2017年度大学センター試験ー英語問題のお粗末さ(カナダからの突っ込み) - 受験英語 - 専門家プロファイル

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閲覧数順 2017年05月22日更新

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2017年度大学センター試験ー英語問題のお粗末さ(カナダからの突っ込み)

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外国から見た日本

長年日本で英語思考法を教えたあと、カナダにベースを移しカナダの教育制度と関わる仕事をしています。

その立場から今年のセンター試験英語問題に大きな危惧を持ちました。

 

時代遅れの表現はまだしも、不自然極まりない会話問題、トピックのないエッセイ文、日本語思考で考えそれを英語に置き換えただけの文章、などなどキリがありません。

こんな試験問題で人生を左右される高校生に大きな同情を感じます。

 

試験問題の中からいくつか例を挙げて文句を言っていきます。

 

1.第2問A 8) カッコの中に当てはまる単語を入れる問題

 

He (got) his umbrella (caught) in the door by accident when he boarded the rush hour train.

 

下線部はまぁ大丈夫 「傘がドアに挟まれた。」 あら大変。

青い部分 “by accident” 「ついやっちゃった。」 これ全く不要です。

わざと傘を電車のドアに挟まれる人っていますか?

「挟む」のではなく「挟まれる」です。

カナダのEnglish のコースなら先生に容赦なく斜線入れられますよ。

 

またまた下線部。

この部分はかなり日常的な軽い英語表現です。 「get ~~~ 過去分詞」

そのくせ、後半には “board” という時代がかった古い動詞を使っています。

年寄りの日本人が作った文かな?

 

余りにもちぐはぐ、不自然な文章です。

英語の出来る高校生は、考え過ぎで困ったのでは?

 

2.第2問A 9) 同じくカッコの中に単語を当てはめる問題

 

(Nobody) in this class is as kind (as) Abbie. She always helps people who are in trouble.

 

1文目と2文目がとんちんかんです。

 

非常に強い意味を持つ “Nobody” で始まっている文は、「このクラスの誰ひとりとしてAbbie みたいに親切な生徒はいない!」と文句に近い意味になります。

「みんな何やとんや〜」感情です。

(“kind”という単語自体も意味が広すぎなのでもっと具体的な形容詞が必要ですけどね。 カナダのENGLISHクラスでは駄目出しが来ますよ。)

 

ということは、2文目はまずその文句を受けて、具体例が来なくてはおかしいです。

「こんなこともしないし、こんなこともしない。」とか。

最初の文の主役は “Nobody”、で「誰も〜〜〜!」と文句を言ったはずが、2文目でいきなり主役が Abbie に変わりました。

 

読んだあと消化不良になりそうな問題です。

日本の英語教科書はこんな組合せのオンパレードですけど、さすがにセンター試験のレベルがここまで低いとは驚きです。

 

3.第2問C 2) 会話の最後の文を組み立てる問題

 

Taylor: You’re watching cricket again? I don’t know why you watch cricket matches all the time.

Adele: I love cricket, and this is a great match. If you knew the rules, it would be really interesting.

 

Taylor, Adele など、名前だけは頑張って今流行りの名前を使ってるのに笑ってしまいました。

JackとかMay ではないんですね、もはや。

 

いずれにしても、上の赤い部分は、明らかに Taylor と Adele はかなり親しくお互いのことをよく知っていることを表わしています。 いつもの “all the time” 行動を知っているわけですから。

 

そしたら、Adele は今更 “I love cricket.” と言う必要などないですよね。

自己紹介じゃあるまいし。

ここで一貫性が崩れてくるので、一体誰がどんな会話をしているのがぐちゃぐちゃです。

 

相手の好きなスポーツも知らないけど、普段の行動は知り尽くしている?

どんな関係?

 

こんな不自然で辻褄の合わない会話を読まされる受験生がかわいそうです。

 

4.第3問C 市の発展をテーマとしてある町で行われた住民による話し合いのやりとりの中に適当な文を入れるもの

 

この話し合いは、笑うほど日本式思考で書かれた英文です。

英語での話し合いは、具体的にPros & Cons(利点・不利点」を論理的に議論していきます。

が。

この問題文はまるで日本式会合の生き写し。

みんなが順番にお行儀よく自分の意見だけを述べ、それに対する反論は全くなし。

しかも、意見の中には具体的なことが欠けています。

(ショッピングモールを提案した人だけは少し具体的になってます)

 

この英語の問題文は、日本の小学校の学級会を英語にしただけの低レベルです。

ここから英語を考えろという試験自体は人権侵害かも。

 

5.第4問A 説明文と図を読んで答えるもの

 

この説明文はカナダのENGLISHのクラスなら成績 “C”がついたらいい方です。

英語の説明文の形式を全く無視しています。

日本人が日本的思考を英語を移し替えただけのように思えます。

 

第一段落からして、何が言いたいのかトピックセンテンスがありません。

 

Physical activity in your childhood, such as playing sports and exercising, can greatly benefit your health when you are older.

この1文目がトピックセンテンスだとすると、「子供時代に身体を動かすことは将来の健康に大きな利点となる。」ですから、このエッセイ自体は科学的リサーチについて言及したもので、どのような運動を子供時代にすると、将来の病気への罹患率とかがどう変わるかを詳しく書いたものかな?と直感的に思います。

英語のエッセイはそう成り立っていきます。

 

ところが2文目を読んでぶっ飛びました。

Therefore, it is important to promote physical activity in childhood for one’s good health.

Therefore”???!!! これはエッセイの中で論理的・客観的・科学的に根拠・理由を述べたあとの結論の文につかうつなぎ言葉です。

あれ? もう結論? 脳が混乱しました。

しかも、この文で言っていることは、1文目と全く同じ。

言い方が変わっただけです。 不必要な文です。

(誰や〜〜これを書いたんは!!)

 

めげずに3文目に行きましょう。

The schoolyard is one place where children and adolescents can be encouraged to take part in physical activity.

いきなり主語が大幅に変わりました。

主題は “physical activity in your childhood” ではなかったのかな?

「学校の校庭はもっと使われるべきです。」

どうやら科学的なエッセイでもなく、主題のあるエッセイでもなさそうです。

いやエッセイではなさそうです。

とりあえず思いつくまま書いただけ。

 

日本式いわゆる徒然なる随筆か?

英語のエッセイの主語の使い方は非常に大切ですが、この問題を書いた人はそれを知らないようです。

 

最後の文で目を疑いました。

Thus, knowing how schoolyards are used by students may give us some helpful ideas to promote their physical activity.

Thus”!!!!! 「それ故」!!

また結論?

「それ故、校庭の使われ方を調べましょう。」

なんや、これがトピックセンテンス?

じゃ、ここまでの文は一体。。。。。

 

と何が何だかわからないうちにグラフが登場。

たくさんの日本人の大学・大学院向けのエッセイ指導をしましたが、この試験問題はやはりCレベルです。

Writing専門家のカナダ人相棒と「あらら。 どうする? めちゃくちゃだね。 どこから手をつけようか。。。」と困るタイプの生徒のレベルです。

そんな人がこの問題を作ったなんて、生徒の困惑が目に浮かびますね。

 

 

英語はアイディアを表す道具として、人の注目を引きつける道具として、日々使われるカナダから、とても残念な気持ちでこの試験問題を読みました。

 

未だにこんなお粗末な英語問題が大学入試に登場している日本にジリジリします。

 

何よりも、こんな低級な英語問題で将来の進路を左右される若者が可哀想すぎだと思います。

 

 

かわいそうな若者たち。

カナダにいらっしゃい! 本当の英語に会いに。

 

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