ローコスト住宅の考え方3 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

増井 真也
建築部門代表
建築家
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ローコスト住宅の考え方3

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家作りのコツ
さて、17日に公開したコラムの続きである。

断面寸法70ミリ角の長さ4.5メートルの柱。これを50000円という安値で購入できるにはもうひとつのコツがある。それは細かいことをつべこべ言わないということである。
通常、柱の数法の基準というのは3寸5分(105ミリ)角、4寸(120ミリ)角、という風に決まっている。これは古くから用いられてきたモジュールであり、いまだに日本の住宅の現場においては当たり前の規格として用いられている。大工さんが使うスケールなどの道具には、センチメートルの表記と尺、寸の表記が両方されているものだ。
このような規格の中でものを考えるとどうしても注文する際に6寸角、つまり180ミリ角の材料をくださいといってしまう。設計をしていてもある寸法を決めないとかけないので、きりの良い寸法を書いてしまうものだ。
しかし、木は生き物である。ちょうど180ミリのところに節が無いような木を育てることは誰にも出来ない。たまたまその場所に節が無さそうな木を探して、製材して、やっぱりあったらその材料は使えない。そしてまた探す。それを繰り返して出てきた一品の値段。それはそれは高価なものだろう。
今回この現場の柱は、だいたい180ミリくらいの断面寸法のものできれいな柱を探しているんですけど・・・という注文をした。これなら180ミリに削ったところで節が出てきても、もう少し削ればきれいになると思ったらあと1センチ削ってみる。そしたらたまたまきれいな面が出てきた。だからその寸法のものを売ってしまおう。と出来るわけだ。

図面の弊害、まさにそれだろう。図面に表記されているから1ミリでも足りないと手抜きだといわれる。1ミリでも大きいとやり直し。でもそんなことに何の意味があるの?
もちろん複雑な構造の中で、ほかの材料とのからみがあれば寸法をそろえる必要も出てくる。しかし、何の取り合いも無い独立柱の場合はその寸法はだいたいでよいのだ。
だいたい何ミリ。そういうおおらかな注文方法がコストを下げることは意外と多い。