日経記事;『パナソニック、「賢い道路」米で受託 車とデータ即時交信』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『パナソニック、「賢い道路」米で受託 車とデータ即時交信』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

1月8日付の日経新聞に、『パナソニック、「賢い道路」米で受託 車とデータ即時交信』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『パナソニックは米国で自動車関連ビジネスを拡大する。IT(情報技術)を使い事故や渋滞をできるだけ無くす次世代交通システムを現地で開発する。米テスラモーターズとは自動運転分野でも協業をめざす。得意とするセンサーや電池といった自動車関連の技術を街づくりや自動運転に応用し成長分野に事業領域を広げる。

次世代交通システムは2022年の実用化をめざす。米コロラド州デンバー市が進める次世代交通システムの開発事業を受託した。17年から研究開発に着手し、19年に実証実験を始める。

道路に設置したセンサーで歩行者や車の動きなどを検知して安全な運転を誘導したり、渋滞を回避したりするシステムを想定している。例えば歩行者や障害物を見つけて危険と判断すると運転者に警告する。

車載通信機器や道路センサーから集めたデータをもとに道路の混雑を予測し、走行中の車に情報を配信して渋滞を緩和することもできる。事故が起きた時には、交通規制やスムーズな信号の調整にも役立つ。いわば「賢い道路」だ。

技術的には無線を使い道路と自動車間、自動車と自動車間で情報を共有する高度道路交通システム(ITS)を応用する。開発にはデジタル地図や通信機器のメーカーも参加する。情報の配信にはパナソニックが手がけるカーナビゲーションシステムなどをいかす。

パナソニックはデンバー市の次世代交通システムのプロジェクトでノウハウを蓄積し、他の地域にも事業を展開していく考え。デンバー市では省エネや安全性に優れた「スマートシティー」の整備にも参画しており、次世代交通システムとあわせ太陽光発電設備や発光ダイオード(LED)の電子看板なども一括で供給する計画だ。

パナソニックは自動車関連事業を重点分野に位置づけている。18年度には15年度比で5割増の2兆円に売上高を引き上げる目標を掲げる。交通システムなどインフラを含めた分野にも積極的に進出して事業を拡大する。』

パナソニックの経営について、本ブログ・コラムで何度か取り上げています。パナソニックは、ソニーと同じように、家電AV機器のビジネス不振により大規模な集中と選択を行いました。

その結果、パナソニックは新規事業の柱を業務用途(BtoB)にすることで、過剰な価格競争に巻き込まれない事業環境づくりを行っています。

そのBtoBタイプビジネスの主要事業の一つが、自動車関連用途になります。まず取り組んだのが米国のEVベンチャー企業であるテスラモーターズとの連携(アライアンス)による、車載用電池の開発・実用化・製造です。

次世代環境対応車としては、EVと燃料電池自動車の二つのやり方が現時点では最有力候補になります。

フォルクスワーゲンなどのドイツ自動車メーカーは、2016年までディーゼルエンジン車を主力商品として販売してきましたが、燃費の不正表示問題が米国市場で表面化した結果、今後の主力自動車をEVとすることを決定しました。

片一方、燃料電池自動車は、日本のトヨタやホンダが中心となって2020年頃の普及を狙っていますが、水素ステーションの設置などの社会インフラ整備が必要であり、高額投資になることから世界市場で普及するには時間を要する見込になっています。

また、トヨタも米国で開催されたCES2017で、自動運転機能付EVのコンセプトカーを発表して話題を集めました。

トヨタやホンダは、EVと燃料電池自動車の両方の次世代環境対応車の開発・実用化を進める必要があり、大変な投資金額になるリスクをもっています。

パナソニックは、EVの早期需要拡大が見込まれるため、EVのコア部品である電池の開発・実用化を進めることは、大きな成長期待が生まれます。

EVのもう一つの動きは、自動運転車になります。米国では、IT大手のグーグルが自動運転機能付EVの走行実験を長期間行っており、多くの実践的データやノウハウ蓄積を行っています。

テスラモーターズも完全自動運転機能付EVの開発・実用化を積極的に進めています。

パナソニックが車載用途ビジネスを拡大させるうえで、自動運転機能への対応は必要不可欠になります。

その視点からみますと、本日の記事はパナソニックが米国のコロラド州デンバー市が進める次世代交通システムの開発事業を受託したことについて書いています。

この受託は、パナソニックにとって自動運転車の開発・実用化を進める上で大きな影響を与えます。

自動運転車の開発・実用化には、IoTを支えるセンサーやレーザーなどの部品、無線通信技術、大量のデータを処理するソフトウェア・クラウドサービスや人工知能(AI)などの総合的な技術が必要になります。

パナソニック1社での実現は不可能です。パナソニックがオープン・イノベーションをフル活用して、他社との連携(アライアンス)を組んで勝者連合を有機的に構築・維持できるかがポイントになります。

この視点からパナソニックの今後の動き方に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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