- 三島木 英雄
- 株式会社FPリサーチパートナーズ 代表取締役
- 神奈川県
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
金利差が一気に拡大
ドルがどこまで上昇するのか?中々判断はしにくい現在です。 トランプ氏が次期大統領に確定してから一気にドル円相場が変わりましたが、なぜ変わったかは2国の金利が決定していきます。
下の表は2016年の日本とアメリカの10年国債の金利です。
日本国債 | アメリカ国債 | 金利差 | ドル円 | |
---|---|---|---|---|
2016年1月 | 0.264% | 2.291% | 2.027% | 117.76円 |
2016年7月 | -0.262% | 1.456% | 1.718% | 102.53円 |
2016年12月 | 0.076% | 2.599% | 2.523% | 117.75円 |
重要なのは金利差
2016年の初めは金利の差が2%程度あり、1ドルは117円でしたが、夏に向けて アメリカの金利が下がり、金利差が1.7%程になり1ドルの価値は大きく下落し102円まで円高になりました。
日本はマイナス金利政策を導入していて日本の金利がマイナスでも金利差の方が勝り円高が進行していた状況です。 日本の金利がマイナスなのになんで円が高くなっていくのか?という素朴な疑問がありますが、金利差をベースで考えると2016年初めの2%から1.7%に差が縮まっているので「ドル安」になったという事で理解できます。
円高、円安、ドル高、ドル安、と色々な言葉がありますが自分が見る指標が定まっていると理解がしやすいでしょう。 その後年末に向けて、アメリカの金利は上昇し、日本の金利もマイナスから脱しはしましたが金利差が一気に2.5%まで開き「円安ドル高」が 進行して118円付近の水準になっています。
円安ドル高はどこまで?125円を再び
誰もが気になるのは今回のドル高は何処まで進むのか?という事でしょう。
下図は平成に入ってからの日本とアメリカの10年国債を比較したものにドル円の為替レートを重ねたものです。
平成14年付近はアメリカの金利が4.2%、日本の金利が1.6%で金利差は2.6%程度あり現在と同じ水準で1ドル125円程度。一つの指標として金利差が2.5%程度あれば1ドルは120円付近であるというのが過去のグラフで見て取れます。
平成21年以降のリーマンショックがあった影響の時は金利差が1%程度しかなくドル安(円高)が非常に進んでいたのは記憶に新しい所ではないでしょうか。 今回金利差が2.5%の水準に達しているので、強気に考えればこのまま1ドル125円付近まではドル高が進行すると考えられます。
ただその後は両国の経済成長がキーポイントになってくると思われ、過去のような金利高になり、かつ金利差が広がればドル円は130円付近までは早いと見ることもできます。
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