日経記事;『日立、2事業売却へ 日立工機など1000億円超』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『日立、2事業売却へ 日立工機など1000億円超』に関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

10月5日付の日経新聞に、『日立、2事業売却へ 日立工機など1000億円超』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日立製作所はグループの工具事業と半導体製造装置事業を売却することで調整に入った。主要グループ会社の日立工機のほか、日立国際電気の一部事業が対象で、売却総額は1千億円超になる見通し。

日立は国内電機の中で「勝ち組」とされるが、世界景気の先行きが不透明ななか一段と選択と集中を進め、収益力の引き上げを加速する。

国内電機大手は売上高を追わず、収益性を高める戦略で再び競争力を取り戻しつつある。パナソニックが住宅・自動車分野などに集中し、ソニーもデジタル機器やエンターテインメント事業で攻勢に移っている。

日立はインフラやIT(情報技術)事業へのシフトを進めており、工具や半導体製造装置事業とは相乗効果が薄いと判断した。2016年3月期に6%台と国内の競合他社に比べると高い営業利益率をさらに引き上げ、世界市場で戦える収益基盤を確立する。

今年に入り、SGホールディングスと物流分野で、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と金融分野で、それぞれ資本・業務提携し、日立物流や日立キャピタルへの出資を受け入れた。

日立はグループで、日立工機が持つ自社株を含め、同社の発行済み株式の5割以上を保有する。17年前半までの売却完了をめざし、入札手続きに入った。売却額は500億円を超える見込みで、米投資ファンドのカーライル・グループなどが取得に意欲を示している。

5割超を保有する子会社、日立国際電気でも半導体製造装置事業を17年に売却する案が出ている。市場に流通する残りの全株をTOB(株式公開付け)で日立製作所がいったん取得したうえで事業を売却する案がある。現在の保有株の一部を事業会社に直接売却する構想もある。

大型の事業売却に踏み切ることでインフラやITの機器販売を手掛けながら、保守などサービス事業に軸足を移すビジネスモデルへの転換を急ぐ。電動工具や半導体製造装置は機器販売が主体で、サービスを重視するグループ戦略にもそわないと判断した。』


日立製作所は、何度か本ブログ・コラムで取り上げていますように、国内総合電気機器・家電大手メーカーの中で、いち早く「集中と選択」作業に取り組みました。

その結果、数年前に、他の国内大手メーカーに比べて、一定程度の収益確保・拡大を実現できる基盤を固めました。

その後、本日の記事に書いていますように、パナソニックやソニーも「集中と選択」作業を集中的に行い、最近、両社の経営数字にその結果が反映されるようになりました。

その日立製作所が、さらに追加する形で「集中と選択」作業を行うことになります。具体的には、
中核とならない事業である、半導体製造装置事業、建設現場などで使う電動工具事業、金融事業、物流事業がその対象になります。

米国では、継続的に「集中と選択」作業を行っている代表企業の事例として、IBMが良く取り上げられます。

IBMは、他の米国大手ITベンダー(マイクロソフト、グーグル、アップル、アマゾン、セールスフォース・ドットコムなど)との熾烈な競争環境下でビジネスをしており、今までの「集中と選択」作業の結果だけでは、収益確保・拡大が難しい状況になっています。

このため、IBMはさらにハードウエア事業への依存度を下げるとともに、人工知能であるワトソンを核にした新規事業立上を継続的に行っています。

マイクロソフトも、今までパソコン向けWindowsOSやアプリケーションソフトOfficeで築いた圧倒的な市場基盤が、競合他社との競争が激化して劣化しつつあり、対抗策の一つとしてオープンイノベーション方式を取り入れつつあります。

インターネット、IT、人工知能、IoTなどの急速な開発・実用化が進んでいますので、これらの事業に関わる企業は、いったん築いた事業基盤も競合他社との熾烈な競争により、急速に破壊されてしまうリスクに直面しています。

本日の記事にあります日立製作所や米IBM、マイクロソフトが直面している課題が、その事例の一つになります。

このことは、今の勝ち組企業が現在の事業基盤を維持拡大するために、不断の自己変革を継続的に行わないと生き残れない状況が続くことになります。

現時点では、グーグルやアマゾン勝ち組企業の一つになります。

このような事業環境下でビジネスを行う国内ベンチャー・中小企業は、日米欧の勝ち組大手企業の動きを見つつ、柔軟性をもって事業活動を行う必要があります。

たとえば、グーグルやアマゾンが提供する検索エンジンやインターネット通販などのプラットフォームは、彼らが勝ち組である間はこれを最大限利用して、自社事業の収益確保・拡大を図ります。いわゆる勝ち馬に乗るやり方になります。

同時に、自社商品やサービスの差別化・差異化の維持拡大と、新規ニッチ市場と販路開拓に邁進します。いったん、自社が築いた市場でも、その市場自体が破壊・変革させられてしまう可能性や、競合他社が急に参入してくるリスクを常に想定して、事業する姿勢が重要になります。

社会環境、経済環境、市場環境、競合他社の動きなどを注視しながら、自社の競争力やビジネスモデルを柔軟に維持・拡大・変更する柔軟性が、今後のベンチャー・中小企業に求められます。

その時に、本日の記事にあります日立製作所などの大手企業がどのように対応していくのか、そのやり方や成果を客観的に情報収集・評価することが役に立ちます。

この視点から、私は日米欧の大手企業の動向にいつも注目しています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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