日経記事;『プラットフォーム企業の育成が急務だ』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『プラットフォーム企業の育成が急務だ』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

7月9日付の日経新聞に、『プラットフォーム企業の育成が急務だ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『無料対話ソフトのLINEが来週、日米で株式を上場する。調達した資金でサービスの開発を進め、業容の拡大をめざす。IT(情報技術)を駆使して新しい産業を生むグローバル競争は激しい。日本はイノベーションを主導できる企業の育成を急ぐ必要がある。

LINEはスタンプと呼ぶイラストをスマートフォンで交換するのが特徴で、日本とアジアを中心に2億人以上が使う。今後ねらうのは、音楽配信や決済など様々なサービスの基盤となる「プラットフォーム」としての成長だ。

世界を見渡せば、すでにプラットフォーム企業がひしめく。とくにグーグル、アップル、フェイスブックなど米国勢は強力だ。

これらIT大手は世界中で利用される製品やサービスを持ち、パートナー企業やソフト開発者と独自の経済圏を築いている。膨大な顧客データを収集、分析して製品やサービスの競争力を高め、さらに勢力を伸ばす好循環がある。

近年は人工知能(AI)技術をてこに、自動運転車やロボットといった分野に進出し、研究開発や事業化の先導役を担う。影響力はネット空間を超えて広がる。

日本政府はAIやデータ活用などITで新市場を創出し、経済成長を促す目標を掲げる。絵に描いた餅にしないためには、世界に通用するプラットフォーム企業が欠かせない。

まず、ベンチャー企業の育成が大切だ。調査会社ジャパンベンチャーリサーチによると、昨年の国内ベンチャー投資は1532億円と過去最高となり、今年も高い水準の投資が続く。

ただ、既存の技術やしくみに依存した製品、サービスで満足しているベンチャーが目立つ。自らプラットフォームを生もうという野心的な試みは少ない。起業家は発想の転換を求められる。

大企業の役割も大きい。例えば、日本には自動車や産業機械の有力メーカーが多い。走行データや設備の稼働データをうまく使い、新種のサービスを実現できれば事業モデルを刷新できる。米国のプラットフォーム企業がライバルであると認識し、ITを使いこなす力を磨かなければならない。

あらゆる機器がネットにつながる時代を迎え、どの産業もIT化の波をかぶる。大企業とベンチャーの協業や、業種を超えた再編も検討課題となる。経営者はここが正念場との自覚が要る。』

本日の記事は、国内ベンチャー・中小企業、とくにITベンダーは、アップル、グーグル、フェイスブックなどの米大手ITベンダーが構築したプラットフォーム上で動くアプリケーションソフトやゲームソフトなどを作るだけでなく、プラットフォーム自身を構築する積極性をもつことの必要性について書いています。

私は、この考えに大いに賛成します。私は、今まで数十社のITベンダーを支援していますが、残念ながら、プラットフォーム構築・運営をビジネスモデルにした企業は、ごくわずかです。

国内ITベンダーがプラットフォーム構築を行うためには、高度な技術力とスマートな経営力をもつ必要があります。スマートな経営力には、先見性、リーダーシップ、構想力、企画力などの多様な能力が必要になります。

プラットフォーム構築を1社単独で行うことは、一般的には難しい場合が多いです。

現在のIT業界では、プラットフォーム構築の必要性が高い分野は、IoT・人工知能対応です。日本国内で行うIoT・人工知能対応は、プラットフォーム構築に失敗すると、しょうしょう大げさ言いますと、国内企業は世界市場で負け組になるリスクがあります。

たとえば、製造業は、IoT・人工知能対応なしには、将来像が描けなくなると考えています。日本では、最近、毎年15歳から64歳までの生産年齢人口が減少し続けています。また、製造現場の従業員を雇うためには、一定金額の給料を払う必要があります。

日本国内で製造した商品を海外市場に輸出して、収益確保するには、競争力のある商品を開発・実用化することは、もちろん必要です。

同時に生産性を絶えず向上させて、製造コストを圧縮する不断の努力を並行して行う必要があります。

世界市場は、ITやインターネットでつながっており、一般的には商品やサービスの対価は減額傾向にあります。

国内製造事業者は、競争力のある商品の開発・実用化だけでなく、製造現場を高効率化して、省人化をはかり、製造コスト低減化を行う必要があります。

一時、中国は多くの若手労働者を低賃金で大量に供給できたため、世界の工場になりました。しかし、最近では、地方からの労働力確保が難しくなったことと、労働者賃金が毎年上昇したため、多くの製造事業者が中国からアセアンやアフリカなどの地域に工場を移管しています。

アセアン域内では、現在、ベトナムやインドネシアで、新規工場開設が活発化しています。豊富な労働力と比較的安い労働者賃金が主要因になります。

しかし、両国とも、毎年労働者賃金はほぼ二けたの率で上昇していますので、いずれ現在の中国と同じように、低い製造コストの維持はできなくなります。

この問題解決のやり方の一つが、自動工場になります。製造従業員はほとんどいない無人の自動工場です。

国内製造事業者では、産業用ロボットの世界企業であるファナックやキャノンなどの大手企業が、国内で自動工場を稼働させています。

今後、中小製造事業者も、これらの大手メーカーと同じように、製造ラインの省力化・自動化が必要になります。

中小製造事業者は、多額の投資ができませんので、比較的安い投資で製造ラインの省力化・自動化を実現できるやり方の構築が必要になります。

これを実現するためのポイントは、低価格である人工知能搭載の産業用ロボットを開発・実用化することだと考えています。

人工知能の視点から、国内製造業の強化を真剣に考えているITベンチャーが国内には複数存在しています。

最近、マスコミに取り上げられる機会が多くなっているPreferred Networksが一例になります。
Preferred Networksの経営陣は、国内製造業の高度化を実現することが競争力向上つながり、そのために自社のITや人工知能技術を活用することを事業目的にしています。

このため、Preferred Networksは、ファナックやトヨタ自動車などの国内大手メーカーと協業・連携して、出資を受けています。

Preferred Networksが開発・実用化した人工知能技術を搭載した産業用ロボットが、ファナックなどの国内メーカーにより開発・実用化されていくことになります。

国内メーカーが、当該産業用ロボットを使って高度化された製造設備や工場を実現できれば、競争力向上につながります。

また、他国のメーカーも競って採用することになります。これが実現すると、ファナックとPreferred Networksは、産業分野でプラットフォーム構築が可能になります。

本日の記事に書いていますように、IT関連ビジネスでプラットフォーム構築を目指すには、実力のあるITベンダーと中堅・大手企業が協業・連携して、「Win/Win]スキームが成り立つよう対応することが必要不可欠になります。

ITベンダーの高度専門技術と速い経営力、大手企業の資本力や実行能力、販売体制などがポジティブに回ることが肝要です。

この視点から、プラットフォーム構築ビジネスの可能性に関して、Preferred Networksなどの人工知能に特化した高度専門技術をもつITベンダーと、ファナックやトヨタ自動車などの大手企業
との協業・連携による成果を期待しつつ注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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