しかし、売買契約締結後に予定していた通りの融資の承認が得られない場合、買主は売買代金の支払いができなくなります。
その結果、買主は債務不履行(契約違反)の責任を負わなければなりません。
そこで、売買契約書において、万一買主が融資の承認を得られなかったときには「売買契約を解除することができる」または「当然に解除となる」規定を設けて買主を保護するようにしています。
同時に買主に対し、「契約締結後すみやかに申込手続をすること」「融資条件等を明確にすること」「融資承認予定日を定めておくこと」を義務付けています。
なお、この特約は次の2種類がありますので、注意しておきましょう。
・融資の承認が得られなかった場合に、買主は契約を解除することができる「解除権留保型」
・融資の承認が得られなかった場合には、自動的に契約解除となる「解除条件型」
「解除権留保型」のときには、あくまでも買主からの解除権の行使、つまり買主からの意思表示をしなければ、契約解除にはなりません。
どちらの特約が付いているのか、しっかり確認することが大切です。
CFP®・不動産コンサルティング技能登録者 永田 博宣
不動産売買契約書の見方
不動産の売買契約と売買契約書
売買契約書の記載事項
当事者の氏名(法人にあっては、その名称)及び住所
売買の目的物の表示
実測と清算
代金の支払の時期および方法
所有権移転登記
手付金
手付解除
危険負担(引渡し前の滅失・毀損)
契約違反による解除
融資利用の特約
瑕疵担保責任
抵当権等の抹消
公租公課等の分担
付帯設備の引渡し
印紙代の負担区分
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