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日経記事;『クルマ異次元攻防(5)「自動車会社」って何? 生産受託の台頭 変革迫る』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月6日付の日経新聞に、『クルマ異次元攻防(5)「自動車会社」って何? 生産受託の台頭 変革迫る』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米シリコンバレーにある電気自動車(EV)メーカー、テスラモーターズの工場から車で約15分。4月下旬、中国の新興インターネット企業、楽視網信息技術(LeEco)が研究所を開設した。同社は動画配信サービスが主力だが、最近はテレビやスマートフォン(スマホ)などにも進出。中でも力を入れているのが、EVの開発だ。

アンドロイドの工場では複数メーカーのエンジン生産ラインが流れる。

年内に800人に増やすシリコンバレーの拠点でも、「約100人が車載情報システムやバッテリー、自動運転技術など車関連の研究に取り組む」(研究所幹部のショーン・ウィリアムズ氏)。開所式では直前に中国で発表したコンセプトカー「LeSEE」も映像で紹介した。

創業者の賈躍亭董事長は「中国のイーロン・マスク」の異名を持つカリスマ経営者。ロサンゼルス郊外に本拠を構える別のEVベンチャー、ファラデー・フューチャーにも出資するなど、自動車ビジネス参入に並々ならぬ意欲を示す。

下がる参入障壁

車造りに革命を起こした「T型フォード」の誕生からまもなく110年。数万点の部品をジャスト・イン・タイムで調達し、自社工場で完成車に一気に組み立てる「擦り合わせ」はトヨタ自動車を筆頭とする日本車メーカーの競争力の源泉だった。

しかし、部品点数が格段に少ないEVでは相対的に「擦り合わせ」の重要性が低下。参入障壁が一気に下がった。メンテナンスも簡単になり、大がかりなディーラー網も不要になった。直販しかしないテスラは、メーカーとディーラーの「鉄の結束」にも揺さぶりをかける。

こうした流れを後押しするのが、家電やパソコンなど電機業界で先行した生産受託サービス、自動車版「EMS」の台頭だ。

米デトロイト近郊に本社を構える米アンドロイド・インダストリーズ。1988年創業の同社は車メーカーの注文に基づいて部品を調達し、「ドア」や「エンジン」などを一定レベルの完成品に仕上げて決められた時間内に納品する。「造れと言われれば、完成車も造る」と、キャスリン・ニコルズ最高経営責任者(CEO)は胸を張る。

アンドロイドは2008年の金融危機後、工場投資を減らしたいゼネラル・モーターズ(GM)など米国勢向けを中心に事業を拡大。ブラジルやイタリアなど世界で20工場を運営する。品質管理にも定評があり、内製化にこだわるトヨタも、トルコでは生産の一部を同社に委託する。

「1.5万ドル以下」目標

長年「黒子」に徹してきたアンドロイドだが、最近は完成車の商談が増えてきた。水面下では中国の車メーカーがEVを企画・設計し、アンドロイドが生産する計画が進んでいるという。

米アップル製品の生産受託で知られるEMSの本家、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業もEV市場参入に向け動き出した。13年にはEVの生産受託をにらんだ事業部門を新設。郭台銘会長はEVの価格を「1万5000ドル以下」に引き下げる野心的な目標を掲げる。

力をつける車版EMSには、自動運転車の開発に取り組むシリコンバレー企業も秋波を送る。最後は「黒子」に敗れたのが日本の電機産業だが、自動車はどうだろうか。』

本日の記事は、EVの普及が既存の自動車業界を大きく変える可能性について書いています。私は、この考えに基本的に賛成します。

日本の家電メーカーは、アップルやマイクロソフトなどの米大手ITベンダーに、既存事業基盤を壊されて、新規事業基盤への移行に失敗しました。米大手ITベンダーは、商品企画・開発・デザイン力、および経営スピードで国内メーカーを圧倒しました。

パソコンに始まったデジタル革命は、製造業のあり方を変えました。いわゆる水平分業です。それまでの国内家電メーカーは、競争力を維持強化するために、開発・実用化をすべて自前で行う垂直統合方式を採用していました

インターネットやITを駆使する米大手ITベンダーは、競争力の源泉を商品企画・開発・デザイン・ソフトウエアに基づいて磨きをかけていきながら、製造行為は外部の電子機器製造専業事業者(EMS;Electronics Manufacturing Service)に委託するファブレス型のビジネスモデルを確立しました。

EMSの代表企業は、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業です。最近、シャープを子会社にしました。

アメリカのEV業界では、テスラモーターズが代表的な存続です。このEV業界に、自動運転機能を武器にして、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーが参入しようとしています。

EVは、ガソリンエンジン車に比べて部品点数が少なく、構造が極めてシンプルになります。しょうしょう極端に言いますと、電池やモーターなどの部品を調達できれば、誰でもEVを作れます。

EVの差別化・差異化は、自動運転機能や、機能やエンターテインメント性などを実現するために搭載されたアプリケーションソフトなどによることになります。

自動運転機能付EVのビジネス環境は、現在の家電事業と極めて類似するものになります。

おそらくトヨタ自動車やホンダなどの国内自動車メーカーは、このビジネス環境をよく理解していると考えています。

トヨタやホンダが、米シリコンバレーにITや人工知能の大型開発拠点を設立・運営することが両社の危機感を表しています。

トヨタやホンダにとっての誤算は、米国のカリフォルニア州やニューヨーク州などが2018年から完全適用するZEV規制対応車に、ハイブリッド車(HV)が入らないことです。

ZEV規制への適用車は、現時点ではEVと水素自動車になります。水素自動車は、水素ステーションの設置などの社会インフラ構築が前提になります。

水素自動車普及には、時間を要しますので、短期的な解はEVになります。トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーが、最重要市場である米国でZEV規制対応車への対策をどのように行うのか注目しています。

EVは、家電商品と同じように、インターネットやITをフル活用していきますので、低価格化が進むとみています。

また、自動運転機能が付いて安全走行の担保が可能になると、自動車に要求される耐久性などにも変化が起こり、車体に使われる素材もより廉価版に移る可能性があります。

もし、トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーが、今までのビジネスのやり方に固執し過ぎると、国内家電メーカーと同じように既存事業基盤を壊されて、新規事業基盤で戦えないリスクがあります。

国内自動車メーカーは、柔軟にかつ迅速に対応して、自動運転機能付EVの急速普及に、開発・実用化・製造のすべてのプロセスで、圧倒的な競争力を維持・強化することを大いに期待します。

今後の自動運転機能付EVの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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