日経記事;『産業革命4.0が拓く未来 サービスで稼ぐ製造業へ進化を』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『産業革命4.0が拓く未来 サービスで稼ぐ製造業へ進化を』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月17日付の日経新聞に、『産業革命4.0が拓く未来 サービスで稼ぐ製造業へ進化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『進化を続けるIT(情報技術)を米欧企業は競争力強化のテコにしている。日本企業も技術を使いこなし、成長力を高めたい。

とりわけ製造業にとっては事業革新の好機だ。インターネットで顧客とつながり、一人ひとりのニーズに応えた製品づくりが可能になってきたからだ。顧客に納めた機器が順調に動いているかどうかもネット経由でつかめ、保守などのサービスで対価を得る道も広がる。企業の創意工夫が問われる。

個々のニーズに照準

従来の大量生産型のものづくりは作りすぎや原材料の在庫増を招きやすい。これを改善できるのがIT活用の第1の利点である。個々の消費者の好みに合った衣料の生産を始めたセーレンは改革に踏み出した一例だ。

色、柄、形などの組み合わせで47万通りから選べるオーダーメード衣料を販売する。消費者は選んだ組み合わせを端末画面に映し出し、自分の姿と重ねて「試着」、ネットを通じて福井県の工場に発注する。いまセーレンは都内の百貨店などで受注しているが、9月からは消費者が自分の端末からも注文できる仕組みにする。

一人ひとりの消費者ニーズに応えることは需要の創造につながる。自社製品のファンを増やす効果もある。

技術革新が個々人へのきめ細かな対応を可能にする。米医療機器大手メドトロニックは人工知能(AI)技術を使った米IBMのコンピューター「ワトソン」を使い、糖尿病患者に、血糖値を下げるインスリンをその人に最も合ったタイミングで自動注入するシステムの実用化をめざしている。

日本企業もグローバル競争に勝つには最先端技術の積極的な活用が求められよう。

製造業にとってIT利用の第2の利点は、「モノ」以外の収益源を生み出せることである。背景には、あらゆる機器がインターネットにつながる「IoT」という技術の潮流がある。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は航空機エンジンや発電機器をネットに接続し、取り付けたセンサーから得られる「ビッグデータ」を分析、故障する前に部品を交換するなどのサービス事業を伸ばしている。日立製作所も鉄道や発電設備などをネットでつないだ保守サービスに力を入れる。

こうしたサービス事業は大手製造業の専売特許ではない。自動車向けを中心とした金型メーカーのヤマナカゴーキン(大阪府東大阪市)は、金型を固定するボルトにセンサーを埋め込み、振動や加わる力から金型に起きる不具合を予測できるようにした。

異常が起きる前に修理すれば生産設備を安定的に稼働させることができる。山中雅仁社長は「当面は金型の受注増をめざし、ゆくゆくは保守サービスの対価をもらえるようにしたい」と、新しいビジネスモデルづくりに意気込む。

企業は様々な分野に進出できる可能性がある。ダイキン工業は販売した空調機器をネットで結び、顧客の電力消費の状況を把握して、時間帯によって契約先の電力会社を変えることを提案する節電支援サービスを視野に入れる。

外部の資源をいかせ

人件費の安い国・地域の企業は完成品の組み立てで優位に立つ。製造業の付加価値の源泉は部品やサービスに移っていると、かねて指摘されてきた。

しかし日本メーカーは、ものづくりの力を生かし部品事業は伸ばしているが、サービスを収益源に育てる取り組みは遅れていた。「製造業のサービス化」を日本企業はいまこそ進めるときだ。

求められるのは自前主義にこだわらず、人材や技術などの経営資源を外部からも取り込んでいく柔軟さである。

ソフトウエア技術者などの需要は世界で増大することが見込まれる。実力本位の報酬決定を徹底し、国内外の優秀な人材の獲得競争に負けないようにしたい。

ビッグデータをAIで分析する技術は多くの企業で必要になるとみられるが、自社開発に時間をかけ過ぎれば商機を逃す恐れもある。事業のスピードを重視し、研究開発で先行する企業や大学と臨機応変に組む姿勢も必要だ。

そして肝心なのは、独創的な事業モデルを描く構想力である。経営力の優劣が表れやすくなっていることを企業は自覚すべきだ。』

昨日、私は、『産業革命4.0が拓く未来 サービスで稼ぐ製造業へ進化』 [何故アライアンスが必要なの?]のタイトルで、ブログ・コラムを書きました。

独のERP(統合基幹業務システム)分野での世界最大手ITベンダーであるSAPが、既存事業領域を核にして、製造、販売、物流分野に事業領域を広げる経営施策のやり方に関して、私の考えを述べました。

