

たとえば、エルピクセルは2016年9月からAIを活用したライフサイエンス画像解析クラウドサービス「IMACEL(イマセル)」を立ち上げています。

東レは、今活発に行われているオープン・イノベーションの手法を活用して、AI機能を取り込んでスマート工場を実用化しようとしています。

東大発のAIベンチャー企業では、Preferred Networks(PFN:プリファード・ネットワークス)が先行しています。

PFNもトヨタなどの大手企業からの出資を受けており、オープン・イノベーション活動を積極的に行っています。

国内では、自動化工場はファナックやキャノンなどの電気機器業界が先行してきました。本日の記事は、他の大手メーカーも自動化を含むスマート工場の開発・実用化を本格的に進める動きを示しています。

大手メーカーが自動化工場やスマート工場の開発・実用化を進める理由は、明確です。

一つは、日本国内での15歳から64歳までの生産年齢人口の急激な減少からくる、労働者不足です。

もう一つの理由は、翻字の記事にありますように、熟練労働者のリアタイヤによる、製造技術崩壊のリスク対策です。

今活発に自動化工場やスマート工場の開発・実用化を行っているのは、大量生産を行っているメーカーです。

今後、自動化工場やスマート工場の開発・実用は、多品種少量生産の大手メーカーや、中堅・中小メーカーにも確実に広がるとみています。

どのメーカーも、労働者や熟練者の不足問題に直面することによります。

インターネットとITの急速普及は、モノやソフトウエアの開発・実用化コストを急激に下げています。

何年か前には、中堅・中小企業がAIを活用することはほとんど不可能なことでした。

しかし、AIの技術は、デイープラーニングを含めて劇的に進化し始めており、ソフトウエアやAIを動かすサーバーは、自前で持つ必要あはなく、インターネット環境があれば、クラウドサービスを活用できる事業環境になっています。

私の支援先企業の一部は、すでに部分的ではありますが、小型ロボットを導入して製造の自動化と、生産管理をIT活用することで、誰でも簡単に見れるようにWebサイト上で確認・行動できるようになっています。

この生産管理システムは、原材料、部品、仕掛や完成品の在庫も随時見れるようになっており、部材や部品などの取引先にもWebサイトを通じて公開しており、部分的ですが自動発注の仕組みも導入されています。

この企業は、製造の自動化・見える化で労働者不足を解決するとともに、固定費圧縮を図っています。

また、取引先に、上記のように在庫・生産状況のデータ・情報を開示・共有することで、人手を介さずに部材や部品の受発注を部分的ではありますが、できるようになっています。

この企業には、ITやソフトウエアのエンジニアは、いません。ITベンダーにWebサイトを含めたソフトウエアを開発・実用化してもらい、クラウドサービスのデータセンターを活用して運営しています。開発投資は、3年で回収できる見込みです。

私は、今後中小企業でこのような動きが加速するとみています。多くのハードウェアメーカーやITベンダーが、企業の規模に関係なく上記のようなオープン・イノベーションによって、「Win/Win」の関係を構築して、低コストで高効率な事業運営体制を実現することを大いに期待します。

このやり方は、アセアンのような海外工場でも、近い将来必ず必要不可欠になることによります。

たとえば、タイでは生産年齢人口の減少が起こり始めており、失業率もほとんどゼロに近い状態になっています。タイでは、今後工場の自動化やスマート化は必須になります。

今後、工場の自動化やスマート化は、AIを含めてITベンダーにとって大きな事業機会になりますので、注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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