日経記事;『富士通、スマホ製造9割自動化 「国内」コスト半減 格安需要増に対応』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『富士通、スマホ製造9割自動化 「国内」コスト半減 格安需要増に対応』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月28日付の日経新聞に、『富士通、スマホ製造9割自動化 「国内」コスト半減 格安需要増に対応』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『富士通はスマートフォン(スマホ)の製造工程を9割自動化する。人手より自動化が有利な作業をすべてロボットなどに置き換えることで製造コストを半減する。

携帯電話は普及が進み、出荷台数が低迷している。通信費削減のため格安スマホを選ぶ消費者が増えていることから、端末の製造コストを引き下げてシェア拡大を狙う。

ロボットや自動加工機を活用して製造コストを減らす。

富士通は「アローズ」や「らくらく」ブランドのスマホや従来型携帯電話を販売する。NTTドコモなどの通信会社に携帯電話を納入しているほか、通信会社を自由に選べる「SIMフリー」用も販売している。

携帯電話の普及が一巡し、端末の販売環境は厳しい。割安な料金を打ち出す新興通信会社を利用できるSIMフリー端末の出荷が特に増えており、端末についても低価格の機種の需要が伸びている。

大手通信会社でスマホを買い替えると端末代として5万~6万円以上かかることが多い。だがSIMフリーの端末は2万円台が売れ筋で、低価格化が進んでいる。

コスト競争力を高めるため富士通の生産子会社の富士通周辺機はまず一部機種で製造工程の自動化率を90%にする。同社はコスト削減のため自動化を推進してきたが、昨年で約7割にとどまっていた。

これまで人が担当していた配線やフィルム基板を取り付ける作業や完成品を梱包する作業などをロボットや自動加工機で代替する。人が携わるのは作業前の準備や外観や音などの最終確認、トラブル発生時の対応といった最小限にとどめる。

自動化により製造コストは1台あたり数千円以上削減できる見込み。国内向けに年間数十万台以上を製造すれば、海外の大手受託製造会社に発注するよりコストを減らせる。

富士通は2016年3月期の携帯電話出荷台数が360万台で、国内シェアは5位だった。まずNTTドコモ向けの「らくらくスマートフォン」など1年以上にわたって製造する機種を対象にする。今後、SIMフリー端末などに順次広げる。

富士通は自動化技術を活用しながらコスト削減を進めることでスマホ事業の収益力を高める。内蔵ソフトや色の違う機種を安価に製造できる体制を整え、通信大手だけでなく、需要が好調なSIMフリー端末用として販売する。

短納期で生産できる国内工場では市場のニーズに応じ、生産量などを柔軟に変更できる。海外の人件費上昇といったコスト要因に左右されにくい生産体制を築く。』


本日の記事は、富士通がスマートフォンの国内工場をほぼ完全自動化する動きについて書いています。

ファナックやキャノンは、すでに国内工場を全て、あるいは一部完全自動化しています。完全自動化工場のメリットは、人件費を中心とした固定製造コストを大幅削減できることにあります。

また、製造コストを削減できることで、価格競争力が高まりますので、ある程度の円高状況になっても輸出価格を上げる必要性が低くなります。

工場の自動化は、国内製造事業者が海外に置いてある工場を日本に呼び戻すことを可能にします。

国内製造事業者が、海外に工場を作るのは、主に以下の理由によります。

・低コストの労働力を確保して、製造コストを引き下げる。
・市場に近いところに工場を置くことで、当該市場の需要に応じて柔軟に生産量を管理できる。

低い労働力確保は、国内製造事業者にとって年々困難になりつつあります。これは、中国、タイ、ベトナム、インドネシアなど、今まで低い労働力確保を目的にして進出した国々で、毎年労働者賃金が二けたで上昇したたため、低い製造コストを維持できなくなりつつあることによります。

フィリピン、ミャンマーやバングラデシュなどの低賃金の国も、そう遠くない将来、労働者賃金の上昇が毎年起こりますので、低い製造コスト確保が難しくなる可能性があります。

低い労働力確保を目的にした海外工場建設は、将来的には遠いアフリカ諸国を除けば困難になるとみています。

人件費に頼らない製造コスト削減を実現するやり方の一つが、完全自動化された工場になります。
この工場をIoT・人工知能対応することで、市場環境に合わせた生産量の決定、材料を含めた部材の発注と受注、製造の実施、完成品の検査、出荷手続、配送などの全工程をほぼ自動化することも可能になります。

工場をIoT対応することで、部材メーカー、販売会社、輸送会社などと、生産量、在庫、販売数量などの情報・データを共有していけば、過剰在庫や過小在庫を避けると共に、低製造コストを実現できるための合理的な工場運営も可能になります。

また、自動化された工場は、一般的に24時間稼働が可能になりますので、製造リードタイムの短縮が図れます。

現在、国内製造事業者は、主に日本国内で自動化工場を実施していますが、近い将来、消費者市場に近いところにも、自動化工場が設置されるとみています。

たとえば、タイは失業率がほとんどゼロになっています。このような国で、市場に近いところに工場を作る必要がある場合、自動化された工場を作ることで、労働力確保の難しさと低い製造コスト実現の両方の課題を解決できることになります。

インターネットやITの急速普及と活用は、既存事業基盤を破壊、あるいは変革を行いつつあります。

IoT・人工知能対応した自動化工場は、製造のIT活用の典型的な事例の一つになりますので、今後、一気に拡大すると考えます。

自動化工場を支えるロボットの設備投資も、以前に比べて大型にならず、より短期間で投資回収できるようになっていることも、追い風になります。

中堅・大手企業だけでなく、中小企業のとっても、低額投資で自動化工場を実現、運営することが必要になってきますので、創意工夫で実行することを期待しています。

すでに一定数の中小製造事業者が、部分的に小型ロボットを導入しつつありますので、今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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