SAPがこのような拡大策に打って出たのは、インターネットやITの急速普及と急速進化、とくに、IoT・人工知能の進化・普及が急速に起こっていることによります。

インターネットやITは、既存事業基盤を急速に破壊し、新規事業基盤を急速に立ちあげます。その新規事業基盤も、強力な競合他社が出現すると、たちまち破壊されます。

最近の例では、米ヤフーが本体の検索エンジンによる広告収入獲得のビジネスモデルを、米グーグルや米フェースブックなどの競合他社にその事業基盤を壊されて、事実上撤退することを決めました。

SAPは、このような急速な事業環境変化を見越して、潜在競合他社となるアマゾンやグーグルなどの米大手ITベンダーとの競争に打ち勝つために、他社との連携・協業で事業の横展開を進めています。

製造事業者であっても、インターネットやITをフル活用して、ビジネスを行わないと、世界市場で勝ち組みになれません。

米GEは、他の大手製造事業者に先行してIoT・人工知能対応を行い、自社が販売した航空エンジンの稼働状態を自動モニター化して、さまざまデータから航空会社にデータ・情報として伝えて、
保守点検をより効果的的に行いながら、かつ、深刻なエンジントラブルを抑制する有償サービスを提供しています。

GEは、IT技術をさらに高めるため、自前の大型研究拠点をシリコンバレーに設置して、自らITベンダー機能をもつような勢いで積極投資を行っています。

トヨタ自動車も、何度か本ブログ・コラムで書いていますように、シリコンバレーに設置した大型研究拠点をベースに、IoT・人工知能対応を加速させています。

GEやトヨタなどの世界最大手企業であっても、すべて自前でIoT・人工知能対応を実現することはできません。

IoT・人工知能を含めたインターネットやITは、上記しましたように、既存事業基盤を急速に変化、あるいは破壊していることによります。

自社単独で開発・実用化をすべて自前で行う垂直統合方式の事業スタイルは、一部の素材産業などを除けば、競合他社との競合に打ち勝つことにつながらない状況になっています。

米アップルは、iPhoneやiPadの商品企画・開発・デザインに経営資源を注力して、製造は専門の製造受託者に任せて、ファブレス型ビジネスモデルで、ソニーやパナソニックなどの国内家電メーカーを圧倒しました。

国内企業が得意な垂直統合方式に対して、米ITベンダーが得意な水平分業型のビジネスモデルで圧倒しました。

アップルの競争力の源泉を商品の企画・開発・デザインに集中して、競合商品との徹底的な差別化・差異化を実現しました。

アップルは、この差別化・差異化を実現するため、多くのベンチャー企業を買収しています。このような動きは、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどの米大手ITベンダーでも、しばしば見受けられます。

国内企業は、最近、M&Aを積極化させていますが、多くの国内企業がM&Aを行った後の果実を手にしているとは言えない状況にあることも事実です。

私は、自分の支援先企業には、積極的に差別化・差異化を実現する技術やノウハウをもつ他社との連携・協業(アライアンス)を行うように、アドバイスしています。

他社との連携・協業は、お互いが異なる分野で強みをもっていて、お互いにメリットがある「Win/Win}の関係となる勝者連合が基本となります。

最近、数社の中小企業が、中堅・大手企業との連携・協業の仕組み作りを行いました。イコールパートナーシップによる連携・協業で、勝者連合になります。

以前は、中小企業がこのようなイコールパートナーシップでの連携・協業関係をもつことは、あまり多くありませんでしたが、本日の記事にありますように、国内中堅・大手企業の意識も変わり始めていると実感しています。

国内企業同士が、イコールパートナーシップで「Win/Win」の関係を作って成果を共有するためには、合理的な仕組み作りが必要になります。

とくに、中小企業には、このような仕組み作りに対する意識が低い場合がありますので、この面での支援も並行して行っています。

たとえば、私が講師となって、日本テクノセンターが主催する『アライアンス・技術提携による共同開発・事業化成功のポイントとその実践 ~演習付~』のセミナーを行うのも、その一環となります。ご関心がある方は、下記Webサイトをご覧ください。
URL; http://www.j-techno.co.jp/seminar/ID56DLRCMWD 

可能な限り多くの国内企業が、自社の競争力をベースに、柔軟に、かつ巧みに「連携・協業(アライアンス)を活用して、世界市場で勝ち組になるように動くことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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