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日経記事;『「EV投入できる体制に」トヨタ自動車の副社長表明 環境規制強化に備え』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

11月9日付の日経新聞に、『「EV投入できる体制に」トヨタ自動車の副社長表明 環境規制強化に備え』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車の伊地知隆彦副社長は8日の記者会見で「電気自動車(EV)の投入を検討できる体制にしたい」と正式に表明した。トヨタは排ガスを出さないゼロエミッション車について燃料電池車(FCV)の開発を優先してきた。EVの開発も拡充し、世界の環境規制の強化に備える。

伊地知副社長はゼロエミッション車について「究極のエコカーはFCVとの考え方は今も変わっていない」と強調する一方で「地域ごとにエネルギーの課題やインフラ整備の状況が異なる」と述べ、EVとの両にらみが必要との考え方を示した。2017年にもEVの企画や開発を手掛ける社内組織を発足させる。

トヨタはこれまで電池の性能やコスト、充電時間の長さが普及の妨げになるとみていた。だが電池性能の向上に加え「独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス問題が契機となり、欧州勢を中心にEVシフトが早まっている」(トヨタ幹部)と判断。環境変化に合わせ、EV開発を加速する。

課題は開発に必要な人員や費用の捻出だ。トヨタの今期の研究開発費は1兆700億円の見通し。日本企業としては最高水準だが、ライバルのVWは約1兆3500億円(15年12月期実績)と次世代の技術開発を巡る負担は重くなっている。

カギを握るのは効率化や外部連携だ。トヨタは他社に先行したハイブリッド車(HV)で、富士重工業やマツダ、日産自動車などに基幹部品を供給し、普及や量産効果によるコスト低減を図ってきた。EVではマツダがトヨタとの連携を表明している。緩やかな提携を通じ負担を分散しながら成長につなげる手腕の巧拙が問われる。』


トヨタ自動車は、11月7日付の日経記事によると、『2020年までに電気自動車(EV)の量産体制を整え、EV市場に本格参入する方向で検討に入った。世界各地で自動車への環境規制が強まっているため。これまでエコカー戦略の中核としてきたハイブリッド車(HV)と燃料電池車(FCV)に続き、EVも主要製品として品ぞろえに加える。』と報じられました。

私は、何度か本ブログ・コラムで書いていますように、トヨタはそう遠くない時期にEVについて商品開発を行う必要が出てくるとみていました。

理由の一つは、アメリカのカリフォルニア州やニューヨーク州などで2018年から本格的に適用されるZEV(Zero Emission Vehicle)規制です。

ZEV規制に適応するには、排出ガスを一切出さないEVや燃料電池車を市場に参入する必要があります。

トヨタやホンダは、燃料電池車をZEV規制対応車として位置付け、開発・実用化を進めてきました。

燃料電池車を普及させるための課題は、大きく二つあります。一つは、水素ステーションの普及です。ガソリンスタンド並みに普及しないと、燃料電池車のユーザーは、容易に水素補充ができません。水素ステーションの設置には、多額の資金を必要とします、

もう一つの課題は、現時点では燃料電池車の販売価格が高いことです。この販売価格の課題は、量産化されれば、その製造コストを下げることができますので、いったん普及に弾みがつけば、解決可能とみています。

EVの普及を妨げていたのは、1回の充電による航続可能距離の短さでした。現在の電池技術では、ガソリンエンジン車並みの500㎞を達成することは、難しい状況です。

たとえば、独BMWは、近い将来のEV車の開発目標に、1回の充電による航続距離300㎞を発表しました。

トヨタは、現行の電池技術では近い将来300㎞~500㎞の航続距離を達成することは難しく、当面はハイブリッド車(HV)を環境対応車の切り札としてビジネス展開し、将来の量産車を燃料電池車として位置づけてきました。

しかし、最近二つの大きな環境変化が起こりました。

一つが、独フォルクスワーゲンがディーゼルエンジン車の排ガスデータを不正に操作さいてことによるEVの開発・実用化を決めたことです。

ドイツ政府も、フォルクスワーゲン、BMW、ベンツなどの自動車メーカーのEV化対応をバックアップしています。

もう一つは、アメリカと中国が二酸化炭素などの排出量を規制するパリ協定に調印したことです。
加えて、中国政府は、北京などの大都市での大気汚染を解消するために、二酸化炭素を排出しないEVやHVの普及を後押しする動きをしています。

上記のようなさまざまな動きが、EVに対する需要を増加させていきました。トヨタもEVの本格的な開発・実用化を発表することは、時間の問題だと予想していました。

トヨタは、HVで世界最高の技術やノウハウをもっています。EVの開発・実用化は、ゼロから行う必要がありません。

トヨタがEVの開発・実用化を行う上での最大の課題は、本日の記事にありますように、開発コスト負担と技術者の確保です。

EVの航続距離を長くするには、高性能電池の開発・実用化と、省電力化が必要不可欠になります。
アメリカのEV専業メーカーであるテスラモーターズは、パナソニックと連携・協業(アライアンス)して高性能電池の開発・実用化を進めています。

トヨタも、パナソニックなどの電池事業者と連携・協業(アライアンス)を行いながら、高性能電池の開発・実用化を急ぐ必要があります。省電力化も同じです。

多分、トヨタは、水面下で、他の自動車関連企業との連携・協業(アライアンス)を行うための、会話や交渉を加速させているとみています。

今後、トヨタがEVの開発・実用化に向けて、どのような対応を行うか注目していきます。トヨタの動きは、中小企業にとって新規事業立上時に、他社との連携・協業(アライアンス)を行う上で参考事例になることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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