日経記事;『パナソニック、車部品を買収 欧州のライト大手,1000億円規模で 業種越え市場争奪』に関する考察 - 各種の事業再生と承継・M&A - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:事業再生と承継・M&A

渕本 吉貴
渕本 吉貴
(起業・資金調達・事業再生コンサルタント)
濱田 浩三
(事業承継アドバイザー(BSA))
村田 英幸
(弁護士)

閲覧数順 2017年08月22日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『パナソニック、車部品を買収 欧州のライト大手,1000億円規模で 業種越え市場争奪』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 事業再生と承継・M&A
  3. 各種の事業再生と承継・M&A
経営コンサルタントの活動 新規事業開拓・立上支援

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

12月5日付の日経新聞に、『パナソニック、車部品を買収 欧州のライト大手,1000億円規模で 業種越え市場争奪』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは欧州の自動車用ライト大手、ZKWグループ(オーストリア)を買収し、同事業に参入する方針を固めた。両社は最終交渉に入っており、買収額は最大1000億円規模になる見通し。

IT(情報技術)、電機大手は自動運転や電気自動車(EV)の普及で生まれる商機の獲得へ、積極的な買収に動いている。業界や国境の垣根を越えた自動車部品の再編が広がってきた。

パナソニックとZKWは買収契約の詳細を詰めており、12月中にも基本合意する可能性がある。ZKWは省エネルギーで遠くまで明るく照らせる自動車の発光ダイオード(LED)ヘッドライトが主力製品だ

。欧米、中国やインドに生産・研究拠点がある。1938年の設立で、米ゼネラル・モーターズ(GM)など欧米大手に納入している。2016年の売上高見通しは約9億ユーロ(約1100億円)で従業員数は世界で約7500人。

世界市場では首位の小糸製作所と仏ヴァレオグループ合計で5割近いシェアがあり、ZKWは5%程度とみられる。自動運転時代にライトは安全性を左右する重要な部品になる。進行方向を予期して照らす方向を変えたり、明るさを調整したりする技術開発が進む。

パナソニックはセンサーなどで豊富なノウハウを持つ。視認性向上につながる新たなライトを開発し、2強を追い上げる。

パナソニックの自動車関連事業はカーナビゲーションと車載蓄電池が主力だった。米EV大手のテスラモーターズとは車載蓄電池で総額5000億円規模を投じる量産計画を進めている。

19年3月期に自動車関連で連結売上高2兆円(16年3月期比5割増)という目標を達成するため、幅広い分野で有力部品メーカーの買収を狙っている。昨年にはスペインの車部品大手フィコサ・インターナショナルに49%出資し、電子ミラーの共同開発を始めた。

自動車産業では異業種も交えた部品の再編が進んでいる。軸になるのがIT、電機大手だ。韓国サムスン電子は11月、車載端末に強い米ハーマンインターナショナルを80億ドルで買収すると決めた。

独シーメンスはヴァレオとEV向け駆動系部品の合弁会社を設立、米グーグルは自動運転にもつながるロボット関連企業を買収してきた。ソフトやセンサーといった技術を生かせるとみている。』


本日の記事は、パナソニックが進めている自動車関連事業の強化策の一つとして、欧州の自動車用ライト大手、ZKWグループ(オーストリア)を買収しようとしていることについて書いています。

パナソニックのM&Aが記事になることは、両社が本案件について基本的に合意していることを意味しています。

パナソニックは、経営危機に直面した際、集中的な合理化を進めて、競争力を失ったAV家電から撤退して、新規成長分野を自動車、家関連、環境・エネルギーなどの産業用途とすることとしました。

一般的に産業用途は、AVあるいはデジタル家電に比べて、商品・製品の入れ替わりサイクルが早くなく、国内電気電子メーカーの強みを発揮できる事業分野になります。

パナソニックが現時点で重点的に進めている自動車関連分野は、カーナビゲーションシステム、テスラモーターズと共同で行っている電池、空調機器《エアコン》、電子ミラーであり、それに今回のM&Aでライトが加わります。

パナソニックが自動車関連事業の強化を加速化させているのは、本日の記事にありますように、2019年度の当該事業の売上を連結ベースで2兆円にする計画をもっていることによります。

2兆円の売上は、パナソニックの連結売上の20~25%になることを意味します。パナソニックが新規事業分野として位置付けている自動車関連事業が、主力になります。

独フォルクスワーゲンやベンツ、BMW などの大手自動車メーカーは、ディーゼルエンジン車の排ガス不正問題で、一気に電気自動車(EV)の開発・実用化を加速させています。

また、最近、トヨタ自動車は2020年ころを目標に、EVの市場導入を実現するために、大型投資の実行を発表しました。

さらに、米グーグルがEVをベースとした自動運転車の開発・実用化を加速させています。日本政府は、東京オリンピックが開催される2020年に自動運転車を実用化させる目標を打ち出しています。

この自動運転車は、燃料電池車になる可能性が高いですが、最近の各社によるEVの開発・実用化の動きからEVも対象になるとみています。

トヨタは、燃料電池車の開発・実用化に加えて、EVの開発・実用化を行うことから巨額投資になる課題をもっていますが、世界市場の動きから自動運転機能付EVは、実行することになります。

自動運転機能付EVは、言わば動くインターネット出口端末機器になります。米グーグルが巨額投資をして開発・実用化を行うのは、この巨大市場となる分野で広告宣伝事業収入を獲得することにあります。

パナソニックは、自動運転機能付EVの提供企業ではなく、当該自動車を支える部品メーカーとして、勝ち組になる狙いがあります。

EVの最大の課題は、一回の充電で走行できる距離の増加にあります。今のEVが普及していないのは、一回の充電で走れる距離が実用的でないことによります。

ガソリン車は、満タンにすると大体500Km走れます。フォルクスワーゲンが今開発・実用化を進めているEVの走行距離は、300Kmとのことです。

EVの走行距離を長くするには、電池能力の向上と、車載用空調機器《エアコン》、ライトなどの消費電力を省力化する必要があります。

この点からみますと、パナソニックは主力部品となる電池技術の開発・実用化をテスラモーターズとの協業で加速させています。

車載用エアコンは、中国企業との協業で開発・製造を行っています。

自動運転車の視点からは、カーナビゲーションシステム、電子ミラー、今回買収するライトが重要部品の一つになります。

今後、パナソニックが他の重要部品、たとえば、モーター、インバーターなどの事業分野もM&Aで獲得するのかに注目しています。

既存の自動車部品メーカーも、パナソニックと同じように、自動運転機能付EVの開発・実用化を見越して、新規事業となる関連部品ビジネスを当然のことく強化してきます。

パナソニックが世界市場で、自動運転機能付EVを中心とした部品事業で勝ち組になれるかどうか、今後の動き方に注目していきます。

パナソニックの新規事業立上のやり方は、新規事業立上のために、M&Aや協業(アライアンス)を展開していきますので、ベンチャーや中小企業にも参考になることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;"東芝、米IBMのPOS端末事業買収 700億円前後"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/04/17 10:39)

日経記事;『電機、「選択と集中」の誤算』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/03/25 10:29)

日経記事;"音楽業界,アップルモデルに活路 ネット配信強化"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/02/23 08:33)

株主総会の招集通知の書式 村田 英幸 - 弁護士(2012/01/25 17:31)