日経記事;『グーグル、FCAと共同開発した自動運転車を初公開』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『グーグル、FCAと共同開発した自動運転車を初公開』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. アライアンス・事業提携
経営コンサルタントの活動 アライアンス(連携・提携)支援

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

1月9日付の日経電子版に、『グーグル、FCAと共同開発した自動運転車を初公開』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『米グーグルは8日、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と共同開発した自動運転車のミニバンを初公開した。

3種類のレーザーセンサーを積み、近くの歩行者から遠くの対向車まで車の周囲の状況をきめ細かく認識できる。1月末から米アリゾナ州とカリフォルニア州で公道走行実験を始める計画だ。

9日からデトロイトで始まる北米国際自動車ショーの開催に先駆けてグーグルが発表した。ショーの会場で記者会見したグーグルの持ち株会社傘下の自動運転開発会社、ウェイモのジョン・クラフチック最高経営責任者(CEO)は「車の量産メーカーとの最初の協業だ」と述べ、実用レベルに近い自動運転車の開発に自信を示した。

新型車の特徴はレーザーで短距離、中距離、長距離の物体をとらえる3種のセンサーを採用したこと。同センサーは高価なため通常は1基のみの搭載だが、グーグルは「かつて7万5000ドル(約880万円)以上した価格が今は90%減った」(クラフチックCEO)として採用基数を増やした。

グーグルは現在、ハンドルやブレーキが無い小型の試験用車両を中心にカリフォルニア州などの公道で自動運転車を走らせている。2009年から始めた公道試験の累計走行距離は200万マイル(約320万キロメートル)を超えており、新型車の投入で今年5月には累計300万マイルを超える見通し。走行距離が長いほど車に積んだ人工知能(AI)の精度が高まる。

グーグルは16年5月にFCAと提携し、車の供給を受ける形で共同での自動運転車開発を進めてきた。今回、大人数が乗れるミニバンを使うことで、新たな移動サービス事業の展開も視野に入れていると見られる。一部米メディアは17年中にグーグルが自動運転車を使った相乗り(ライドシェアサービス)を始めると報じている。

グーグルとは16年12月にホンダも提携を決めたばかり。クラフチックCEOは「我々は自動運転技術のプラットフォーム。安全など社会の役に立つ製品やサービスの実現のためにFCAやホンダ以外とも協業していく」と述べた。

既存の自動車メーカーの祭典とも言える北米国際自動車ショーでグーグルが車を「披露」したのは初めて。自動車とIT(情報技術)産業の融合がデトロイトでも着実に進んでいる。』

本の記事は、米大手ITベンダーのグーグルがデトロイトで始まる北米国際自動車ショーの開催前に、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と共同開発した自動運転車を発表したことについて書いています。

今までのグーグルの自動運転車は、試験的なコンセプトカー的な自動車で、カリフォルニア州などの公道で走行実験を行ってきました。

本日の記事は、グーグルが一歩進んで実用的な自動運転車の開発・実用化をFCAと進めていることを意味します。

グーグルがFCAなどの自動車メーカーと連携(アライアンス)して、実用的なEVベースの自動運転車を近々に製造・販売開始すると、既存自動車メーカーに大きな影響を与えます。

マイクロソフトがWindows95の販売を開始して始まったインターネットやITによる事実上の産業革命は、当時日本が世界最強を誇っていた家電AV電気機器を一掃させました。

ソニー、パナソニック、日立、東芝、NEC、シャープなどの大手家電メーカーは、大きな影響を受けて、その後、例外なくどのメーカーも集中と選択と表現された合理化(リストラ)を行う必要に迫られました。

私は、その当時大手家電メーカーで働いており、集中と選択作業の真っ只中にいました。

米大手ITが仕掛けたインターネットやITによるデジタル化の影響の大きさを実感しました。

インターネットやITによる産業革命は、例外なく既存事業基盤を短時間に変革・破壊します。

既存自動車産業は、現在2重の変革を迫られています。一つは、環境対応車の開発・実用化です。

環境対応車は、燃料電池自動車と電気自動車(EV)が最有力候補です。燃料電池自動車は、トヨタとホンダが先行していますが、現時点では、EVの開発・実用化を進めるメーカーが圧倒的に多い状況になっています。

トヨタも、最近、EVの量産化を実現するための新体制を発表しました。

もう一つは、上記した自動運転車の開発・実用化です。

グーグルは、自ら自動車メーカーになる意思はもっていないようです。グーグルが自動運転車の開発・実用化するのは、圧倒的な検索エンジンの優位性に基づく、インターネット上の広告宣伝収入の拡大にあります。

自動運転車は、移動するスマホやタブレット端末機器とみなして、インターネット出口数を拡大するためのツールになります。

グーグルやアマゾンなどの大手ITベンダーが、スマホやタブレット端末と同じやり方で、自動運転車を開発・実用化することは確実です。

自動車メーカーは、今までのやり方に基づいて大手ITベンダーと競争すると、家電メーカーと同じように大きな影響を受けます。

ビジネスのやり方を、国内メーカーが得意な垂直統合型から、ITベンダーが編み出した水平分業型に早急に移行する必要があります。

トヨタ、ホンダ、日産などの大手自動車メーカーは、家電メーカーの惨敗を見ていますので、垂直統合型のビジネスモデルにこだわらずに、他社との連携(アライアンス)を柔軟に行う仕組み作りを進めています。

また、自動運転機能の実装に向けて、米シリコンバレーに大型の人工知能などに関する開発拠点も設置しています。

今後、トヨタ、ホンダ、日産などの大手自動車メーカーは、グーグルなどのITベンダーの動きに合わせて、あるいはそれ以上のスピードで、自動運転機能付EVの開発・実用化を進める必要があります。

今流行の言葉となっているオープン・イノベーションを、国内外のITベンダーやメーカーと高効率に行えるかが重要になります。

この視点から、グーグル、トヨタ、ホンダ、日産などの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム