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日経記事;『デンソー、2030年に備え 自動運転普及で競争環境激変 脱・自前、異業種と提携』に関する考察

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皆様、
こんにちは。グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月11日付の日経新聞に、『デンソー、2030年に備え 自動運転普及で競争環境激変 脱・自前、異業種と提携』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『世界2位の自動車部品メーカー、デンソーが自動運転時代の到来に危機感を募らせている。求められる部品が様変わりし、ドイツの部品大手をはじめとするライバルとの新たな競合にさらされているためだ。生き残りへ向けて変革を始めた。

デンソーは自動運転を想定したシミュレーターを公開した(5月、横浜市)。

「ドイツ大手とは互角の戦いをしていると思っている。アピールはへただが乗っていただけると分かると思う」。10日開いた技術説明会で、自動運転のために今年立ち上げたADAS推進部の松ヶ谷和沖部長は述べた。

だが、楽観視できる状況にはない。デンソーの筆頭株主であるトヨタ自動車が「カローラ」に採用したのは、独コンチネンタルの自動運転システムだった。同社はトヨタグループのお膝元である愛知県豊田市に開発拠点を設け、自動運転に役立つ障害物検知のカメラやレーダーの開発も手掛ける。デンソーは真っ向勝負を挑まれている。

トヨタに徹底的に鍛えられた高品質、低コストの物づくりで世界最強とも言われたデンソー。今、競争環境の激変に直面している。自動運転時代は加工やコストダウンの技術だけでなく、ソフトウエアやサービスも含めた「プラットフォーム」を提供できるかが勝負を分けるようになった。

対応のために設立したのが100人あまりで構成するADAS推進部。ここに来て内外のソフト会社と相次ぎ共同出資会社を設立しソフト人材を確保。半導体まですべて内製するなどこだわってきた自前主義を転換し、外部との連携を始めた。

2030年、完全自動運転車によるカーシェアリングが実現すれば自動車の台数は今の200分の1ですむ――。名古屋大学と共同で試算した結果を6月、あえて社員に公表したのは強い危機感を映し出す。配車を頼むと車が自動で迎えに来る社会では自家用車が必要なくなるかもしれない。極論かもしれないが「デンソーはどう変わるべきか」という問いを社員に突きつける狙いがある。

だが、ドイツ勢はデンソーの先を行く。世界最大手のボッシュは自動運転の核になる微細センサーでも世界首位。ソフト技術者を1万5000人そろえ、独南部のシュツットガルトで公共交通のシステム運用を受託した。フォルクマル・デナー社長は「最終消費者向けサービスまで自動運転にかかわるあらゆるプラットフォームを提供する」と言う。部品だけでなく、自動運転のバスやタクシーが走る街づくりも主導しようとしている。

コンチネンタルは昨年、フィンランドIT(情報技術)大手から車載用の組み込みソフト部門を買収した。米モトローラ、独シーメンスなどの部門買収も繰り返し「総合自動運転メーカー」を目指している。ZFも含む独大手3社は公道で自動運転車の実証実験を続け技術を公開。完成車メーカーだけでなくIT企業との仲間づくりを急ぐ。

変わり始めたデンソーだが、ドイツ大手と互角以上の戦いを続けていくには、変化のスピードをより上げる必要がある。』

本日の記事は、トヨタ自動車系列の部品メーカーであるデンソーの、自動運転車への挑戦について書いています。

自動運転機能は、各種センサーデバイス、IoT・人工知能、クラウドサービスなどのIT関連ノウハウを総合化して対応しないと事業化できません。

IT関連ノウハウは、現時点では、米大手ITベンダーが総合力で上回っています。さらに、米大手ITベンダーやテスラモーターズは、電気自動車(EV)で自動運転車の開発・実用化を進めています。

自動運転機能付EVは、現在のガソリンエンジン車と比べると、その開発・実用化ノウハウは大きく異なります。

米国のカリフォルニア州やニューヨーク州などでは、2018年からZEV規制が完全適用されますので、当面の間、EVが主流になります。トヨタやホンダなどのハイブリッド車(HV)は、これらの州では売れなくなります。

グーグルやアップルなどは、既存自動車産業基盤を大きく変革しようとしています。ITにより、自動運転機能付EVを開発・実用化して、走るインターネット出口端末化して、広告収入やアプリケーションソフトの課金ビジネスで収益拡大を図る狙いがあります。

米大手ITベンダーは、水平分業型のビジネスモデルで、自動運転機能付EVの開発・製造を行いますので、既存自動車メーカーも同じような対応をしないと、国内家電メーカーと同じように世界市場で負け組になります。

一方、インダストリー4.0を掲げるドイツの自動車メーカーは、IoT・人工知能対応を積極化しており、すべての関連メーカーは、ディーゼルエンジン車からEVへの対応も並行して行っています。

国内自動車メーカーは、このような事業環境下で米独の企業と競争して、勝ち組になる必要性があります。

トヨタやホンダは、IoT・人工知能対応を急ぐため、米国のシリコンバレーにIT関連の大型研究拠点を置いて、関連技術やノウハウの開発・実用化を急いでいます。

アップルやグーグルなどの米大手ITベンダーは、水平分業型で製品を開発・製造するやり方を確立しました。製造工場は、自前で持たないファブレス事業です。

製品競争力は、ソフトウエアによって実現しています。彼らは、自動運転機能付EVで同じ手法を適用しようとしています。

トヨタやホンダ、デンソーなどの国内自動車メーカーは、水平分業型の米大手ITベンダーやドイツ自動車メーカーとの競争に打ち勝つ必要があります。

国内自動車メーカーは、コアな競争力をもちつつ、垂直統合方式ではなく、競争力をもつ他社との連携・協業を巧みに行って、開発コストの抑制と開発スピードの迅速化を実現しないと、欧米企業との競争に打ち勝つことができません。

本日の記事にありますデンソーの動きは、トヨタ本体と共に、部品専業事業者として、自動運転機能付EVを開発・実用化に向けたものになります。

トヨタやホンダ、あるいは、デンソーのような自動車関連メーカーが、今後、どのように効果的な連携・協業を実現して、競争力を維持強化していくか注目していきます。

彼らの動き方は、国内中小企業にとって良い参考事例になります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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