日経記事;『グーグルのスマホ決済、秋にも上陸 国内外で支払い、まず三菱UFJと提携』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『グーグルのスマホ決済、秋にも上陸 国内外で支払い、まず三菱UFJと提携』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月31日付の日経新聞に、『グーグルのスマホ決済、秋にも上陸 国内外で支払い、まず三菱UFJと提携』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米グーグルは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と組み、今秋にも日本でスマートフォン(スマホ)を使った電子決済サービス「アンドロイドペイ」を始める。日本はIC交通乗車券「スイカ」や「楽天Edy(エディ)」などが普及するが、利用は国内に限られる。「世界仕様」のサービス上陸で、消費者は海外でも自分のスマホで買い物ができるようになる。

スマホ決済を巡っては米アップルも「アップルペイ」と呼ぶ独自サービスを日本で始める準備を進めているもようだ。スマホの基本ソフト(OS)を握る世界2強が参入することで、国内勢との顧客の囲い込み競争は激しくなりそうだ。世界で使える便利さや他のサービスとの連携など使い勝手の良さで消費者の支持を集め、利用可能店舗を増やせれば、勢力図を塗り替える可能性もある。

グーグルの日本参入は複数の関係者が明らかにした。アンドロイドペイはグーグルが2015年秋に米国で始め、現在は英国とオーストラリア、シンガポールでも提供している。

利用には「アンドロイド4.4」以降のOSを搭載し、近距離無線通信規格「NFC」に対応したスマホが必要。対象端末は国内で年間1000万台以上が販売されている。

専用アプリをダウンロードし、提携金融機関が発行するクレジットカードやデビットカードを登録しておくと、店頭でカード情報を教えなくても、読み取り機にスマホをかざすだけで支払いができる。スマホアプリで商品やサービスを購入する際の決済にも使える。

日本ではまず、三菱東京UFJ銀行が発行しているデビットカードに対応する。年内にも三菱UFJニコスが発行するクレジットカードでも使えるようにする。

MUFGは金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」への取り組みを強化しており、グーグルとの関係を他のサービスにも広げたい考えだ。グーグルは他の金融機関にもアンドロイドペイの採用を呼びかける。

グーグルはJR東日本やNTTドコモ、楽天、ジェーシービー(JCB)など他の電子マネー大手と、読み取り機などシステムへの相乗りを求めて協議を進めている。

アンドロイドペイはカード会社から決済手数料を取らない。グーグルは利用者の消費行動に関するデータを収集・分析。一人一人に提供する情報や広告の精度をさらに高め、収益の柱である広告事業の拡大を狙う。

日本銀行の調べでは、15年の国内のIC型電子マネーの決済件数は46億7800万件、決済金額は4兆6443億円だった。スマホ以外にプラスチックカード型を含む数値だが、10年比で2倍以上に急増した。』


本日の記事は、米大手ITベンダーであるグーグルが2015年9月から米国で開始した基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマートフォン(スマホ)向けの新たな決済サービス「アンドロイドペイ」を、1年後の今年秋に日本で導入することについて書いています。

米アップルは、アップルペイを2014年から米国で導入しています。アップルの場合、クレジットカード会社から手数料0.15%を徴収しています。

グーグルは、米国市場ではクレジットカード会社から手数料を取っていません。グーグルのビジネスモデルは、広告宣伝収入にあります。この広告宣伝事業の精度や質を高めて、フェースブックなどの競合他社との差別化・差異化を強化することで、広告宣伝収入の拡大を目指すやり方です。

アンドロイドペイから得られる個人や企業の消費者の行動情報・データをより一層精度良く集めて、競争力のある広告宣伝のやり方提案を、顧客企業に行って、広告宣伝収入を拡大させるのです。

日本では、リクルートが2015年より、中国のアリババやLINEと連携・協業して、スマートフォンで電子決済できるサービス提供をしています。

また、楽天は、今年秋よりスマホ決済となる楽天ペイのサービス事業を開始します。リクルートや楽天は、スマホ決済事業の収入源として、手数料収入を徴収します。

これに対して、グーグルはクレジットカード会社からの手数料をゼロにして、差別化・差異化を実現しようとしています。

さらに、グーグルは、日本での連携・協業先を三菱UFJフィナンシャル・グループに加えて、
JR東日本やNTTドコモ、楽天、ジェーシービー(JCB)など他の電子マネー大手とも協議しているとのこと。

このグーグルの動きは、当然のことです。グーグルは、スマホ決済のプラットフォーム構築を日本で行うことで、できるだけ多くの顧客情報・データを集めることが主目的あるからです。

米国や日本では、企業が宣伝広告を行う媒体が、テレビ・ラジオ・新聞などの既存メディアから、Webサイト、フェースブックなどのインターネット関連プラットフォームに急速に移動しています。

グーグルは、インターネット上の宣伝広告事業で、独占的立場をさらに強化しようとしています。米アップルがインターネット通販事業で、最強のプラットフォーム構築をしようとしていることと同じです。

インターネットやITは、IoT・人工知能対応を含めて、社会インフラやビジネス基盤を急速に破壊・変革しています。

日本銀行や三菱UFJフィナンシャル・グループなどの大手銀行が、「フィンテック」を真剣に検討して、導入するための事前準備を始めています。

これは、「フィンテック」が既存の企業間取引や海外を含む送金の仕組みを大きく、破壊・変革させる可能性が大きいことによります。

各銀行は、金融の仕組みの高信頼性・高安定性などを担保するため、システムやソフトウエアなどに巨額投資を行って、維持運営しています。

「フィンテック」は、その既存の仕組みを大きく破壊・変革する可能性があります。もし、米国などの大手金融機関が「フィンテック」を武器に、国内市場に参入すると、国内銀行が何の準備をしていなければ、大きな影響を受けます。

三菱UFJフィナンシャル・グループがグーグルの「アンドロイドペイ」と連携・協業するのは、上記背景があるとみています。

インターネットやITは、それほどの破壊力・変革力をもっています。いったん動き出すと、その動きは加速化して、極めて短期間に既存事業基盤を変えてしまいます。

グーグルの動きも、「フィンテック」の一環になると理解しています。

ITコンサルタントのジェレミー・リフキン氏が書いた「限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭」が2015年にNHK出版から発行されました。

この書籍の中で、インターネット・IT・IoT・人工知能が、モノやサービスなどの効率性や生産性を極限まで高めるため、モノやサービスを作るコスト(限界費用)が限りなくゼロに近づくと述べています。

限界費用が限りなくゼロに近づいていくと、企業の既存収益源が大幅に低下することになり、既存のビジネスモデルが機能しなくなるリスクがあります。

グーグルやアマゾンなどの米大手ITベンダーの動きが、そのことを象徴しています。国内製造事業者は、生産性や効率性を高める努力を行いながら、収益確保を行う仕組み(ビジネスモデル)を常に検討・構築することを意識して行う姿勢が必要になります。

国内製造事業者や国内ITベンダーは、自社商品やサービスの差異化・差別化を維持強化しながら、世の中の動き・状況をみて、収益確保・拡大のために必要な行動を迅速に決断・実行する姿勢が必要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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