日経記事;『DeNA、ゲーム開発で欧米撤退 米・チリの子会社解散』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『DeNA、ゲーム開発で欧米撤退 米・チリの子会社解散』に関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

10月19日付の日経新聞に、『DeNA、ゲーム開発で欧米撤退 米・チリの子会社解散』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ディー・エヌ・エー(DeNA)は18日、欧米でのスマートフォン(スマホ)ゲーム開発から撤退すると発表した。米国子会社と南米チリの子会社を解散する。すでに欧州拠点も閉じており、欧米地域での開発機能がなくなる。今後は国内で任天堂などの提携先とゲームを開発し、世界に向けて配信する方針だ。

米国サンフランシスコのDeNAグローバルとチリのサンティアゴにあるアタカマ・ラブズの2社を解散する。合計約150人の社員は退社する見通し。拠点閉鎖などに伴って、2016年10~12月期に30億円前後の費用が発生するという。

DeNAは08年から米国でモバイルゲーム開発を続けてきた。10年には米エヌジーモコを300億円超で買収して開発機能を拡充した。ただ、日本とは商習慣や文化が違う米国でスマホゲームをヒットさせるのは難しいうえ、エンジニアの奪い合いも激しく、米国事業は赤字が続いていた。

「ポケモンGO」など人気キャラクターが登場するゲームが脚光を浴びている。DeNAも任天堂との開発で年内配信を予定する「スーパーマリオラン」など、日本発で世界で受け入れられるスマホゲームに力を入れていくとみられる。米国のスマホゲーム事業を巡ってはグリーも買収した米ファンジオなどで200億円を超える損失を計上し、立て直しを急いでいる。』


スマホ用ゲームソフトやアプリソフトのビジネスは、激戦市場での競争に打ち勝たないと収益確保・拡大ができません。

また、いったん、あるゲームソフトやアプリソフトでヒットしたとしても、継続できるのはごく少数のものに限定されます。

私は、今まで何社かのゲームソフトやアプリソフトを開発・実用化するITベンダーを支援してきましたし、今も支援しています。

これらのITベンダーは、国内市場だけでは収益確保・拡大が難しくなる一方ですので、欧米やアセアンを中心とした海外市場の開拓も積極的に進めています。

ゲームソフトやアプリソフトに対する国内顧客の好みと海外市場の顧客の好みは、当然のごとく、一般的には異なります。

最近大ヒットした「ポケモンGO」のような世界市場で同時にブームになるアプリソフトは、レアケースと言えます。

今までハードウエアやソフトウエアの開発事業者に一般的に言われてきたことは、海外市場の潜在顧客のVOC(顧客の好みや要求内容など)を知るには、対象市場・顧客に近いところに開発拠点を設置してビジネスを行うことであると言うことです。

本日の記事にありますDeNAが、2008年にサンフランシスコにゲームソフトの開発拠点を設置したのも、欧米市場の攻略を目的としてだと考えます。

しかし、最近、私はハードウエアやゲームソフトやアプリソフトの開発・実用化を行うときに、必ずしも豆腐外市場中か隣接地に開発拠点を設置する必要性を感じなくなっています。

私の知っている何社かの国内ITベンダーは、サンフランシスコやシリコンバレーに拠点を設置して、ソフトウエアエンジニアを雇用して、ゲームソフトやアプリソフトの開発・実用化を行いました。

多くの場合、非常な困難を伴い、撤退した会社もあります。最も高い理由は、優秀なソフトウエアエンジニアを雇用できないことと、雇っても日本流のマネジメントを行ったことによります。

進出前に、上記のようなリスクがあることを説明して、再検討を促しましたが、何社かは実行しました。

サンフランシスコやシリコンバレーでは、ソフトウエアエンジニアの確保が非常に難しい状況が続いています。

また、ソフトウエアエンジニアの給料も、グーグル、アップル、マイクロソフトなどの米大手ITベンダーが、相変わらず積極的な採用を継続していますので、上がる一方です。

不動産や食品関連の値段も高く、ここで住み続けるにはかなりの収入がないと難しい状況になっています。

このような状況下で、DeNAやグリーのような国内では大手のゲームソフトベンダーであっても、優秀なソフトウエアエンジニアを雇用して、ヒットするゲームソフトを開発・実用化するのは一般的に困難です。

DeNAやグリーが米国から撤退する真の理由はわかりませんが、上記のようなことは推測できます。

私の支援先のITベンダーの中には、シリコンバレーのITベンダーと共同開発契約を締結して、共同でゲームソフトやアプリソフトの開発・実用化を進めている企業があります。

ほとんどの場合、チャットやSkypeなどの電話会議などのツールを使ってコミュニケーションしています。ソフトウエアの開発成果物は、GitHubを使って管理・共有化しています。

このITベンダーは、アメリカへの投資ではなく、連携・協業(アライアンス)の手法でゲームソフトやアプリソフトの開発・実用化を進めています。

また、開発したアプリソフトは、Kickstarterに出品して、投資ファンドを集めたり、投資家の反応から市場性を検証したりしています。


さて、一方DeNAの経営方針は、今回の米国事業からの撤退や、10月7日に発表された、「DeNAショッピング」「auショッピングモール」などDeNAの主要EC事業を、KDDIに譲渡することでケレンミのないものになっている印象をもっています。

これらのEC事業は、DeNAの創業時からの事業です。しかし、現時点では利益がでているものの、アマゾン、楽天などの競合他社との競争激化から、将来性はなく主力事業から外したものと推測します。

今、DeNAは遺伝子情報解析や自動運転などの新規事業立上をいろいろと試しています。DeNAは、動きの早いIT業界にあって、自社の強みを最大化して、持続的な収益確保・拡大ができるビジネスを継続して探し、挑戦する姿勢を持ち続ける意思をもっているとみています。

DeNAにとって、収益の柱となる事業は今後とも変化していくとみます。米国ヤフーやIBMなどの米大手ITベンダーの動きも同じであることによります。

DeNAの動きは、国内ITベンダーにとって参考事例の一つになります。この視点から、今後のDeNAの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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